資質・能力を育成する授業づくり 小学校国語

    資質・能力を育成する授業づくり 小学校国語

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      Barcode: 9784491043913

      髙木展郎・白井達夫・坂本正治/編著

      $17.00

      著者紹介

      髙木展郎
      横浜国立大学名誉教授
      1950年横浜市生まれ。横浜国立大学教育学部卒、兵庫教育大学大学院修了。国公立の中学校・高等学校教諭、福井大学、静岡大学を経て、横浜国立大学教授2016年3月退官。文部科学省「義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議」座長。主な著書に、『変わる学力、変える授業。』(三省堂、2015)、『評価が変わる 授業を変える』(三省堂、2019)、『資質・能力を育成する学習評価』(共編著、東洋館出版社、2020)、『フィンランド×日本の教育はどこへ向かうのか?明日の教育への道しるべ』(共著、三省堂、2020)、『資質・能力を育成する授業づくりと学習評価 中学校国語』(共著、東洋館出版社、2021)など。
      [2021年8月現在]

      白井達夫
      横浜国立大学非常勤講師
      横浜国立大学附属横浜小学校の研究主任として評価研究に取り組み、教職員の共同著作として『一人ひとりのよさを生かす評価』(明治図書、1993)を出版。その後、同校副校長、川崎市総合教育センター教科教育研究室長としてカリキュラム研究に取り組み、川崎市立中原小学校の校長を勤めていたときに、これも教職員の共同著作として『生きてはたらくことばの力を育てるカリキュラムの創造』(三省堂、2009)を出版。現在も各地の学校に伺い、先生方と共に評価やカリキュラム・マネジメントについて学び続けている。主な著書に、『授業を豊かにする28の知恵』(三省堂、2010)、『新学習指導要領がめざす これからの学校・これからの授業』(共著、小学館、2017)『小学校新教育課程 国語科の指導計画作成と授業づくり』(編著、明治図書、2009)などがある。
      [2021年8月現在]

      坂本正治
      川崎市立東小倉小学校校長
      川崎市立小学校国語教育研究会の常任委員として、「ことばの教育」や「楽しい授業づくり」などについて長く研究・実践に取り組んでいる。研究会では2年間会長を務めた後、現在は顧問として市内小学校の授業研究や研修を支援している。また、校長として赴任した東小倉小学校では、川崎市教育委員会研究推進校として、平成29・30年度には国語科、令和1・2年度には道徳教育を取り上げ、研究報告会を行った。令和3・4年度は、川崎市教育委員会研究推進校とし「SDGs」「キャリア在り方生き方教育」といった教育課題研究を通して、カリキュラム・マネジメントを進めている。
      [2021年8月現在]

      目次

      はじめに 1

      理論編
      第1章 国語科に求められる新しい役割
       第1節 「学力」ではなく、なぜ「資質・能力」なのか
       第2節 「社会に開かれた教育課程」の実現のために、国語科はどこを見直すべきか
       第3節 カリキュラム・マネジメントに基づく国語科の授業づくりとは
       第4節 教科書カリキュラムからの転換

      第2章 国語科における「主体的・対話的で深い学び」
       第1節 「主体的・対話的で深い学び」が求められる背景
       第2節 国語科における授業改善の視点
       第3節 問いを生む国語科の授業
       第4節 生きて働くことばの使い手を育てる
       第5節 「教える」授業から「学び合う」学習への転換

      第3章 国語科の学習指導要領を読む
       第1節 学習指導要領「国語」の目標を読む
       第2節 国語科における指導「事項」の特色
       第3節 言語活動と他教科等における言語活動
       第4節 平成29年版「内容の取扱い」に見える国語科の現状と課題

      第4章 資質・能力の育成に向けた国語科の評価
       第1節 イバリエーションの評価とアセスメントの評価
       第2節 重要だからこそシンプルに考えたい評価規準
       第3節 国語科における3観点の評価
       第4節 子供たちに評価を伝える「学びのプラン」

      実践編
      第1章 授業改善のために?子供たちが真剣に考えたくなる授業づくり?
      実践例1 学習課題から「問い」を生む
      4年「登場人物の気持ちの変化を読み取ろう」 C読むこと
      実践例2 見通しと振り返りの充実?書写の実践を通して、「主体的に学習に取り組む態度」を育てる?
      4年「家族にはがきを書こう」 B読むこと
      実践例3 ペアとグループを組み合わせた学び合い
      4年「表現を工夫して自分の『今』を伝えよう」 A話すこと・聞くこと

      第2章 視点を変える?教科書教材を新たな視点で活用する授業づくり?
      実践例4 子供自身が主体的に学びを進める「話すこと・聞くこと」の指導
      5年「互いの立場を明確にして、よりよい提案になるように話し合おう」
      A話すこと・聞くこと
      実践例5 問いを見いだしながら、事実を正確に伝える記事を書く
      4年「わかりやすく事実を説明するにはどうすればよいのだろう」 
      B書くこと
      実践例6 多様な他者の読みとの交流を位置付けた「読むこと」の授業づくり
      3年「世代をこえて!感じ方のちがいを見つけ出そう?斎藤隆介ワールド感想交流会?」 C読むこと

      第3章 壁を越える?チーム学校の機能を生かした授業づくり?
      実践例7 国語科と生活科との間に互恵的な関係を生み出す
      2年「作り方のじゅんじょがわかるように せつめい書を書こう」
      B書くこと
      実践例8 異学年同士の交流で資質・能力を育成するには
      5年「おすすめの宿泊体験学習の活動を4年生に伝えよう」  
      4年「宿泊体験学習について教えてください」
      A話すこと・聞くこと
      実践性9 小学校と幼稚園の「校種の壁を越える」
      1年「オリジナル『ぶたのたね』を書こう」 B書くこと

      第4章 日常的に言葉の力を育てる指導
      実践例10 モジュールを生かした小単元指導?小単元を「あっさり短く学ぶ場」から「繰り返しじっくり学ぶ場」へ?
      4年 小単元指導
      実践例11 どのような場面でも自分の思いを伝えられる子を育てるスピーチ活動
      6年 スピーチ活動
      実践例12 地域の読書資源を活用し、言葉と出合う読書単元
      3年「わたしのすきな かこさとしさんの本」 C読むこと
      実践例13 自己との対話を楽しむ日記指導
      全学年「ことばのたまご」(日記指導)


      おわりに
      編著者紹介
      執筆者一覧

          Description

          カリマネを通した小学校国語の授業づくりとは?

          昨年度から平成29年版学習指導要領の全面実施が始まり、「資質・能力を育成する」という目標の実現に向けて、多くの先生方が日々実践を続けていることでしょう。そのような先生方に向けて、髙木展郎先生を中心としたメンバーが贈る「資質・能力」シリーズ。その最新作『資質・能力を育成する授業づくり 小学校国語-カリキュラム・マネジメントを通して-』では、今見直すべき国語授業の在り方、新しい授業実践の具体例を提案しています。

          今、求められる国語科の役割とは?

          「この作品の主題は何か?」
          「この作品を通して、作者の言いたかったことは何か?」」
          少し前までは、これらの発問はよくあるものでした。「この作品の主題は~である」 というようにまとめることで授業を完結させるという、日本型の読解指導が長らく続けられてきたのです。しかし、教材の理解と受容を中心とした学習では、作品をより多面的に、時に批判的に読み解くような思考力や表現力は身に付きません。従来の授業の在り方を見直す必要があるでしょう。

          これからの時代を生きる子供たちに育てたい資質・能力を考えたとき、国語科の担う役割は拡大する一方のように感じられます。だからこそ、国語科だけで解決しようとしないことが大切です。言語力であっても教育課程全体のつながりの中で育てるものであり、国語科だけで育てるものではありません。カリキュラム全体における国語科の役割を見直すべきでしょう。

          言葉の力が育つ場

          教科書カリキュラムからの転換

          子供たちの実態や学校・地域の特色に応じた教育は、全国一律の教科書に頼り切った授業では実現できません。子供たちの実態も異なり、学校規模や施設も異なり、地域の教育資源も異なるにもかかわらず全く同じ教育が行われるなら、子供たちがわざわざ学校に通う意味はないでしょう。「教科書を教えるのではなく、教科書で教える」という意識がこれまで以上に求められています。

          カリキュラム・マネジメントとは、基準としての学習指導要領に「子供たちの実態」「家庭・地域の特色」「教職員の工夫」などの具体を加味して、よりよい学びを生み出すこと、つまり、学校がもっているヒト・モノ・コトを生かして、特色ある教育課程を創造することであると言えます。つまり、学習指導要領に学校の「強み」を加えていくという考え方です。

          「教える」授業から「学び合う」学習へ

          これからの授業では、受信した情報を基にして考え、友達同士で交流し、考えを広げたり深めたりすることを通して、資質・能力を育成していくことが求められます。」
          髙木展郎先生が提唱する「聴いて 考えて つなげる」授業では、この「受信→思考→発信」のプロセスを学習者自身に自覚させることに大きな意味があるとされています。ここでは、学習指導案を子供向けに書き換えた「学びのプラン」を子供に配付するという方法を実践しています。学習の主体である子供たちに対して、「何をどう学び、どのように評価されるか」を明示するのです。これによって、子供たちが自ら主体的に学ぶ姿が見られるようになりました。

          言葉の力が育つ場

          13の実践例から浮かび上がる授業改善の視点

          本書では、これまでに述べたような授業づくりの考え方を、実際に授業実践に落とし込んだ例を13例紹介しています。

          第Ⅰ章 授業改善のために-子供たちが真剣に考えたくなる授業づくり-」
          例1 学習課題から「問い」を生む C読むこと」
          例2 書写の実践における見通しと振り返りの充実 B書くこと」
          例3 ペアとグループを組み合わせた学び合い A話すこと・聞くこと」
          第Ⅱ章 視点を変える-教科書教材を新たな視点で活用する授業づくり-」
          例4 子供自身が主体的に学びを進める指導 A話すこと・聞くこと」
          例5 問いを見いだしながら、事実を正確に伝える記事を書く B書くこと」
          例6 多様な他者の読みとの交流を位置付けた授業づくり C読むこと」
          第Ⅲ章 壁を越える-チーム学校の機能を生かした授業づくり-」
          例7 国語科と生活科との間に互恵的な関係を生み出す B書くこと」
          例8 異学年同士の交流で資質・能力を育成するには A話すこと・聞くこと」
          例9 小学校と幼稚園の「校種の壁を越える」 B書くこと」
          第Ⅳ章 日常的に言葉の力を育てる指導」
          例10 モジュールを生かした小単元指導」
          例11 どのような場面でも自分の思いを伝えられる子を育てるスピーチ活動」
          例12 地域の読書資源を活用し、言葉と出合う読書単元」
          例13 自己との対話を楽しむ日記指導」

          それぞれの章で示された意欲的な実践例を通して、授業改善の視点を見いだし、実践に役立てていただけることを願っています。

          Specifications

          • 読者対象: 小学校教員
          • 出版年月: 2021年8月20日
          • ページ数: 180

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