政治的リテラシー育成に関する実践的研究—小学校社会科における内容・方法・評価のあり方

    政治的リテラシー育成に関する実践的研究—小学校社会科における内容・方法・評価のあり方

      ISBN: 9784491045566

      岡田 泰孝/著

      $18.00

      著者紹介

      岡田 泰孝
      お茶の水女子大学附属小学校教諭
      東京都の区立小学校勤務を経て、1996年より現職。学習分野「市民」創設、新教科「てつがく」創設など、初等教育におけるシティズンシップ教育への挑戦を試みる。現在は〈価値判断力・意思決定力を育成する社会科授業研究会〉副代表、〈日本シティズンシップ教育フォーラム〉アドバイザー等も務める。
      [2021年10月現在]

      目次

      序章 本研究の動機と目的
       第1節 政治的リテラシー教育をめぐる動向
       第2節 先行研究の検討
       第3節 研究の目的と視点

      第1章 政治的リテラシー教育の現状と課題
       第1節 政治的リテラシー教育を支える民主主義観
        第1項 政治的対立を取り上げる主権者教育
            ―文部科学省の政治的リテラシー教育構想の問題点―
        第2項 模擬投票に依存する政治教育の問題点
       第2節 小学校社会科で育成する政治的リテラシー
       第3節 政治的リテラシー教育の枠組
           ―論争問題学習諸類型の枠組との比較―

      第2章 政治的リテラシー教育の内容・方法・評価
       第1節 政治的リテラシーを育成する学習内容と「当事者性」
        第1項 政治的リテラシーを育成する学習内容
        第2項 政治的リテラシーと「当事者性」
         ⑴「当事者性」にかかわる研究課題
         ⑵ 公共的な意思決定と「当事者性」の関係
         ⑶「当事者」と「当事者性」の関係
        第3項 政治的リテラシー教育と政治的中立性
       第2節 政治的リテラシーを育成する学習方法
           ―「判断の基準」に基づいた論争と「熟議的転回」―
       第3節 政治的リテラシーを育成する評価方法
        第1項 アウトカムをパフォーマンス評価する
        第2項 パフォーマンス評価の限界と実践的課題
        第3項 教師の教育的鑑識眼・教育批評で補う

      第3章 実践授業の分析
       第1節 本研究の対象
        第1項 実践者が自分の授業実践を研究対象にする意義
        第2項 本研究が対象とする授業実践とその概要
         ⑴〈第1実践〉「発電方法の未来を考える その1」―主に視点②方法:「判断の基準」にかかわる実践―
         ⑵〈第2実践〉「発電方法の未来を考える その2」―主に視点③評価:「評価のあり方」にかかわる実践―
         ⑶〈第3実践〉「川内原発再稼働は誰の声を優先して決めるのが望ましいか」ー主に視点①内容:「当事者性」にかかわる実践―
       第2節 研究の方法
        第1項 研究対象を分析する方法
        第2項 研究対象を分析する視点
         ⑴ 視点①内容:政治的リテラシー育成の内容:当事者性
         ⑵ 視点②方法:政治的リテラシー育成の方法:「判断の基準」
         ⑶ 視点③評価:政治的リテラシー育成の評価:「評価のあり方」
        第3項 授業実践ごとに生じる分析する視点の軽重
       第3節〈第1実践〉「発電方法の未来を考える その1」
          ―主に視点②「判断の基準」にかかわる実践・「判断の規準」に基づいて論争を深める学習―
        第1項 「判断の規準」に基づいて論争を深める学習の構想
        第2項 「判断の規準」に基づいて話し合う子どもの思考の変化に関する考察(第10時において)
         ⑴ 第1の場面
         ⑵ 第2の場面
        第3項「判断の規準」に基づいて論争することの課題
        第4項〈第1実践〉の成果と課題
       第4節〈第2実践〉「発電方法の未来を考える その2」
          ―論争問題の意見文をパフォーマンス評価し、その限界を教育的鑑識眼と教育批評で補う評価方法―
        第1項 意見文をパフォーマンス評価する評価活動の構想
        第2項「判断の規準」に基づいて記述する意見文タイプのパフォーマンス課題
        第3項 政治的リテラシーのアウトカム評価の実際
         ⑴ 抽出した子どもたちを選んだ理由とそれぞれの意見文
         ⑵ 抽出した子どもたちの意見文から明らかになったパフォーマンス評価の限界と教育的鑑識眼の援用
        第4項〈第2実践〉の成果と課題
       第5節〈第3実践〉「川内原発再稼働は誰の声を優先して決めるのが望ましいか」
          ―主に視点①「当事者性」にかかわる実践―
        第1項「当事者性」を育成する授業構想
        第2項 役割を担った(ロールプレイ)討論会の意味
        第3項「当事者性」がある姿、高い姿
        第4項 子どもたちの「当事者性」の変容(第6~8時)
         ⑴ ロールプレイ討論会の主な発言内容(第6時)
         ⑵ ロールプレイ討論会のふり返りの考察(第6時)
         ⑶ ロールプレイ討論会の主な発言内容(第7時)
         ⑷ ロールプレイ討論会のふり返りの考察(第7時)
         ⑸ ロールプレイ討論会のふり返り後に書いた結論と考察(第8時)
        第5項 最終的な考えを書いた意見文の分析(第9時)
        第6項〈第3実践〉の成果と課題

      終章 本研究の意義と今後の展望
       第1節 本研究の総括
       第2節 本研究の成果と課題
        第1項 政治的リテラシーと「判断の規準」について
        第2項 政治的リテラシーと「当事者性」の育成について
        第3項 政治的リテラシーとパフォーマンス評価・教育的鑑識眼・教育批評について
        第4項 残された課題

       参考文献・website一覧
       謝辞

          商品説明

          精緻な分析に基づく、政治的リテラシー育成に関する理論と実践の往還

          小学校段階において、ほとんど行われてこなかった政治的リテラシーを育成する実践に挑む意欲的研究。

          不明確にされてきた、内容・方法・評価のあり方に焦点を当て、3つの実践を丁寧に分析します。

          商品の仕様

          • 読者対象: 小学校教員
          • 出版年月: 2021年11月8日
          • ページ数: 200

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