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月刊 理科の教育2024年4月号 - 東洋館出版社
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月刊 理科の教育2024年4月号

ISBN: 4910093130446

一般社団法人日本理科教育学会/編

セール価格 880(税込)
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特集:中学・高等学校の探究的な学び-通常の授業に探究の過程を柔軟に取り込む-

中学校学習指導要領解説理科編の第3章1(1)では、「(略)理科の学習過程の特質を踏まえ(略)科学的に探究する学習活動の充実を図ること」と示されていることから明らかなように、「探究」は重要です。ちなみに、「科学的に探究」の語句は目標の中だけで、 以下のように4回も使われています(下線は筆者)。

自然の事物・現象に関わり、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

⑴自然の事物・現象についての理解を深め、科学的に探究するために必要な観察、実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
⑵観察、実験などを行い、科学的に探究する力を養う。
⑶自然の事物・現象に進んで関わり、科学的に探究しようとする態度を養う

しかし、中学校や高等学校では、探究的な学びのある授業の実践例は日常的になっていない現状があります。 先生方の話に耳を傾けてみると、「教科書には探究と書いてあるが、基礎的な内容を指導するだけで精一杯で、授業時間が足りない」という素朴な声が上がります。「探究と言っても、どんな実践をしていいのかわからない」「系統的な知識や技能が身に付いていない本校の生徒には、探究はさせられない」「学年ごとに重視する学習過程と教科書の教材が整合しないので、探究学習ができない」などというネガティブな声も聞こえてくる。さらに「発展的な内容の学習を探究学習と読み替えている」という勘違いの事例もあります。探究の過程全てを一つの学習のまとまりとして位置付ければ、これまでの指導計画に大きな変更が求められ、経験がある教師でも簡単ではありません。また、毎時間、探究的に授業を進めると時間が足りなくなるのは明らかです。中学校学習指導要領解説理科編のp.27には、学習過程の例示の扱いについて、以下のように記されています。


「探究する活動では、(略)これらは決して固定的なものではなく、問題の内容や性質、あるいは生徒の発達の段階に応じて、ある部分を重点的に扱ったり、適宜省略したりするといった工夫が必要である。」


一つの学習のまとまりで探究の過程のうちの一つ(せいぜい二つか三つ)を扱うのであれば、比較的取り組みやすいでしょう。レストランのメニューに例えると「フルコース」ではなく「アラカルト」でということになります。実際の授業では、教材や生徒の実態に応じた「アラカルト」として探究の過程の一部分を重点化し、それをうまく組み合わせて探究的な学びの充実を図ります。すなわち、探究の過程をその順序にとらわれず、指導計画に位置付けるのです。その際、学年ごとに重視する学習過程を踏まえたり、探究の過程のすべてが1年に少なくとも一度は行われたりするよう留意したいものです。
本特集では、「中・高等学校で今まで以上に探究的な学びを充実させる」という趣旨で、従来ある指導計画を大きく変更せずにできる探究の実践事例を紹介します。

(『理科の教育』編集委員会)