マナビズム

    マナビズム

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      Barcode: 9784491035499

      奥村 高明/著

      $14.00

      著者紹介

      奥村 高明
      日本体育大学教授
      博士(芸術学)。宮崎県内の小・中学校教諭、宮崎大学教育学部附属小学校文部教官教諭、宮崎県立美術館学芸員、国立教育政策研究所教育課程調査官、文部科学省教科調査官、聖徳大学教授、児童学部長などを経て現職。専門は、図画工作教育、鑑賞教育、美術館との連携など。アートカードや鑑賞アクティビティツールなどの教材、著書や雑誌論説、学会論文等多数。
      [2018年6月現在]

      目次

      第1章 子供という概念―それはどのようにして生まれたのか

       「子供―学校」という概念
       学校制度が結婚を変える
       「反抗期」の誕生
       「困った男子」の誕生
       「地図が読めないオンナ」の理由

      第2章 デザインがつくり出す「学び」の現実

       不思議世界を生きる子供たち
       世界を意味づける子供とのコミュニケーション
       文化とせめぎ合う子供
       モノやコトのデザインから成立する子供と教師
       デザインがつくり出す「現実」
       子供とデザイン

      第3章 「知識」は変化し、「学力」は進化する

       ネットワーク学力論
       「イイクニ・カマクラ」と「概念的な知識」
       「知識基盤社会」と「生きて働く知識」
       美術検定から見る知識の構造
       知識が変化した2007年
       現代人の知能は高い?
       テレビや漫画の変化

      第4章 教育の効果、その最大要因は「教師」

       効果量という指標
       少人数学級の効果
       教師の効果
       教師の質と現職教育

      第5章 授業3つの忍術[その①]設計の術

       どの場面、どの段階でもチェックしたい!
       「深い学び」とは「深い問い」

      第6章 授業3つの忍術[その②]実施の術

       子供が分かるから、授業ができる
       「相互行為分析」の視点
       授業における「相互行為分析」
        1 視線
        2 姿勢の変化
        3 手の動き
        4 役割
       子供を感じる対話術
        1 事実的な知識の段階
        2 概念的な理解の段階
        3 創造的な段階へ
        4 一番の基本は「転心の術」
       「ほめる」より「認める」
        1 「ほめてはいけない?」人格称賛の落とし穴
        2 「認める」を伝える
        3 「全体」より「部分」
        4 「気持ち」を正確に伝える

      第7章 授業3つの忍術[その②]発信の術

       広報型の発信
       発表型の発信
       評価型の発信

      〈エピローグ〉 研究授業は「1人の子しか見ない!」
        1 見る子を決める、先生は見ない
        2 1人を見る、つながりを見る
        3 頭のなかを空にする
        4 子供と目が合ったら?

          Description

          学力観ではなく、学力そのものがカタチを変えている!
          「知識」は変化し、「学力」は進化する
          子供自らが「概念」を形成する学びの姿とは?
          ---------------------------------------------------------
          2050年の未来社会に向けて

          2014年3月、国土交通省は、2050年、日本の人口は約9700万人、全国の6割以上の地域で人口が2010年の半分以下になると発表しました。経済の縮小と、活力の減少が心配されます。
          また、レイ・カーツワイル博士は、2045年までには人間と人工知能(AI)の能力が逆転するシンギュラリティ(技術特異点)に到達し、人間の生活を大きく変化させると言います。

          今後30年のうちに、私たちがこれまで経験したことのない社会が到来する可能性があります。現在、経済、国土、財政など様々な分野からの対応策が検討されていますが、教育においては、知識を高度化させ、答えのない課題に立ち向かっていける人材育成が求められています。
          このたびの教育改革は、従来の考え方を根本的に刷新するような改革だと言われています。

          ・知識・技能の概念形成の重視
          ・資質・能力(コンピテンシー)の充実
          ・子供の見方・考え方が働く学びの実現
          ・思考力を問う大学入試改革など

          しかし、今回の新学習指導要領が求めるものは、なかなかに難解です。たとえ理念を理解できても、それをどうやって具体化させるか、たとえば目の前の子供の姿や具体の授業の姿に重ね合わせる(イメージする)ことがむずかしいからです。

          そうした思いから生まれたのが、奥村高明先生の『マナビズム』です。本書は、「学び」という観点から、答えのない困難な課題に立ち向かっていける「能力」とは何か、そのために必要な「知識」とは何か、そもそも「子供」とはどのような存在なのかを明らかにします。

          世界の様々な研究者による、以下のような知見を紹介しながら、「子供観」「学力観」「教師観」「授業観」を見つめ直すとともに、「授業3つの忍術」という考え方から、今後求められる「授業の姿」を明らかにします。

          人々は文化的コミュニティの一員として発達する。 (バーバラ・ロゴフ)
          子供たちは抽象画は知らないだろうが、自分が好きなものは知っている。 (『ライフ・マガジン』誌)
          「子供」とは、社会的につくりだされた概念である。 (フィリップ・アリエス)
          学習に最も違いをもたらすのが教師だ。 (ジョン・ハッティ)
          人類の知能は、着実に上昇し続けている。 (ジェームズ・ロバート・フリン)
          行動や行為は、その場の当事者によって生み出される。 (ジョージ・サーサス)
          デザインが人間の生活を変え、時には命を救う力さえ秘めている。 (バーバラ・ブレミンク)

          子どもの学びを具体の姿をイメージするためには、私たちが当たり前のように思ってきた様々な事柄(子供、学力、教師、授業)を、もう一度問い直してみる必要があります。もしかすると、私たちのイメージする学力と、新しく到来する社会が求める学力との間にズレがあるかもしれません。本書はこのようなパラダイムの検証にも役立つでしょう。

          Specifications

          • 読者対象: 小学校教員・大学教員
          • 出版年月: 2018年7月3日
          • ページ数: 232

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