学びの哲学

    学びの哲学

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      Barcode: 9784491034331

      嶋野 道弘/著

      $14.00

      著者紹介

      嶋野道弘
      1946年、埼玉県熊谷市生まれ。熊谷市立公立小学校教諭、埼玉大学教育学部附属小学校教諭・埼玉大学教育学部講師(併任)、埼玉県教育委員会教育局主任指導主事、1993年より文部省初等中等教育局小学校課教科調査官、文部省初等中等教育局視学官、文部科学省初等中等教育局主任視学官を経て、2005年より11年間文教大学教育学部教授を務める。日本生活科教育学会(後に日本生活科・総合的学習教育学会に名称を変更)の創設に関わり、常任理事、会長を歴任
      [2018年1月現在]

      目次

      序章

      第1章 授業改革の理念・理論と方法

      45(50)分の授業改革
       1 授業進行の段階と意味
       2 目当て・見通し―気になる状態を創り出す―
       3 学び合い―アクティブな活動を創り出す―
       4 まとめ・振り返り
      授業改革を支える理念・理論
       1 「学び合う」ということ―ボトムアップ的学び論―
       2 対話的な学び
       3 思考の可視化
       4 存在を際立たせる―平等と不平等―
       5 学びの実感―生き生きとありありと感じる―
       6 人間的な視点からの学び―有意味性・可能性―

      第2章 授業の実際と授業づくり

      学び合いで創り出す究極の授業
       1 主体性を引き出す手立て
       2 必然の状況をつくる(学習問題をめぐって)
       3 学び合う素地をつくる
       4 深い学びの過程(詩を文化的に学ぶ)
       5 肯定的子供観に立つ
       6 教えること・学ぶこと
       7 教師の出どころと出方
      「見方・考え方」を働かせる深い学びの授業
       1 「ものの見方・考え方」を働かせる
       2 「観察する」ということ
       3 「命」を学ぶ
      「授業展開の基本形」を共有した学びの授業
       1 授業展開の基本形(スクール・スタンダード)
       2 学びは「過程」にある
       3 生活や社会とつながる学び
       4 学びの実感

      第3章 学校と地域・社会がつながる子供の学び

      社会に開き、アクティブな学びを実現する―「江尻流そうじ大会」の開催
       ◆主体的・探究的な学びの実現と「振り返り」
       ◆ドラマチックな学びを創り出す
       ◆広告のプロによるレクチャーと効果
       ◆対話を通して合意を形成する
       ◆ファシリテーター(求められる資質・能力)
       ◆直面する問題に対処する
       ◆難しい問題を解決する
       ◆「他人事」から「自分事」へ
       ◆美里さんの存在
       ◆美里さんの変容・自分形成
       ◆アイディアを発想する
       ◆問題に気付き改善する
       ◆〝大成功〟の確信と意味
       ◆効果的な話し合いの手法の活用(ワールドカフェ)
       ◆参加者アンケートの結果紹介
       ◆社会の現実に直面し、立ち向かう
       ◆広告のプロによるレクチャー(広告の要素)
       ◆水野先生の広告づくりと子供への効果
       ◆「振り返り」の意義と効果
       1 ツールや手法の適切な活用
       2 探究的・課題解決的な学びの過程
       3 成功体験と失敗体験の効果
       4 社会に開かれた教育の実現
       5 地域への愛着形成
       6 子供が変わる

      第4章 子供・教師・授業

      Ⅰ 「実体」と「実態」の誤差に着目する
      Ⅱ 「子供」と「教員(学校)」の誤差に着目する
       1 「そう思う(教員)」と「そう捉えていない(児童生徒)」の誤差
       2 「実施した(教員)」と「している(児童生徒)」の誤差
       3 「表れている(教員)」と「感じている(子供)」の誤差
      Ⅲ 主体性が発揮される状況を創り出す
      Ⅳ 「関わる力」の源泉を汲み取る
      Ⅴ 「快の感情」が主体性・創造性を刺激する
      Ⅵ 「有意味」な学びを創り出す
       1 授業に「見通し」と「振り返り」を組み込む
       2 「学びの実感」に関心を向ける
       3 言語活動を充実させる
      Ⅶ 子供を捉えて理解する

      第5章 授業改革に向かって

      ポジティブ意識とネガティブ意識
       1 ポジティブ意識
       2 ネガティブ意識
       3 ポジティブ意識への転換
       4 多忙感を挙げる傾向
      まずはやってみる
      授業の瞬間と教員の直覚
      美学論に立つ教育論
       1 教育の精神
       2 つながる教育・関わる教育
       3 「知識基盤社会」を生きるために
       4 教育観・指導観

      終章

          Description

          学びの哲学 s一瞬のひらめき 新たな着想 踏み出す勇気 「学び合い」が実現する究極の授業 時代を超えて変わらない、誰もが認める「いい授業」がある! 自由自在に紡がれる「深い学び」の授業づくり

          「授業とは何か?」
          「学びとは何か?」
          「子供とはどのような存在なのか?」

          この根源的な「問い」に答えるのが、本書最大のミッション。
          現場教員、指導主事、文科省教科調査官/主任視学官、大学教授という様々な立場から、あるときは具体の授業をつくり、またあるときは学習指導要領をつくるなど、半世紀にわたり温かなまなざしで授業と関わり続けてきた著者が、「子供の学び」と「教師の学び」を明らかにします。
          たおやかで、しなやかな独特の文体で織り成す「嶋野ワールド」
          その豊かな世界観から、数々の実際の授業、具体の子供の姿を通して見えてくる「いま」と「これから」の姿をつなぎます。
          「メタ認知的学び解釈」とはひと味違う、現場教師目線の「学びの本質」を1冊に!

          「見通し」とは?

          「見通し」は本時の学習の予測であり洞察です。どのように学ぶか、自分はどうか、などが意識されます。それは自己肯定感(自分の存在を認める)や自己有能感(自分はそれができるという期待や見通し)や自己効力感(自分は役に立つことができる)を刺激し、今、まさに始まろうとしている学びへの期待を高めます。
          見通しには、順序の見通し、解決の見通し、可能性の見通し、自己関与の見通しなどがあります。

          • 『こんな順序でやるんだな』は、順序の見通し
          • 『答えは○○かもしれない』は、解決の見通し
          • 『あのやり方でやればできそうだ』は、方法の見通し
          • 『今日はできるかもしれない』は、解決と可能性の見通し
          • 『自分はどうだろうか』は、自己関与の見通し

          子供は目当てを確認すれば、自ら見通しをもとうとします。授業の成り行きや結果、それに対する自分自身のことが気になるからです。すなわち「見通し」の真意は、気になるようにすることにあります。

          一般に、教師の意識は「目当て」に比べて「見通し」が疎かになりやすいものです。教師は、目当ての確認に続いて、例えば『どのようにやりますか』『できそうですか』のように、「どのようにしたら課題を解決できるか」「課題が解決できそうか」を子供に問います。そうして、目当てに対しての気になる状態を創り出します。
          目当てを確認し、見通しをもつ過程において、個(自分)と集団(みんな)の関係も意識されます。「協働すればきっとよい結果が得られそうだ」(成功感・成就感)、「結果はともかく、みんなとやってみる価値がありそうだ」(やりがい感)、「自分はそのことについて役に立てそうだ」(役立ち感)、という見通しがもてたとき、学習への主体的な参加意欲が高まります。
          「見通し」は学びに向かうスイッチです。

          「学び合い」とは?

          学び合う授業づくりでは、例えば「それなら…(こう)したら…」というように、子供の学習状況を捉えた上で、新たな視点や学び合いの方向を示す言葉掛けが効果的です。また、一人一人の子供のよさを認め、自信や意欲を高めて、学び合いに積極的に参加できるようにする言葉掛けも必要です。

          • 「きみがいてよかった」は、存在のよさ
          • 「あの場面でよくやった」は、判断のよさ
          • 「あの考えが役に立った」は、効力のよさ
          • 「そうやって考えたのか」は、発想や考え方のよさ

          自明のことですが、話し合う活動で発言しない子供はいるものです。そうした子供は自分の中で、自分がもう一人の自分と対話しているのかもしれません。教師は「手を上げなさい」「発言しなさい」と促すだけでなく、自分がもう一人の自分と対話しているかもしれないことに着眼すべき理由がここにあります。

          学び合うことの要諦は、いかに自分を感じながら学んでいるか、にあるのです。
          自分が自分自身、友達や対象と関わり合い、そこでの「ふしぎ」という疑問、「なるほど」という納得、「そうそう」という共感、「おやおや」という驚き、「こうかもしれない」という推理、「こうしたらどうかな」という創意工夫などをたっぷりと経験する中から、学びの実感は湧き起こってきます。そうした経験に立脚した知力こそが確かな学力—「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性」—になります。

          「まとめ」「振り返り」とは?

          まとめは、学んだ内容や方法の整理や確認を意味します。それは目当てと対になります。
          まとめは、板書されたキーワードなどを使って全員で整理・確認します。教師の責任ある適切な指導・助言が必要です。まとめをおろそかにしたり曖昧にしたりしたのでは何を学んだのか分かりません。したがって、学んだことが身に付きません。

          子供たちが板書を見直したり、大切な言葉を発言したりします。それを取り上げながら本時のまとめを板書します。子供たちが声に出して読んだりノートに書いたりします。それが授業の終わりに行われる「まとめ」(学んだことの確認)です。

          「まとめ」に対して、「振り返り」は、各自(一人称)の学びの捉え直しです。振り返りは省察(自分自身を省みて考え巡らすこと)であり、自分自身の学びの味わい直しです。それは、学んだことを自分で自分の内に落とし込む行為を意味します。最近は「リフレクション」として注目されています。
          学んだことの定着や学びに向かう力を高めるには、学んだことを整理・確認するだけでは足りません。この時間の学びが自分にとってどのような意味や価値があったかを自覚させることが重要なのです。

          子供たちが将来、使える「資質・能力」を高めるために!

          学びの哲学 一瞬のひらめき 新たな着想 踏み出す勇気  時代を超えて変わらない、 誰もが認める 「いい授業」がある! 自由自在に紡がれる 「深い学び」の授業づくり

          Specifications

          • 読者対象: 小学校教員・中学校教員
          • 出版年月: 2018年1月18日
          • ページ数: 264

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