最先端の教育 世界を変える学び手
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アレックス・ベアード/著、岩崎 晋也/訳

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創造的な教育を求めて、世界中を駆け巡る!

「50年後、私たちは教師を現在の医者のように尊敬しているだろう」教師の重要性を信じる著者が、教育の本質を探っていく。

人類のあらゆる課題解決のカギは「最先端の教育」にあった

人類は学びを積み重ねて、さまざまな技術を磨き、進歩してきました。しかし、教育現場は人間の進歩との接触が乏しく、一昔前から変わらない学校の姿が見受けられることもあります。
イギリスの高等学校の教師だった著者のアレックス・ベアード(Alex Beard)は、世界20か国以上を訪問し、教育の達人たちに会い、人工知能を用いた学習法や幼児の脳が育つ理論など、最先端の教育の現在地を網羅的に調査しました。

この10年間、教育こそが答えだという言葉を何度聞いたかわからない。貧困への対策、男女平等、人口爆発への解決策、それらはいずれも教育によって解決することができると言われてきた。学習はあらゆるものを治癒し、健康と幸福、地球規模の協力の鍵だと。
いかにも「だが」と来そうなところだがそうではない。たしかに教育こそが答えなのだ。
私はこの旅で、最新の技術的発展は、価値観を変え、教育システムのツールを新しくし、学習革命に火をつけていることがわかった。革命はここから始まる。以下に、そのマニュフェストを記そう。

(Part4 まとめより抜粋)

原題は『Natural Born Learners』、人類の受け継いできた本能的なスキルである「学ぶこと」をどのような教育で最大化できるかを探ります。

フィンランドの授業風景

ここでは、フィンランドでもっとも有名な教師とされるペッカ・ペウラに会ったエピソードを紹介します。

物理は手段や道具にすぎない。だから「落ちこぼれ」という発想もない。本当に育てたいのは生徒たちの「学習能力」だ。

ヘルシンキ郊外のマルティンラークソでは、駅からの小道に落書きをされてはいるがいまだ現役の低層のブルータリスト建築が建ち並んでいる。教室に入ると、二十八人の生徒が座っていた。幾人かはすでにノートパソコンの電源を入れ、天井からぶら下がったコンセントにつないでもう勉強を始めている。

午前八時二十分にペウラは教室の後ろからやってきて生徒とジョークを交わし、足でドアを閉めた。生徒たちよりもカジュアルで、バンドTシャツ、ひざ丈のデニムの短パン、前のジッパーを開けた学校のロゴ入りのパーカーを着ている。ホワイトボードの前まで来ると、コンピュータを開き、スクリーンに選択肢問題を映した。

「何秒後に、この車はトラクターを追い抜くか。(a)3.0s (b)4.5s (c)6.0s (d)7.5s (e)8.2s」教室の中では、ブロンドの十六歳の生徒たちがホワイトボードに映しだされたグラフを見つめている。数人は自分のノートパソコンのキーを叩いている。携帯電話を見つめている生徒もいる。ペウラのパソコンの画面上で、回答が集計されている。二十一名が答えを入力した。私もよく知っている方法だ。ペウラが答えを発表するのを待った。何人が正解しただろう。ところが、次の彼の行動は意外だった。

「じゃあ、テーブルに向き直って」と、彼は生徒たちに指示した。自分たちはなぜ、どのように答えを出したか。数分の議論の後、もう一度回答を送信させた。ペウラは答えを発表せず、二回の回答結果を映しだした。

回答結果の表 1回目 (a)36% (b)27% (c)18% (d)5% (e)14% 2回目 (a)39% (b)50% (c)0% (d)11% (e)0%

生徒たちの答えは変わっていた。私は興味を持った。こんなやり方はそれまで見たことがなかった。
ペウラは授業後、職員室でフィンランド人の国民的飲み物、苦いブラックコーヒーを飲みながら「間違った答えが出てくるのはわかっています。それが一番大切なことなんです。間違った答えをすると、頭の中で考え始めます。そうか、自分には何かわかっていないことがあるんだ、と」。そこから練習が始まる。数学や物理では、間違いは多くの場合、生徒たちの心の中にあるひとりよがりの論理によるものだ。教師がただ正解を聞かせても、生徒たちの心にそれを理解するための場所はなく、もともとの認知的な構造は変わらずに残ってしまう。だから、彼らは自分で考える必要がある。ペウラにとって、教える上で大切なことはこれがすべてだった。

「生徒がいつ何を学ぶかを教師が決めてしまったら、生徒はどう学べばいいか、わからないでしょう。もし私が百パーセントの内容を話したとしても、すべての生徒が百パーセント学べるわけではないですから」
子どもたちに個人差がある以上、違う学び方をつねに模索しなければならない。ペウラにとって教師は、クラスを異なった個人からなるグループだと認識し、その全員ができる限り学べる方法を見つける仕事だ。

クラスの話に戻ると、ペウラは(b)が答えだと告げ、それがなぜなのかを数人の生徒にクラス全体に対して説明させた。それから、表を映しだした。左側に柱があり、そこには生徒たちがこの物理のコースで学ばなければならない数十の内容が書かれている。残りの四つの柱には上に絵文字がついている。生徒たちはそれぞれの内容について自分のレベルを自己評価する。「力こぶ」の絵文字は「ちゃんと理解していて、友達に教えることもできる」、「サムズアップ」は「わかった」、「半分笑った顔」は「わかった部分もあるけれど、もう少し学ぶ必要がある」、そして「やり方がまるで分からない」を意味する「泣き笑いの顔」もあった。生徒たちは、ペウラの簡単な解説をじっと見つめていたが、やがてコンピュータに向き直って自己評価を入力していた。

タブレットで学ぶ子どもたち

「私はまったく板書をしません。必要な情報は、こちらで正しい場所を指示すれば生徒自身が見つけられます」 クラスに来て十分で、彼の仕事は終わったようだった。

ここの教室はあまり未来的には見えないし、百年前から変わらない発想も残っているが、教え方の技能に対するペウラの探究はかなりラディカルだ。彼は、生徒に自己評価をさせるという方法を見つけ、それを進めるための環境を作り、ツールを開発したのだ。
授業中、私はパトリックの隣に座った。彼はパソコンの画面を見せてくれた。管理ソフトには、ペウラが映しているのと同じ内容の絵文字がある。パトリックはこれを使って自分の進捗状況を管理している。それぞれの学習内容に、教材へのリンクとテストがついていて、自分のペースで行うことができる。
「自分でやって、成績をつけて、つぎへ進みます。それから、ここで自己評価をします」。彼はこれが気に入っているようだ。「いろいろなものを、自分のペースでできますから」。ときにはペウラに質問することもあるが、それよりも同じテーブルの同級生と話し合うことの方が多い。同級生の自己評価を見ることができるため、「力こぶ」を選んでいるクラスメートを選んで、自分がまだマスターしていないトピックを教わるのだ。

「クラスで落ちこぼれの生徒が出ることは心配ではないか」と尋ねると「そんな発想は学習から消し去るべきです」。数学的に言えばつねに半分の生徒は平均以下になるし、そのような発想が生徒の「自己評価」に与える影響を心配していた。「人と違うのはごく普通のことです」 フィンランドは、PISAでの成績の個人差が比較的小さい。それでもペウラは、一番遅れている生徒が一番レベルの高い生徒に追いつくには、およそ5年の学習が必要だと推測している。自分の生徒の多くが大学で物理を学びつづけるのではなく、そうするのはほんの数名だ(そうした生徒たちは前の方のテーブルに固まっていた)と知っている。ペウラは物理の授業を通して生徒たちの学習能力を育てようとしているのだ。 「まずは人としての教育をしたいので。物理はそのための道具や内容に過ぎません」

(Part2能力を高める Chapter6一流の教師より抜粋)

敬意を払うべき教師から見えてきた3つの共通項

こうした最先端の教育現場を訪れてわかった共通点を、著者は最終的には3つの概念に落とし込みます。

  • ① 新たな視点で考える
  • ② 能力を高める
  • ③ 人を思いやる

一見当たり前のように思えるこの3つの共通項こそ、新しい時代を生き抜く子どもたちの教育に欠かせないものだとまとめます。
そして、テクノロジーや最新理論を駆使して現場で子どもたちに向き合う先生に敬意を表しこう話します。

いまから50年後、私たちは教師を現在の医者のように尊敬しているだろう。教師は誇りにあふれ、自主的で高い技量を持ったプロフェッショナルであり、学習というものに精通している。

著者と一緒に世界の最先端の教育現場を巡る旅に出かけましょう。

〈主な取材先〉
ガリオンズ小学校、スクール 21、キングソロモンアカデミー(以上、イギリス)、 KIPP、MIT メディアラボ、ブレイクスルー校、ペングリーン幼児センター、ハイテック・ハイ、サミット(以上アメリカ)、ヒーデンキビィ基礎学校(フィンランド)、大学入試事情(韓国) …etc

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