
国語、総合、特活、アイスブレイクetcに! 教育漫才では、笑いを通じて子どもたちの創造する力とチャレンジする気持ちが“温かく”育ちます
定価 1,980円(税込)
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著者 | 田畑 栄一 著 |
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出版年月 | 2021年03月 | 在庫 | 未刊・予約受付中 |
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お笑い番組が放映された次の日、たくさんの子どもたちがそのネタを真似している姿を見たとき、先生方はどう感じるでしょうか? また、係活動で、「お笑い係をやりたい!」と発案されたとき、どうされていますか。
実はこの「漫才づくり」は、しっかりと指導することで、コミュニケーション能力や語彙力、プレゼンテーション能力などが育ち、「課題を立てて情報を集め、まとめ・発表する能力」が、楽しく鍛えられる教材ともとれることができるのです。
本書では教育漫才の実践を平成27年から行っている著者が、漫才づくりを国語や特別活動などで簡単に導入できるよう、30の指導のテクニックを紹介しています。
漫才は「言葉」と「間」を駆使する学びの宝庫
教育漫才には2つのルールがあります。漫才と言えば「人をいじる」など、教育現場にとってマイナスな面もあるので、まず以下の2点を共有します。
1 悪口などのマイナス言葉を使わない
2 蹴ったり殴ったりする行為はしない
すると、笑いを取るために考えるべき要素が以下の2点に絞られます。
1 言葉の面白さ
2 間の面白さ
この「言葉」と「間」という条件の中で、笑いを取るという課題に向かって、ペアの同級生と取り組んでいくことに、言語能力などを鍛える要素が隠れているのです。
本書では、漫才のネタや、受け継がれてきた漫才の技に内在する、学びの可能性を、具体例を交えながら紹介しています。
そもそも漫才は、日常との「ズレ」によって笑いを生み出す技術です。
日常で当たり前の言動や風景と、ネタの内容が「ズレている」ことをボケ役が言ったときに、観客に代わってツッコミ役が指摘することで、笑いが生み出されます。ボケとはこの「ズレ」を生み出す技術です。
例えば、「算数が好き。たくさんの歌が歌えるから」
というと、「原因と結果」のズレ。
「算数が好き。だってお金持ちになれるから」
というと、「勉強する意味」にズレが生まれています。
このズレのレベルによって面白さが変わりますし、クラスの雰囲気によって、ウケるポイントは変わってくるでしょう。ボケは「ズレの創造者」、ツッコミは「観客の代弁者」です。
三段落ちは、子どもたちも取り組みやすく、漫才のパターンを掴むことができるのと、漫才の基本は言葉のテクニックだということを共有できます。
子どもの作品例
A:どんな犬が好き?
B:うーん。ラブラドールが好きだな。あの垂れた耳が可愛い。
A:なるほど。つぶらな瞳も可愛いよね! ほかには?
B:うーん。秋田犬が好きだな。凛としていて格好いいよね。
A:なるほど。最近は有名なアスリートも飼ってて、世界的にも有名になったよね。ほかには?
B:あの、温かくて、おいしくて……たまらない……
ホットドック!
A:そうだよね、って、ドッグはドッグでも犬のドッグじゃないでしょ!
もういいよ、ありがとうございました。
三段落ちのネタを作る上では、特定のジャンルの語彙力が必要なほか、論理的思考力や文章構成力が必要になってきます。
また、ネタづくりをしている中で、相方とのコミュニケーションが生じて、「これまでのイメージと違う」などの他者理解や、「自分は言葉にしてこなかったけれど、こういうものが好きだったんだな」という自己内対話が進むことも教育漫才のネタづくりの魅力です。
本書では三段落ちを教育漫才のネタの基本と位置づけ、子どもは言葉を入れていくだけでネタが作れる、穴埋めワークシートを収録しています。
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ほかにも「物語風ネタ作り(いわゆる「コント」)」や「あいうえお作文」、「モノマネ」など、子どもが「やってみたい!」と思うネタの型について指導法や注意点を掲載しています。
また、「導入の仕方」や「当日の会場づくり」など、「導入~ネタづくり~発表~振り返り」までの授業のコーディネートの方法を分かるようにしました。国語や総合における合科的な単元計画も提案しています。
「私は、人前で話したりすることが苦手だったが、今は自分で思っていることを、自信をもって発表できるようになりました。ネタづくりを通して、『どうしたらお客さんにもっとよく伝わるのか』などを考えるようになりました。言葉一つ一つで、相手への伝わり方も違ってくるので、大切にしたいと思います。」
教育漫才の発表を終えた子どもの感想です。温かい雰囲気の中でそれぞれの発表を認め合うことで、クラス内の発言量が増えていきました。
著者がそもそもこの取組を始めた理由は、漫才好きの子どもが多い実感と、いじめや不登校の問題を減らすためでした。実際に全校で実施した際には、いじめの数は減り、不登校はほぼゼロになったそうです。
「笑う学校には福来る」。笑いに向かう子どもたちの好奇心を学びにつなげましょう!
書籍内イラスト いまいかよ
カバーイラスト カワチ・レン
装丁 小山巧 (株式会社 志岐デザイン事務所)