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小学校1年 イラストで見る全単元・全時間の授業のすべて 生活 板書シリーズ - 東洋館出版社

小学校1年 イラストで見る全単元・全時間の授業のすべて 生活 板書シリーズ

タイプ: 書籍
ISBN: 9784491040127

田村 学/編著

セール価格 3,080(税込)
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商品説明

「板書シリーズ 生活」の編著者である、國學院大學教授、前文部科学省視学官

田村学先生に「板書シリーズ 生活」の特徴や活用の仕方についてお話を伺いました。

生活科を子どもたちと一緒に楽しもう!

『楽しくなければ生活科ではない』ということはいつも考えておいたほうがいいと思います。子どもたちも生活科は大好きだし、とても人気がある時間だと思うのですが、この楽しい時間をやはり子どもと共に先生方にも楽しんで欲しいと思います。

今回の新学習指導要領の育成を目指す資質・能力の3つの柱には、①知識及び技能、②思考力、判断力、表現力等、③学びに向かう力、人間性等の3つがあります。どれも大事ですが、特に「思考力・判断力・表現力等」が存分に発揮できているような姿を目指していくべきではないかと思います。

生活科の成立の背景やこれまでの実践を見ると、活動や体験はかなり工夫がされてきました。ただ今後は一層、「表現活動」に力を入れることを意識してほしいと思います。そうすれば3つの資質・能力の育成にも向かい、生活科の存在価値や、実際に生活科で子どもが本当の学力といったものを獲得してくことに結び付けることができると思います。

子どもたちは生活科でいろいろなものに触れ、観察し、言葉や絵で表現していきます。対象を一体的に学ぶ傾向のある低学年の子どもたちは生活科の指導の中で、国語的な言葉を使った表現力や算数の数の概念等を学び取っていくのです。生活科は生活科だけに留まらず、他教科との関連的な指導、効果的な指導が可能で、子供たちの学びを豊かにすることができるのです。

同時に教科間という横のつながりだけでなく、縦のつながりも大事です。つまり幼児期で学んだことがいかに小学校の生活科に結び付くか、あるいは生活科で学んだことが3年生以降の学習にいかに発展していくかということです。
この横のつながりと縦のつながりを意識すると、結節点として生活科という教科が存在します。新学習指導要領では、低学年の教育がかなり大きくクローズアップされていると考える必要があるのではないかと思います。

「生活科からちょっと広がり過ぎちゃった」ではなく、「他教科にこんなに広がるんだ!」というように、先生も楽しんで子どもと一緒に取り組まれるといいと思います。

生活科の評価について

生活科の評価に関しては、平成元年の学習指導要領が告示されたときから3観点で進めてきているので、評価の観点自体にあまり変化はありません。ただこれまで以上に、「見えにくいものをいかに見取るか」ということが大事になってくると思います。

見えにくいものを見取るための方法として具体的には3つあります。
1つ目は、「空間軸でつなげて見取る」ということです。授業中の子どもの発言や書いた感想、つぶやきや表情など、子どもの様子から考えを見取るということです。

2つ目は、「時間軸でつなげて見取る」ということです。時間軸でつなぐというのは、日々の授業や活動の中での子どもの発言の変化や考え方の移り変わりを見取るということです。

3つ目は、「基準を定めて、それを基に見取る」ということがやはり必要だと思います。つまり子どもの姿をできるだけ丸々見取りたいとはいっても、やはり今日の授業ではこんな姿になってほしい、ここのところを具体的に描いてほしいなどの基準をイメージして、目の前の子どもとの違いを照らし合わせれば、「よしよし、いい感じだな」とか「いや、ちょっとまだかな」というところが見えてきます。

この「空間軸・時間軸・基準」の3つを教師が意識をして、授業の中の子どもの様子を見取ればおそらく今まで以上に子どもの姿がよく見えてきます。今まで何となくただ遊んでいるなと思っていた子が、「こんなふうに考えて遊んでるんだ」とか、「すごく工夫してるんだ。随分成長したな」というのが見えてきます。子どもたちの見えにくいものが見えてくると、おそらく授業に臨む教師の意識もより前向きになり、授業に取り組む楽しさを感じることができるのではないでしょうか。

「板書シリーズ 生活」の活用法

実際の生活科の授業が年間に小学校1年生は102時間、2年生は105時間あります。
ただ今回の「板書シリーズ」ではまずは単元や時間ではなく、1年間または2年間を俯瞰できるようにして、イメージと見通しを持っていただけるようにしました。

生活科という教科はほかの教科以上に地域性、あるいは学校の固有性が出やすい教科だと思います。地域の特徴によって、体験したり、出かけたりする場所や出会う人などに違いが出やすいからです。ただ、最初からオリジナルの単元をつくったり、学校の特徴を生かした独創的な教材を用意したりすることは、若い先生にとってはなかなか大変だと思います。この「板書シリーズ」にはいろいろ経験のある先生方の工夫・アイデアがたくさん詰まっていますから、それを参考に取り組み、そこに少しずつ独自性を入れるのが良いと思います。

これまで生活科は体験・活動が重視されてきましたが、前述したようにこれまで以上に「表現活動」に力を入れて頂きたいと思います。活動した後に表現したり、話し合ったりするような場面では、教師がどんな板書をするのかということが大事になってくると思います。低学年ですから、黒板全体から「ああ、なるほど」「今度はこういうことがしたいな」というように、大きくイメージとして捉えられるような構造化された板書がいいのではないかと思います。

さらに付属のDVDには授業で使える「学習カード」がワード形式で収録されています。大事なことは、そのカードを子どもがやらされて書くのではなく、自ら取り組もうと思って書くかです。

十分な体験があり、「自慢したい」「お家の人にも伝えたい」というような子どもの思いを大事にして、表現する場面を用意すれば、より一層学習効果は高まるでしょうし、子どもたちは学びを自分自身でつくっているという感覚も出てくると思います。子どもたちが自ら取り組むものとして、そのカードに向かっていけるような扱い方をしていただくといいと思います。