算数授業研究 No.134
算数授業研究 No.134
Barcode: 9784491044606
$6.00
目次
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年度初めだからこそ
本号の特集は2 つ。どちらも「子どもが算数好きになる」という文言をつけている。
子どもたちが「算数が好き」と言ってくれることは,我々教師の願いだと考えている。子どもたちが算数のことを好きになるためには,わたしたちが日頃の授業をどのようにしくんでいくのかが大きな鍵となる。
子どもたちは,算数の時間に,ある問題がわかったり,できたりすれば,算数に対して悪い思いはもたないだろう。しかし,これは「算数が好き」ということとはちがう。子どもたちが「算数が好き」という状態になるためには,日頃の授業で算数の楽しさを実感する必要がある。
子どもたちが頭を悩ませる中で,ある数に着目して考えると,それまでは見えていなかった関係が急に見えてくる。その関係からあるきまりを発見したことで,問題解決に生かすことができるという算数の楽しさを経験させたい。また,子どもたちが「問題発見」をしていく数学的活動も重要とされていることからも,一つの問題が解決した時に,ある事象を統合的・発展的にとらえて新たな問題を設定するなど,子どもたちが学ぶこと自体を楽しむ経験もさせたい。
このような経験は,一年間のどの時期からさせるべきか。答えは簡単である。新しいクラスとなり,「今度の先生はどんな授業をしてくれるんだろう」と,子どもたちがワクワクしている年度初めからである。
子どもたちが授業をとおして,知的に考えていくことで,算数の楽しさを少しずつ実感していく。子どもたちが「算数が好き」と言うようになるためには,この積み重ねがなくてはならない。