特別支援学校高等部向けテキスト『「くらしに役立つ」シリーズ』が2024年度「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を受賞

特別支援学校高等部向けテキスト『「くらしに役立つ」シリーズ』が2024年度「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を受賞

明官茂監修『改訂新版「くらしに役立つ」シリーズ』が、このたび2024年度「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。受賞主体はクリエイティブ開発・製作を担当した株式会社ADDIXです。

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■審査委員の評価コメント

特別支援学校に通う高校生たちは、卒業後に一人暮らしを始めたり、福祉施設に入所したり、親元でそのまま暮らしたりしながら、生活支援を受けつつ仕事を始めることが多いとされている。そのような将来環境の中、夏休みの宿題ドリルを代用するなど教員の工夫により学びは継続されてきた。しかし将来の生活と距離のある学びは、多くの人々にとって悩みの種であったと考えられる。
この「くらしに役立つ」シリーズは、教科書の存在そのものをリデザインし、学びと暮らしをどのように結びつけるか、今の日本社会でどう生きていく方法があるのか、どのように接点を増やすかを示す教科書として、また教員をサポートする教科書として高く評価された。
グラフィックのわかりやすさも評価されているが、特に企画者や監修者など、関わったチーム全体の「高校生たちの将来環境を変えたい」という強い思いがプロダクトを通して感じられる点が際立っている。もはや教科書というよりは、ホールアースカタログやホールライフカタログのような存在である。
この教科書はつくり手の勇気と、社会の中でどう有機的に生きていくかの道を示しており、「当たり前にデザインされてきたもの」に対して、誰に向けて、どのようにデザインすべきかを考え直し、未来を示すプロダクトである。

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グッドデザイン賞とは

1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。
受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
「グッドデザイン金賞」は、すべての応募対象の中で、デザインが優れていると認められるものから、特に優れた100件が「グッドデザイン・ベスト100」として選出され、さらに特別賞として20件が「グッドデザイン金賞」として選出される賞です。

■ デザインのポイント

「学習と生活の往還」「学びやすく誇りの持てるテキスト」という趣旨をふまえ、テキストの在り方をリデザインする画期的なクリエイティブにしていただきました。(デザイン担当:株式会社ADDIX)

  • 日常における生活のシーンから単元をスタートすることで、学習を自分ごと化させる。
  • キャラクター設定や生徒同士の対話、学習過程のアイコン化で、状況を整理する。
  • 生徒に共通したストーリーをもつアーティストの起用で、本書を手に取る生徒たちに共感と誇りをもたらす。

■ 編集担当からのコメント

池辺様はじめ各教科を担当いただいたADDIXの皆様にお祝いと感謝を申し上げます。本シリーズの趣旨を深くご理解いただき、どう見せれば生徒さんにとって理解が容易であるか、楽しく学ぶことができるかを何度も打合せを重ねてつくりあげたシリーズです。
また併せて、創刊から含め、本シリーズに関わっていただいた監修者、編集委員、執筆者の先生方、イラストレーターや編集プロダクションの皆様の「生徒の将来のために」という真摯なつくり手としての思いを評価いただけたことにも感謝し、お祝いを申し上げたいと思います。

製作体制

  • プロデューサー:株式会社東洋館出版社 西田亜希子、大岩有理奈/株式会社ADDIX 池辺隆之、十河日佳里
  • ディレクター:株式会社ADDIX 池辺隆之、麻生愛
  • デザイナー:株式会社ADDIX 森迫華子、菊間美帆、坂口和巳、大野如子、井出菜々恵/外部協力:松本悠、稲石浩佳、佐々木綾香
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