国語授業の「常識」を疑え!

    国語授業の「常識」を疑え!

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      Barcode: 9784491050898

      土居 正博/著

      $14.00

      著者紹介

      神奈川県・川崎市立小学校教諭
      1988年生まれ。創価大学大学院教職研究科教職専攻修了後、現職。
      東京書籍小学校国語教科書編集委員。全国国語授業研究会監事。国語教育探究の会会員。教育サークル「KYOSO’s」代表。教員サークル「深澤道場」所属。
      2015年「わたしの教育記録」(日本児童教育振興財団主催)にて「新採・新人賞」、2016年「わたしの教育記録」にて特別賞、2018年「読売教育賞」、2020年「国語科学習デザイン学会優秀論文賞」受賞。
      《主な著書》
      『1年生のための国語科指導法』『初任者でもバリバリ活躍したい教師のための心得』『クラス全員が熱心に取り組む! 漢字指導法』(いずれも明治図書出版)、『子どもの聞く力、行動する力を育てる! 指示の技術』『子どもに一発で伝わる! 説明の技術』(いずれも学陽書房)、『教師のNG思考』『授業で学級をつくる』(いずれも小社)他多数
      [2023年3月現在]

      目次

      はじめに――「常識」を疑うことこそ私の実践の根幹であった

      第1章 「常識」を疑え
       教育界に存在する無数の「常識」
      「常識」の種類 ―手法常識と概念常識―
      「常識」はどのように発生し、どこに存在するのか
      「常識」のよさと危険性
      「常識」を疑う第一歩
      「常識」に気づき自覚するために
       一旦、冷静に「常識」のよさを見つめ直す

      第2章 「常識」を分析し、改善せよ
       実践を改善することと、研究をすること
      「常識」の問題点を整理し、改善の方向性を定める
      「常識」のよさは生かしつつ、問題点を克服していく
       子ども達の姿を見て改善を繰り返す
       低学年でうまくいかない「抜き打ちテスト」
      「手法常識」の改善を積み重ね、「概念常識」が覆る
       新たな概念や捉え方から、新たな実践が生まれていく
      「常識」を疑い、実践を改善していく手順
       ゼロからの創造ではなく、「常識」を土台にした創造を

      第3章 国語授業の「常識」を乗り越えろ ―歌杯、改善し、実践する―
       国語科指導と「常識」
       常識①教えたいことを直接問う→教えたいことを間接的に問う〔概念〕
       常識②初発の感想を書かせる→初読では「あらすじ」を書かせる〔読むこと〕
       常識③初読で、問い(疑問)を出させる→ある程度みんなで読んでから、問いを出させる〔読むこと〕
       常識④意見の根拠を問う→根拠だけでなく、意見の理由付けを問う〔読むこと〕
       常識⑤気持ちばかり話し合う→正解のある論理的なことも話し合う〔読むこと〕
       常識⑥低学年に主題を摑ませるのは難しい→低学年なりの主題の摑ませ方をしていく〔読むこと〕
       常識⑦「構造と内容の把握」を一度行う→「構造と内容の把握」をしつこく行う〔読むこと〕
       常識⑧教材を絶対的に正しいものとして扱う→ときには教材に批判的な目を向ける〔読むこと〕
       常識⑨三次では、文章内容に合った説明文を書かせる→三次では、学習した論理(書かれ方)を活用して説明文を書かせる〔読むこと〕
       常識⑩要約や要旨は一つの決められた文字数で書かせる→要約や要旨は複数の文字数パターンで書かせる〔読むこと〕
       常識⑪段落構成図(文章構成図)を使う→段落ピラミッドを使う〔読むこと〕
       常識⑫音読は家でさせるものである→音読は教室で教師がきっちり指導する〔音読〕
       常識⑬音読はゆっくり気持ちを込めて読ませる→音読は素早く読ませる〔音読〕
       常識⑭音読では、難しい漢字の読みを重点的に指導する→音読では、ひらがなの読みを重視する〔漢字〕
       常識⑮習っていない漢字は使わせない→習っていない漢字もどんどん使わせる〔漢字〕
       常識⑯漢字はみんな同じペースで進める→漢字は自分のペースで進める〔漢字〕
       常識⑰新出漢字を一周学習する→新出漢字を何周も学習する〔漢字〕
       常識⑱漢字は縦に練習する→漢字は横に練習する〔漢字〕
       常識⑲文章を自由に書かせる→限定を与えて文章を書かせる〔書くこと〕
       常識⑳文章の正しさにこだわって指導する→書く意欲にこだわって指導する〔書くこと〕
       常識㉑「モデル」を見せるなど話し合いの指導を事前に行う→話し合いをさせてみて、みんなで観察する〔話すこと・聞くこと〕
       常識㉒原稿を読み上げさせる→原稿を要約したもので話させる〔話すこと・聞くこと〕

      おわりに

      参考文献一覧

          Description

          「常識」には疑い方がある――
          地道に成果をあげ続ける、土居正博先生の実践改善の裏側が丸わかり!

          本書の概要

          思考停止で前例踏襲の授業にも、「奇をてらう」だけの授業にも陥らない、地に足のついた実践改善の方法
          ●ぼんやりと存在している「常識」を見つける「目」が手に入る
          ●「常識」に気づいたときにすべきことが分かる
          ●多忙でも持続可能な実践改善の習慣が身につく
          ●土居先生の国語授業の「常識」の乗り越え方を追体験できる
          だれでも、どの教室でもできる、ほんの少しの工夫で大きな効果を生みだす実践の創り方を提案します。

          本書からわかること

          そもそも「常識」ってなんですか?
          ――「常識を疑え」を考える

          「これまでの常識はもう通用しない」「常識に縛られず、自由に考えて行動しよう」「常識を疑って、新しいものを生みだそう」……。
          変化する社会に対応した学校づくりや授業改善が求められる中で、このような言葉を耳にする機会も増えているのではないでしょうか。
          もともとは柔軟な思考と考え続けることの必要性を訴えるために叫ばれたこれらの言葉も、あまりに広く言われるようになり、もはや「常識を疑う」ことについて、思考停止で受け止めてはいないでしょうか。
          確かな実践に定評のある土居先生は、「常識」を「適切に」疑うことの重要性を訴えます。
          本書では、適切な疑い方で「常識」を乗り越えていくために、「常識」の性質をきちんと定義し、「常識」を疑うとはどのようなことかを一から見直しています。
          本書では「常識」を「明文化されている、されていないに関わらず、多くの教師が『これはそういうものだ』『これはこうやるものだ』と捉えている説」と定義します。
          そのうえで、「手法常識」や「概念常識」といった種類、明文化されている「常識」、されていない「常識」などと分析していき、疑うべき「常識」をあぶり出しています。

          この「常識」のメリット・デメリット、いくつ説明できますか?
          ――「常識」にもよさがある

          「常識」を疑うときの大前提は「常識=悪」ではないということです。
          「常識」が「常識」となった背景には大きな長所があるはずなのです。
          土居先生は、「常識」を疑い、乗り越えるときにはよさにも必ず目を向けるべきだと主張します。
          「常識」の一般的なよさとして、①一定の効果がある、②持続可能であることを挙げ、「常識」を冷静に見ることをすすめます。
          一方で、このよさと表裏一体をなす危険性として、①一定の成果しか出ない、②教師の思考停止を招くことを挙げています。
          よさと危険性、どちらにも目を向けた上で、「常識」の乗り越え方を考えるのです。
          さて、あなたはこの「常識」のメリット・デメリットをいくつ説明できますか?

          ・初発の感想を書かせる授業
          ・「自由に書いてごらん」という作文指導
          ・「音読はゆっくり気持ちを込めて」という音読指導
          ・段落構成図を使った説明文の授業

          あなたなら、この「常識」をどのように乗り越えますか?
          ――土居先生が実際に乗り越えた「常識」を見る

          本書の後半部分では、土居先生が実際に乗り越えた国語授業の「常識」を紹介します。

          ・初読で問い(疑問)を出させる
          ・三次で文章内容にあった説明文を書かせる
          ・音読指導では難しい漢字の読みを重視する

          など、土居先生が「常識」にどのように気づき、どういったよさと危険性を認識したうえで、乗り越えてきたかを詳らかにします。
          「常識」の疑い方や実践改善の考え方が分かるほか、本書で提示される「常識」をいま現在行っている先生にとっては、具体的な改善方法を知る機会にもなるはずです。

          ***
          土居先生は本書を通じて、実践改善の心構えや方法だけでなく、教職の魅力やおもしろさも語っています。
          「常識」を乗り越え、目の前の子どもの成長を実感できることこそが、教師にとって一番の喜びなのではないでしょうか。

          Specifications

          • 読者対象: 小学校教員
          • 出版年月: 2023年4月27日
          • ページ数: 236

          Customer Reviews

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          匿名
          疑います!

          言語化力が凄まじいですね。納得です。

          当ショップでのご購入ありがとうございます。
          本書がお役に立てば幸いです!

          あ.
          参考になります!

          土居先生の書籍を見ると、国語授業のこれまでを見直すきっかけとなります。

          当ショップでのご購入ありがとうございます。
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