視覚化で納得!伝わるグラフ指導
レビューを書くと100ポイントプレゼント
商品説明
算数で培いたい数学的リテラシー
本書の概要
Society5.0に向けて、AI やデータの力を活用・展開できる人材が求められています。
企業の採用活動での選考過程において、「SPI」、「GAB」、「玉手箱」といった複数の能力検査でグラフの読解能力を問うていることからも、データ活用力の社会的なニーズの高まりが伺えます。
小学校の算数では、「測定・変化と関係」領域と「データの活用」領域にまたがってグラフの学習が位置付けられており、グラフ指導を概観して論じては来ませんでした。
本書では、小学校算数のグラフ指導に焦点を当てて、グラフに関わる数学的な見方・考え方を涵養する、児童の実態に即した授業を実践的に提案しています。
ここでは、5年生の「速さ」で折れ線グラフを活用した事例を紹介します。
平均の速さのイメージをグラフで掴む
速さの学習をするときに、子どもたちの現状を捉えることが大切です。
子どもたちは日常生活でも、徒競走や、電車・車の速さなどで、速さを認識しています。しかし、日常生活で出合う瞬間の速さと、算数の問題場面で出合う平均の速さとの区別がつかないことで、つまずきにつながってしまいます。
そこで、折れ線グラフで道のりと時間の関係を視覚化できる教材を提示します。
たおさんとはなさんが1周1224 mの池の周りを歩いています。途中までの記録を取りました。どちらが速く1周するか考えましょう。
提示した条件だけでは、答えが絞れない問題を提示することで、子どもたちからは様々な意見が出てきます。
それぞれの進む道のりが一定でないため、比べられないという意見が出て、平均を出すよさに気がついていきます。
たおさん (82+38+107+63+70)÷5=72
はなさん (50+110+40+72)÷4=68
それぞれの道のりを足して合計時間で割る式で、1分間当たりに進んだ平均の道のりを求めていきます。またそれぞれの速さで池の周りを一周(1224 m)する時間を求めることで、平均で比較するとたおさんが先に一周できそうだと結論を出しました。
この池を一周するときの平均の進み方をグラフで示しました。
このグラフからも、たおさんが先に一周できるということを確認しました。
また、冒頭で提示したグラフと比較することで、折れ線グラフと関連付けて、時間と道のりの関係と平均の速さを可視化して捉えることに繋がりました。
このように、数学の事象をグラフで可視化していく授業例を、1年生の簡単な絵や図を用いた棒グラフの素地から、中学校への接続の話題まで、小学校での内容を網羅的に取り上げています。
掲載事例一覧
各学年のグラフ指導実践
1年 グラフの素地 「はるさがし」
2年 簡単なグラフ 「クラスみんなでなにして遊ぼう」
3年 棒グラフ 「コンビニで売れているものから考えよう」
4年 折れ線グラフ 「お風呂と駐車場」
5年 簡単な場合の比例 「リボンの値段」
6年 比例 「水滴と波紋」
6年 比例・反比例 「長方形」
6年 代表値 「ボール投げ大会」
5年「速さ」のグラフ指導実践
1時 平均の意識化 「どちらが速く1周するか考えよう」
2時 動きから速さを考えて数値で表現
3時 時速・分速・秒速
4時 道のりと時間、速さの関係
5時 速さと生活
6時 追い越し
7時 速さが平均であることを振り返る
8時 速さと仕事量の違い