対話的な学びで一人一人を育てる中学校国語授業 2 「走れメロス」の授業

著者 萩中 奈穂美 編著
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「対話的な学び」をキーワードに,中学校国語科における定番教材「走れメロス」の授業を紹介。6点の実践が掲載されているので,オーソドックスな展開から研究授業で行いたいものまで,あなたの学級の実態に合ったものがきっと見つかります。

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 教材としての「走れメロス」
 1 教材としての魅力
 2 授業づくりのポイント

 「走れメロス」の授業展開
 メロスの人物像の変化を楽しもう〜音読活動を取り入れて読む〜
 語句と語句とを結ぶことで見えてくるもの〜「走れメロス」の作品語彙に着目して〜
 「走れメロス」の作品の魅力を探究しよう〜一人一台端末環境を生かした協働的探究による文学鑑賞〜
 読書を「自分づくり」に役立てよう〜「走れメロス」を通して読書の楽しみを学ぶ〜
 作品素材との比較読みを通して読みを深める
 「走れメロス」を批判的に読む〜「群衆」に着目して〜
 解説

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シリーズの刊行に当たって

 私たちは,何もないところに向かって言葉を発したりはしない。たとえ相手が目の前にいなくても,私たちは,自分自身も含めた誰かに,何かを伝えたいと願って言葉を発する。そして,その言葉が誰かに届いたとき,受け取った相手はその言葉に応えるためにまた言葉を発する。言葉を発することは,本来,対話的な営みなのである。「対話的な学び」とは,伝えようという意志や聞きたいという思いに支えられた言葉のやり取りの中で,一人一人が自分自身の言葉をつくり出し,言葉の力を育てていく学習のことである。
 しかし,コロナ禍と呼ばれる状況が教室の風景を一変させてしまった。声を出すことははばかられるようになり,議論し,協働し,皆で考えるという,私たちが考えていた「対話的な学び」の姿は教室から消えた。一方で,このような状況だからこそ気付けたこともある。他者と言葉を交わす中で得るものがいかに大きいかということ。「対話」は,単なる情報伝達の手段ではなく,私たちが生きていく上で欠かせない活動だということ。対面することが難しい今だからこそ,「対話的な学び」が切実に求められている。本シリーズの刊行には,そうした願いに応えたいという思いも込められている。
 本シリーズで取り上げた作品は,いずれも中学校の文学教材として確固たる評価を得ているものである。数多くの実践が報告され,批判も含めた分厚い研究が蓄積されてきた。しかし,生徒の生活も,作品の解釈も,学習のための教具も,時代の中で常に移り変わっている。私たちは,先達が残した知見を土台として,生徒が教材と出会い,他者と出会い,言葉を紡ぎ出していく場をつくり出すことに心を砕かなければならない。
 各巻で示した6編の実践のうち,第1実践はオーソドックスな授業展開に基づく実践,第6実践は学習活動の難度に拘泥せずに提案性が高い実践を提示した。これらには,実践報告だけでなく,これから実施することを想定した授業プランの提案も含まれている。
 実践の記述に際しては,具体的な授業の様子が伝わるように,次の点に留意した。
・対話や学び合いが設定できる単元を構想し,「単元の設定」でその特色を示した。
・「評価規準」を観点別に明示するとともに,「評価方法のポイント」として,観点別評価や個人内評価の方法,生徒へのフィードバックの仕方などを挙げた。
・2時間分の「本時の展開」を示し,授業の具体的な姿ができるだけ伝わるようにした。また,「本時展開のポイント」で,授業を実施する際の留意点を解説した。
・「生徒の学びの姿」で,交流の実際や生徒が知識や技能を身に付けていく様子を,エピソードも交えて具体的に示した。
 本シリーズの提案が,先生方が授業を考える一つの入り口になれば幸いである。

対話的な学びで一人一人を育てる中学校国語授業 2 「走れメロス」の授業

著者 萩中 奈穂美 編著
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著者 萩中 奈穂美 編著
読者対象
出版年月 2021-07-14
判型 B5
ページ数 80
ISBN 9784491045177

萩中 奈穂美
福井大学教育学部准教授
1968年鹿児島県生まれ。富山大学卒業、同大学院修了(修士)。富山県公立小学校教諭、富山大学人間発達科学部附属中学校教諭を経て、現職。学習指導要領等の改善に係る検討に必要な専門的作業等協力者(中学校国語科)。著書に『「説明表現能力」育成のための学習指導論』(溪水社、2017年)、『小学校国語科教育法』(共著、建帛社、2018年)、『「感性的思考」と「論理的思考」を生かした「ことばを磨き考え合う」授業づくり』(分担執筆、明治図書出版、2020年)等
[2021年7月現在]

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