算数の学校ができるまで
算数の学校ができるまで
Barcode: 9784491041056
$15.00
著者紹介
目次
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尾﨑正彦先生が全国の小学校授業を見てまわり、授業改革日本一の「算数の学校」と称した第2向陽小学校。「授業が変わると子どもが変わり、学校が変わった」
公立小学校の7年間の挑戦をひも解き、研究授業の成果を辿り、その軌跡をご紹介します。成功する校内研究――その鍵となるのは、貧欲に学び合う教師集団でした。
子どもたちに「第2向陽小ってどんな学校?」と聞くと「算数の学校」という答えが返ってきます。算数の授業変革の結果から、自分たちの学校を自慢に感じているからです。校内で実施したアンケートの結果、「算数が好き」と回答した児童は全校児童の90%を超えていました。その主な理由に「みんなで考えながら答えを見つけていけるから」「友達の意見をたくさん聞くことができるから」といったことを挙げています。
子どもたちが学校を描いたポスター
講師が様々な授業提案を試みるも、際立った変革が見受けられないのが各学校の現実です。しかし、第2向陽小学校の先生方は、授業の教材開発を何回も練り直し、子どもへの接し方のスキルを、何度も振り返りながらレベルアップしていきました。そして自分たちが納得いくまで、授業を改善し続けたのです。
それにより、一部の熱心な教師だけではなく、学校すべての教師が経験値を上げていきました。そのため、どのクラスでも質の高い算数授業が展開されています。
その結果、「算数の授業改革では公立小学校No.1」とまで言われるようになったのです。
校内研究で講師から提案を受けても、それを「学校ぐるみ」で取り組める学校はそう多くありません。しかし、第2向陽小学校はちがいました。学んだ成果を「すぐやる」ことを実践し、学校が変わったのです。
講師の授業の「技」を自分たちの授業に積極的に取り組みました。しかもどの教師も共通して取り入れる。学んだことは全員が「必ずやる」。ここに第2向陽小の強みがあります
提案を受けなくても、公開授業で講師の授業を分析し、「技」を取り入れていきました。その上で教師全員に共有する。そして実際の授業で何度も何度も試しました。「できるまでやる」それが成功の秘訣です。
第2向陽小の実践から、成功してきた校内研究の秘密を紹介します。 その鍵となるのは「学び合う教師集団」。学年団で校内研究をするだけではなく、各学年をつなぐ「縦割り」とペアでつくる「メンター制」を導入しています。助け合い、学び合うための、網の目のような関係性の構築がその強みです。それにより、自分の悩みや思い、アイデアを気軽に相談できるのです。
授業改善の全施策を具体的に余すことなく紹介。
テーマは、
「問いが連続する授業をつくる」
「児童の思考によりそう授業をつくる」
「数学的な見方・考え方を意識した授業をつくる」
さらに、「全員の学力の定着を図る施策」についても解説しています。
子どもの変容の一歩を目指して“教える”から“コーディネートする”教師へ! 授業づくりを変えようと取り組んだ教師、学校の試行錯誤の日々が籠められた珠玉の一冊です。