新しい算数研究2024年6月号
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商品説明
令和6年度がスタートして早2か月がたちました.現行の学習指導要領もいよいよ5年目に突入し,折り返し地点を迎えています.内容ベイスから能力ベイスへと大きく転換した現行の指導要領実施に伴い,ここまでの4年間で様々な教育実践が行われてきましたが,その過程で改めて「算数の本質」に迫る授業づくりの重要性や必要性が増してきたように思います.次期学習指導要領の告示を4年後に控えた今年度ですが,次期指導要領に研究をつないでいけるよう,現行学習指導要領の成果と課題を明らかにするとともに,これからの時代に求められる算数教育の不易と流行に焦点を当てて,研究を深めていく必要があります.
今月号は,資質・能力ベイスの授業づくりの課題と展望がテーマです.その課題として,「資質・能力の育成を保障すべく教育課程をいかに構築するか」を視点とし,その中でも能力ベイスの単元の在り方に焦点を当てました.資質・能力が一単位時間で育成できるものではないことを考えると,単元の存在は極めて重要な要素です.単元を固定化されたもの,すでにあるものと捉えずに,「資質・能力の効率的な育成が図られている単元となっているのか?」,「算数科の本質足る,少なく教えて多くを学ぶ単元となっているのか?」といった視点から見直す必要があります.そこで今月号は,教育課程における現状の課題や展望を明らかにし,資質・能力ベイスの単元づくりについて語った論説,それを具現化しようとした事例,その事例をもとにした座談会と,これからの単元の在り方について誌上を通して考えを深めていく構成としました.本号が能力ベイスの授業づくりの具体的な改善につながり,資質・能力の効率のよい育成を目指した単元づくりや授業実践の一助となることを願っています.