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商品説明
オーセンティックな学びへの招待
長年、学びを問い直す鍵として語られてきた「オーセンティック」概念。
「オーセンティック」とは、「真正な」や「本物の」という意味を表す形容詞で、近年、「オーセンティック・ラーニング」や「真正な学び」といった言葉遣いで、しばしば教育の文脈に登場します。
本書では、「オーセンティック」が、どのような経緯で教育の文脈に登場してきた概念であり、なぜオーセンティック概念に着目することで、子どもたちが学ぶ価値を実感できるような授業が構想可能なのか、明らかにしていきます。
算数の「フィクション」と「ノンフィクション」
とりわけ、本書では「小学校算数」を扱います。
誰しも身に覚えがあるように、“馴染むことができた人・できなかった人” “受け入れられた人・受け入れられなかった人” に大きく分かれがちな算数という教科。ここには、いったいどういう理由があるのでしょう。
本書では、その回答として「算数のフィクションとノンフィクション」という切り口を提案します。
「この問題のお話は、なんでこんな設定なんだろう?」
「なんで算数のお話では、ずっと同じ速さで歩けるんだろう?」
私たちが、算数固有のフィクションに馴染めずにモヤモヤを抱えてきたのだとすれば、ノンフィクションから始まる算数の授業構想は可能なのか。あるいは反対に、算数固有のフィクションの価値とは何であるのか。
このことを見つめ直し、学びの在り方を再構築することが、質の高い算数科の学力の形成、ひいては未曾有の社会の変化を生き抜くこれからの子どもたちの学ぶ力の形成に寄与するものである、と著者は言います。
理論と実践をつなぐ真摯な第一作
著者は、武蔵野大学教育学部教育学科の小野健太郎准教授。
11年間小学校教諭として勤めた後、教科教育(主に算数)の実践研究を教育心理学的視点から進め、教員養成に携わっています。また、並行して現在も小学校での実践研究を進めており、本書では、オーセンティシティーを高めた学びとしてのご自身の具体的実践を足場に、理論と実践が往還する意欲的第一作となりました。