子どもも教師も日々の成長を実感できる「学ぶ力」の鍛え方
レビューを書くと100ポイントプレゼント
商品説明
子ども一人ひとりが先々の見通しをもち、リフレクションを繰り返しながら自己の考えや行動を調整し、自分の力で学んでいける力を身につけるにはどうすればよいか、そのために教師は、どのようにして学級(学ぶ環境)と授業(学ぶ機会)をつくっていけばよいのかを、多角的な視点から明らかにします!
本書の概要
世の中には、名人級だと評される優れたパフォーマンスを発揮できる先生方がいます。そのような先生方は、授業開始5分で子どもの興味・関心を高め、意欲的に活動に取り組めるお膳立てを行い、授業を徹頭徹尾コントロールできる指導力をもっています。
それ自体は、すばらしいことです。しかし、そうした指導力が発揮されるほどに子どもたちが受け身になり、自分発の「学ぶ力」を発揮する機会をもてなくなるのだとすれば本末転倒です。
これからの時代に求められる教師の指導力とは、子ども自らが高いパフォーマンスを発揮できる「学ぶ環境」と「学ぶ機会」をつくり出すことです。その土台づくりのために欠かせないのが、子どもと教師双方の「学ぶ力(粘り強く学びつづける力)」なのです。
そこで本書では、子どもたちの「学習の個性化」、教師の「指導の個別化」を保障する「学ぶ力」の鍛え方を明らかにします。
本書からわかること
「あれもこれもがんばる」ではなく、「がんばりどころ」を焦点化する!
「学ぶ力」を鍛えられるようにするには、先入観・固定観念とも言うべき「学校の当たり前」を見直し、新しいチャレンジにリソースを割ける時間的・精神的余裕を確保する必要があります。
「夜遅くまでがんばっている先生はすばらしい」という時代では、もはやありません。受けもつ子どもたちの様子をよく見て、指導の効果測定を行い、(どれだけこだわりをもっていることであっても)子どもたちの成長が認められないなら、確証バイアスに惑わされず、スッパリやめ、注力すべき事柄を明らかにすることが必要です。本書ではその考え方と方法を紹介します。
子どもも教師も「自分が成長できること」を学級の中心軸に据える
学級が落ち着きなく、毎日のようにトラブルつづきであれば、「学ぶ力」を鍛える余地は生まれません。ただ、そうは言ってもトラブルが一切起きない学級など存在しません。その一方で、トラブルが起きにくい学級、たとえ起きてもボヤ程度で鎮火できる学級もあります。そうした学級づくりの中心軸と据えるべきなのが、「よい」「悪い」といった「善悪の価値観」ではなく、「自分が成長できること」なのです。
「学習の個性化」を保障する学習環境をつくる
課題解決学習においては、単元の目標実現に向けて、子どもたちが学び合いながら知恵を出し合い、合意形成を図りながら学習を進めていきます。こうした学習が効果的となるためには、子ども自身が「学習を進める上で自分に足りていないことを何か」といった個の課題を明らかにし、その課題内容に応じて柔軟に学習できる「課題ごとの学びの場」(学習環境)をつくることが必要です。本書ではその具体策を紹介します。
人も頭も動く学級にする
子どもたちが自らの「学ぶ力」を発揮し、日々の成長を実感できるようになるためには、子どもたちが学級のなかで次のように感じられている必要があります。
「わからないことは『わからない』って言っていい」
「むしろ、人に頼ればいい。きっとだれかが手を差し伸べてくれる」
「自分がわかることだったら、わからない人に教えてあげればいい」
「お互いそんなふうにしていれば、困難な状況に身を置くことになっても、〝なんとかなるさ〟と思えるようになる」
このような受け止めが「当たり前」になってくると、やがて「先生にがんばってもらう」ではなく、「自分たちががんばらなくては!」と思える雰囲気が醸成されるようになり、人も頭も動く学級になっていきます。
自分自身を成長させる教師の「学び方」
教師自らを成長させるには、効果的・効率的な「方法」を知っておく必要があります。端的に挙げると次の5つです。
1 明確な理想像と目的をもつ
2 具体的な目標を決める
3 具体的な場を設定して集中的に行う
4 成果や課題をリフレクションしつづける
5 コンフォート・ゾーン(居心地のよいぬるま湯)から抜け出す
このように列挙すると、とてもむずかしいことのように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。本書では、教師としての自分の成長につながる行動を習慣化する方法を紹介します。