すきまから見るー「不登校」への思いこみをほぐすー(シリーズ・越境する教育)

    すきまから見るー「不登校」への思いこみをほぐすー(シリーズ・越境する教育)

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      Barcode: 9784491050652

      林 千恵子/著

      $12.00

      著者紹介

      林 千恵子
      (はやし・ちえこ)
      1967年東京生まれ。中・高教員免許(国語)、公認心理師、学校心理士、特別支援教育士の資格を有する。
      中学校教員などを経て、教育支援センター(適応指導教室)の教育相談員として20年以上勤務する。その間に出会った不登校の子どもと保護者、教員はそれぞれのべ800人に及ぶ。
      教育と心理学の間を行き来しながら、教科指導、相談、行事の企画運営等を行い、子どもの成長力を引き出す教育支援センターでの改革を目指してきた。
      十数年前からは、教育支援センターの勤務と並行して公立小学校のスクールカウンセラーや巡回相談員も務め、教員や関係機関の研修講師、不登校親の会の世話役も行っている。

      目次

      ある朝の光景

      プロローグ
       テキオウシドウキョウシツの子ども
       子どもにとって、本当にためになる適応指導教室って?
       それぞれの適応発見支援教室?
       卒業生に言われた「ガーン」な言葉
       教育と心理のすきま支援ワーカー

      第1章 学びの力を取り戻す
      「死ぬほど長い」退屈な学習
       積極的な学習者への変身
      「子どもたちがふかいところにしまいこんでいるたからもの」
      「勉強なんてする意味がわからない」
      「もう歩きたくない!」
      「みじめでみじめでやってられないんだ!」
      「意外と自分は何でもできる」
       A君の大成長!
      「俺は先生にほめられたいんだ!」
       希望に満ちたA君の作文
       A君のそのあと
       勉強が苦手だということ
      「苦手でできないこともあるけれど、できることもいっぱいある」
       一人一人の苦手さに寄り添う
       苦手さのある子どもの思いを体験する
       人として他者として生きるための学び
       叱ること、ほめること、ほめられること

      第2章 人との関係の中で生きる
       一年ぶりの会話
       気持ち悪いゴリラを串刺しにして、しょうゆをかけて食べる夢
       突然の学校復帰
      「人間はつらすぎるから……」
       三角形の対話
      「作文が書けない」
      「内なる子ども」と向き合う
       風に向かうひよこさん
       殻を破ったような成長
      「すべては自分次第」
      「いつか訪れる光を信じてね」
      「大人の言うことはうさんくさい」
      「対人関係の絶食期間」
       人に傷ついても、人によって救われる
      「大事なのは自分で決めること」
       不登校の子どもが歩きだしていくための三つのツボ
       人と関わること
       本当の意味で「聴く」ということ
       自分で決めること
       一人でいられる力
       夢があること

      ちょっと一服

      第3章 長いトンネルの中で
       D君との戦い
       丁々発止の応酬
       学校復帰とキャラ変
       高校三年生で語られる「俺の経験」
       作文を通じて知るD君の真意
       教室が騒がしくて居心地が悪い
       優しく気遣いのできるE君の「十年後の私」
       不登校の理由が本当の意味で「わかる」ということ
       E君が語らずにいた不登校の理由
       あきらめから希望へ
      「ここまで来たんだな」
       いじめの「解決」とは何か?
       語られないいじめ
      「ひまそうな大人作戦」
       子どものSOSをキャッチするために
       いじめは立場を入れ替えながら続いていくゲームのよう
      「怖がられても嫌われてもいいから誰かと一緒にいたい」
       いじめをしないための心の支援
      「よくあることだ」という思いこみが温度差を生む
       温度差を埋めるために大切なこと
      「いじめをなくす」と言いきる自信があるか

      第4章 居場所はどこにある?
      「自分のための作文」を書く
       それぞれの決心
      「失敗、上等!」
      「居場所を見つけるのって、人が死ぬまでで一番苦労すること」
       他者との関係の「中」で生きる
       子どもの苦労を横取りしない
       最「小」限の手伝い
       あきらめの世界から脱出
       全員参加で全員制服
       もう一度会いたい
       子どもに合わせ、融通無碍になる
      「ねばならない」の呪い
      「自分を普通ぐらいに思えることを目指す」
       十一年後のFさんとの対話

      終章 不登校の意味を知る

      エピローグ

          Description

          「教育と心理のすきま支援ワーカー」が考える、不登校支援と教育のこと

          本書の概要

          学校教育の大きな課題となっている、不登校支援。
          中学教師から、不登校児をサポートする「教育と心理のすきま支援ワーカー」に転身した著者がこれからの学校教育のあり方を問う。
          「学習」「人間関係」「いじめ」「居場所」の4つのテーマを軸に、実際の子どもの作文とともに考える。

          本書からわかること

          「私」がしているのは、自己満足の支援!?――「不登校」への思いこみに向き合う

          「適応指導教室の改革をしたいので、手伝ってもらえませんか?」
          中学校の教員を辞めて数年、「心の相談員」をしていた著者に教育委員会から声がかかります。
          「お声をかけていただいてありがとうございます……。ところで、『テキオウシドウキョウシツ』ってなんですか?」
          市区町村が設置している不登校の児童・生徒が通う学校外の教室(教育支援センター(適応指導教室))「あおぞら」に勤務することになった著者。
          不登校支援の素人だけれど、気合だけは十分ある。
          「元気のない子には元気をあげて、勉強ができない子には勉強を教えてあげよう」とはりきる毎日。
          けれど、子どもたちは一向に心を開いてくれません……。
          「先生、後輩には温かさと一緒につらさに耐えることも教えてあげて」
          ある卒業生が涙ながらに言った言葉。
          「私」がしているのは、自己満足の支援なのか!?
          自身の思いこみに向き合いながら、不登校支援を続ける著者と子どもたちの物語。

          「先生も俺が楽しいだけでゲームをやっていると思うのか! ゲームでもしていなければ、みじめでみじめでやってられないんだ!」――子どもの言葉に向き合う

          「どうも私は肝心なときに子どもを理解しそこなっています」
          小学5年のときに出会ったA君。
          時間をかけて信頼関係を築き、A君も周囲の期待に応えようと頑張ります。
          そんなとき、著者がなにげなくかけてしまった「またゲームばっかりやってたの?」の一言――。
          怒りと悲しみが混じったなんとも言えない表情でどなるA君。
          一体、A君はなにを感じ、何を考えているのか。
          子どもたちが書いた作文に紡がれる言葉の数々から、これからの不登校支援と学校教育のあり方を考えます。

          評価の声、続々!

          本書を読んでくださった方から、評価の声をいただいています。
          〇山田ルイ53世氏(芸人・髭男爵)のコメント
          本書は、「不登校の子供」の物語ではない。綴られた作文の数々は小さな魂の魚拓。
          全ての「こども」と「おとな」の喉元に突き付けられた文学、生き様である。
          僕もかつてはひきこもり。こういう人がいる、こういう居場所があると知っただけで、「人生が余ったな……」という絶望や閉塞感に覆われ曇天だったあの頃に光が差し、「あおぞら」が広がるような気がするのだ。
          〇石井志昂氏(『不登校新聞』代表)のコメント
          不登校という心の傷と、どう向き合えば子どもは育つのか。
          その答えが詰まった実践本でした。

          Specifications

          • 読者対象: 小学校教員・中学校教員・高等学校教員・一般
          • 出版年月: 2023年1月31日
          • ページ数: 262

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