子どもと創る「国語の授業」2020年 No.70

    子どもと創る「国語の授業」2020年 No.70

      ISBN: 9784491043968

      全国国語授業研究会・筑波大学附属小学校国語教育研究部/編

      $6.00

      目次

      子どもの作品……青山由紀

      特集 読みの授業を変える振り返り
      ⅰ 〈提起文〉弥延浩史
      ⅱ 〈提案授業〉桂聖
      01 授業を振り返って……桂聖
      01 参観者のコメント……青木伸生/白坂洋一
      02 「読み」を深める授業をどう作るか―パフォーマンス課題の活用―……西岡加名恵
      06 学習の効果をあげる振り返り……菊池英慈
      10 学習者の「未来」につながる振り返り……沼田拓弥
      14 子どもが次のめあてをもつことをうながす振り返りの工夫……岡田博元
      18 振り返りは言葉の力と学びを自覚するためにある―「海のいのち」の授業を通して―……藤田伸一
      22 振り返りから始まる授業……山本純平

      特別連載 子どもと創った国語教室
      26 「1年生」成長の1年間―「3つの理解」と学びのつながり―……藤平剛士

      明日から実践 提案!先取り授業
      28 1年「ずうっと、ずっと、大すきだよ」(光村図書)みんなの「どうして?」から考えたことを話し合おう……高階風香
      30 2年「山のとしょかん」(学校図書)お話クイズ大会をしよう「山のとしょかん」……安齋秀俊
      32 3年「ゆうすげ村の小さな旅館」(東京書籍)ファンタジーの仕掛けから謎を解き、物語のよさ・面白さを伝えよう……安達真理子
      34 4年「ごんぎつね」(教育出版)「ごんぎつねガイドブック」で紹介しよう!……長屋樹廣
      36 5年「たずねびと」(光村図書)物語の全体像をとらえ、考えたことを伝え合おう……橋爪秀幸
      38 6年「川とノリオ」(教育出版)言葉に着目しながら目的をもって作品を読もう……山本亘

      全国津々浦々 私の国語教室
      40 子どもの『読みの立脚点』を考える。―『おにたのぼうし』の授業から―……福田淳佑
      43 子どもが自ら学び始めるために……立石言

      国語教室お悩み相談室
      46 ○授業での「主題」の扱い方を教えてください
        ○子どもが読書好きになるために学級でできることはありますか?……〔回答者〕白石洋一

      連載
      48  YANOBE‘s国語授業レシピ 学びのつながりを意識した授業づくり④……弥延浩史
      51  国語授業づくり はじめのい~っぽ! 「スイミーはこわくなかったのかな?」②……白坂洋一  
      54  わくわく国語教室 オンライン授業から見える新たな「対話的な学び」 その2……青山由紀
      57  KATSURA 国語劇場! 「系統指導」再考……桂 聖
      60  青ちゃん 単元工房 読みの系統を意識した指導⑨……青木伸生

      63 教師の必読書・おすすめ教材…内田健太朗

      64 編集後記・次号予告・子どもの作品解説

          商品説明

          〈提起文より〉

          特集:読みの授業を変える振り返り

           ある読みの授業のひとコマ。授業の始まりに学習のめあてが示される。そして、教材文を読んだ後、読み取ったことを通して考えのやりとりをする。最後に、学習のまとめをして振り返りを書く。子どもたちは、「今日の学習では○○ということが分かった。次は今日の学習を生かして△△について考えたい」というように……。

           また、学校や地域レベルで「○○スタンダード」や「○○方式」と銘打ち、読みの授業の型が示されているところが増えているとも聞く。そうすることで、一定の質の授業が保障され、子どもたちも学習の見通しをもって進められるからなのだそうだ。そこでは、型から逸脱することなく授業を展開していくことが求められる。振り返りもこの型の中に組み込まれ、おこなわれている。しかし、このような振り返りで本当によいのだろうか。ここには、次のような問題点が存在する。

           まず、振り返りが形骸化しているという問題点だ。「振り返りをおこなうのは、……という理由からだ」、「次の学びに活かすため、……ということを振り返らせる」というような明確な意図がなく、先にも述べたような「型に則った展開」がされていく。しかし、それぞれの教材の特性や、どのような言葉の力を付けていきたいかによって、振り返りの内容や方法は変わるはずである。毎回、授業の感想を書いて終わるような振り返りでは、活動そのものが形骸化してしまっていると言えるだろう。

           次に、型ありきの展開では、振り返りの必然性が生まれないという問題点である。振り返りが学習のまとめに付随するだけの活動になっていて、学習者である子どもたちに、振り返りをおこなう必要感がないまま、活動の指示が出される。子どもたちが、自己の学びを自覚し、次の学びにつなげていくようにするには、どうして振り返りをおこなうのか、振り返りをすることのよさは何なのかを実感できるようにしていく働きかけが必要であると言えるだろう。

           これらの問題を解決していくには、教師が「明確な意図(ねらい)をもって振り返りを設定すること」や、「振り返りの大切さを子どもたちが実感できるように工夫していくこと」が重要である。そうすることで、学習のめあてやまとめも含め、「型ありき」だった授業が変わっていく。つまり、読みの授業そのものが変わっていくのではないだろうか。

           そこで、本特集では、読みの授業における振り返りの在り方に目を向ける。振り返りを教師としてどのようにとらえ、実践していく必要があるのか。学習者である子どもたちに振り返ることの必要感をもたせるにはどんな手立てを講じるべきなのか。振り返りを研究する立場、授業実践の立場から、それぞれ論じていただいた。(弥延浩史)

          商品の仕様

          • 読者対象: 小学校教員
          • 出版年月: 2020年12月22日
          • ページ数: 64

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