ホーム 救え!!トイレの若手さん
救え!!トイレの若手さん - 東洋館出版社
救え!!トイレの若手さん - 東洋館出版社

救え!!トイレの若手さん

ISBN: 9784491052854

前川 智美/著

セール価格 2,310(税込)
付与予定ポイントpt
6
人がこの商品を閲覧しています
タイプ: 書籍
試し読み

レビューを書くと100ポイントプレゼント

Customer Reviews

Be the first to write a review
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
0%
(0)
商品説明

本書の概要

働き方改革、教員のなり手不足、教員の休職や退職など、学校現場ではむずかしい課題が山積しています。このような状況のなかでも特に重要視したいのが若手教員の育成です。どの教員にとっても多忙な今日、なかなか若手教員の育成にまで手が回らないかもしれません。しかし、上手に成長を促すことができれば、ミドルリーダー自身の職能成長につながります。

本書においては、とてもネガティブなマインドをもった架空の若手さんに登場してもらい、その対応を通じて、どのようにすれば若手教員を支え、職能成長を促していけるか、その考え方と方法を紹介します。

本書刊行の背景

学校段階を問わず、先生方の仕事量は増すばかり。働き方改革が進められているとはいえ、依然として厳しい労働環境にあると言います。そのようななか、希望や期待に満ちて教職に就いたものの、心身の体調を崩して休職してしまったり、失意のうちに退職してしまったりする若手教員は決して少なくありません。

教員不足が叫ばれる今日です。もし、若手教員を窮地から救い出せなければ、ゆくゆくは学校教育そのものが立ちゆかなくなるかもしれません。こうした状況を打開できる鍵を握るのがミドルリーダーの先生方です。

ただ、そうはいっても、ミドルリーダーもまた数多くの業務を抱えています。そうした状況にありながら、若手教員が無理なく伸び伸びと職能成長していけるようサポートするにはどうすればよいのでしょうか。このような問題意識のもと、前川智美先生にご執筆いただいたのが本書です。

本書からわかること

「やらないこと」を決める!

学校現場に限らないことですが、若手さんが困らないよう「やるべきこと」を明確にすることは大切です。しかし、指示さえすればいいというものではありません。それだけでは、仕事に対する「やらされ感」が強くなってしまいます。

また、「ビルド&ビルド」で仕事が増えつづけるばかりでは、どの教員にとっても疲弊するばかりです。そこで、この悪い慣習をどこかで断ち切るためにも、「引き算」の視点で次のようにサポートすることが肝要です。

  • 若手教員に「やるべきこと」を指示する際、期日とともに、何をどこまで行えばやったことになるのかを伝える(ゴールイメージをもたせる)
  • 若手教員が「やるべきこと」だと感じていることを話してもらい、次の4つに振り分けて伝える(もしくは話し合いながら決める)。

・期限までに必ずやらなければならないこと。
・余力があるのであれば、やればよいこと。
・無理が生じるのであれば、やらなくていいこと。
・そもそもやらなくていいこと。

こんなふうに仕事を振り分けるだけでも、仕事を進めやすくなります。

若手教員の成長と自分自身の成長は相似形

ミドルリーダーもまた数多くの業務をこなし、多忙な日々を行っています。その合間を縫って若手教員をサポートするのはたいへんなことだと思います。その一方で、若手教員の成長を支えることを通して自らが成長できるという側面が人材育成にはあります。

これからの時代、教育現場で求められるのは、子どもの「横に立てる」伴走型の支援ができる教員です。これは若手教員に対しても同じです。そうした支援ができるようになれば、必ずやこれからの学校づくりや子どもたちへの支援に役立つスキルになります。

周囲の先生方との雑談の目的は「仕事の話をしやすくすること」

民間の社員教育では「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)より「ザッソウ」(雑談・相談)を大切にしている会社もあるそうです。教育現場では子どもの情報を正しく共有することが求められるため、「ホウレンザッソウ」(報告・連絡・雑談・相談)が欠かせませんが、その目的はいずれも「仕事をする上で、必要なことを適切なタイミングで話しやすい関係づくりをする」ことです。もし、先生方の雑談に入っていくことができずに悩んでいる若手教員がいれば、雑談の目的を伝え、無理に「仲良くしなきゃ」「上手におしゃべりしなきゃ」などと考える必要などないことを伝えるとよいでしょう。

ベテラン教員の古い価値観に惑わされない

「勤務時間外でも、子どものためなら働くしかない」という気持ちで過酷な労働環境に耐え、子ども最優先で頑張ってきたベテラン教員ほど、自分の価値観を若手教員に押しつけがちです。なかには、勤務時間を過ぎてもかまわず、保護者対応まで指示してくる管理職もいます。もちろん、子ども優先で動くことは大切ですが、若手教員がつぶれてしまったら元も子もありません。もし、そのような光景を見かけたら、次のようにサッとフォローに回ります。

「先生~もう時代が変わっちゃったんですよ。今の時代だといろいろ問題にされちゃうんですって。この件、明日にしませんか? まったく、嫌な時代ですよね」

問題の対象を「時代」にしてしまうことで、ベテランは「まあ仕方ないか」という気になり、角が立ちにくくなります。この伝え方は意外といろいろな場面で使えるので、ぜひ応用してみてください。