ホーム 最高のクラスになる漢字プラクティス
最高のクラスになる漢字プラクティス - 東洋館出版社

最高のクラスになる漢字プラクティス

ISBN: 9784491047553

鎌田賢二/著

セール価格 1,980(税込)
付与予定ポイントpt
6
人がこの商品を閲覧しています
タイプ: 書籍

レビューを書くと100ポイントプレゼント

Customer Reviews

Based on 1 review
0%
(0)
0%
(0)
100%
(1)
0%
(0)
0%
(0)
匿名
最高のクラスになるプラクティス

隙間時間に活用したい。

この度は当ショップでのご購入ありがとうございます。
少ない時間で活用できるので使いやすいと思います!

商品説明
最高のクラスになる!漢字プラクティス 学級活動 道徳授業 休み時間 漢字には子どもの心を耕すきっかけが詰まっている! 鎌田賢二著 遊び心たっぷりの手間暇いらず やればやるほど、クラスに笑顔が増える!

■ 漢字プラクティスとは何か?

「そもそも、漢字プラクティスって何?」
と感じる方もいるでしょう。
簡潔に言うと、次のとおりです。

遊び心で漢字を見たり、考えたりする活動を通して子どもの心を耕し、子どもが本来もっているものを引き出せるようにする活動

以前、新しい学校に赴任したばかりのときのことです。教室に入るなり、クラスの雰囲気が殺伐としていることに私は気づきました。6年生の子どもたちで、どの子も、誰の話にも耳を傾けようとしません。そんな彼らの姿を見て私がまず行ったことが、「聴」という漢字を使った、道徳の授業でのプラクティスでした。

まず、「聴」という漢字を黒板に大きく書いて、次のしつもんです。
「この漢字は何と読みますか?」
子どもたちはなかなか口を開こうとはしません。が、折り込み済みです。その様子を見取って、「この漢字は4つの漢字でできあがっていますね」と声をかけ、資料1のように番号を振ります。

「聴」という漢字を4つに分けた図 耳・十・目・心

次に、「このうちの③を90度回転すると、何の漢字になりますか?」と問いかけます。
すると、「目です」と答えてくれる子が現れました。おっかなびっくりといった様子です。
そこで、4つの漢字を別々に書いて、それぞれの意味を子どもたちと確認していきました ( 資料2 ) 。すると、②「聞く」、③「見る」、④「思う」という言葉が出てきました。

「聴」という漢字を4つに分けた図 ①十(いっぱい・たくさん)②耳(聞く)③目(見る)④心(思う)

①については、「『いっぱい』でもいいかもしれませんね 」と私のほうから水を向け、次の1文を完成させました。

●「聴」とは、いっぱい(「十」)聞いて(「耳」)、見て(「目」)、思う(「心」)こと

学級づくりの際など、友達の発言を聴くときには、次のことが“大切だよ”とみなさん話をされているのではないでしょうか。
「耳を傾けること」
「相手のほうを見ること」
「心を働かせること」
もちろん、言葉かけだけでも子どもに届くことはあるでしょう。ただ、先のようなプラクティスを行ったうえで、次のように声をかければ、誰かの話を「聴く」とはどういうことなのか、より伝わるのではないでしょうか。

耳だけではなく、目を合わせ、心をたくさん働かせることができれば、友達の話のよさやおもしろさがもっと伝わりますね。

もっとも、いろいろと課題を抱えていたクラスでしたから、このプラクティス一つで即座にクラスの雰囲気がよくなるわけではありません。しかし、粘り強く続けていくうちに、段々と和気あいあいとした雰囲気が生まれていきました。

このようにして続けられたのは、私がすごくがんばったからではありません。何せ黒板に字を書いて子どもたちと交流すればよい活動です。準備いらずで労力も必要ない。だから続けられたわけです。

その後、「聴く」プラクティスについては2学期のはじめでも行いましたが、3学期になるころには、わざわざ板書しなくても子どもたちからは“大事だよねぇ”というつぶやきがあったり、うなずく様子も見られるようになっていました。1学期とは打って変わってクラスの雰囲気は明るく、毎日が笑顔で無事卒業を迎えることができました。

このようなことがあって、“漢字一つでこんな手軽に子どもたちの心を耕せるのであれば、子ども自身が本来もっているものを引き出し、成長していけるのではないか”と思うようになったのです。

■ 漢字プラクティス・10 の効能

漢字プラクティスは、漢字本来の学問的位置づけについて学ぶのではなく、遊び心で意味をとらえ直す(ときには意味をつくり出す)レクリエーションです。具体的には、次の3つの場面を想定しています。

● アイスブレイクで場の空気を和ますもの
● 子どもたち自身で想像して考えるもの
● 教師側からの説話的に進めるもの

漢字プラクティスは、「簡単」「手軽」「伝えやすい」ことが、取り入れるうえでのストロング・ポイントです。なかでも説話については、導入やまとめなどの場面で使えます。しかも、教師の長話で子どもたちを退屈させません。
そんな漢字プラクティスには、次の10の効能を期待することができます。

① 前向きな気持ちになれる
② 心が少し軽くなる
③ やさしい気持ちになれる
④ 他者の存在や多様性のおもしろさに気づけるようになる
⑤ 学ぶ楽しさを実感できるようになる
⑥ これまで気づいていなかった自分のよさを発見できる
⑦ 自分も成長できると思えるようになる
⑧ 失敗続きでも前向きに進もうと思える
⑨ よりよく生きる「見方・考え方」を働かせられるようになる
⑩ なぜ、道徳の内容項目が大切さにされているか、その理由が腑に落ちる

ここでは、本書に収録している「アイスブレイク編」と「リファレンス編」から漢字プラクティスを一つずつ紹介します。

[アイスブレイク01]学年別漢字配当表を活用したプラクティス
グループで漢字を見つけるプラクティスで、漢字に対する興味・関心が高まる活動の一つです。

[対象学年]中学年以上
[所要時間]1回の時間は1分~2分
[準備物]学習指導要領掲載の「学年別漢字配当表」
[テーマ]「日」のついた漢字を探そう
[ルール]
① 学年別漢字配当表のなかから「日」のついた漢字を探す。
② 声かけ例「お日さまを探して明るくしよう」
③ 1グループ3~5人ぐらいで行う。
④ 横向けの日はカウントしない。
⑤「良」のように線が伸びていたり形の違う漢字は含めない。
⑥ 中学年以上でうまく探せそうにない場合には、1年生の漢字配当表で練習してから行う。
⑦ 探し出した数を出し合ったら正解を伝える。
⑧ 時間があれば他学年のものに挑戦する。
⑨ 感想を伝え合う。

プラクティス後に感想を発言してもらうと、「1年生の漢字って『日』が入っている漢字が多いね」「いろいろな見方があっておもしろい!」といった声があがります。

第1学年の「日」のつく漢字

[リファレンス13]

リファレンス13 泣いている女の子と励ます男の子 気にすんなよ。きっと大丈夫だって。うん…

この女の子に何があったのでしょう。それがどんなことかはわかりませんが、悲しい気持ち、不安な気持ちでいっぱいです。そんな姿を見かねて男の子がそっと寄り添って慰めていますね。
この女の子の「悲しい気持ち」と男の子の「寄り添う姿」を足し算すると、漢字1字になります。
どんな漢字になるか考えてみましょう。

さて、ページをめくると…

漢字の優 にんべん:気にすんなよ。きっと大丈夫だって。憂:うん…

答えは「優」です。
「憂」(悲しい気持ちや不安な気持ち)に寄り添う「人」がいる。だから「優しい気持ち」になれる。
優しくなるには、「人」の「憂い」に気づいてくれる誰かの存在が必要ですね。
そんな誰かでありたいものです。

「優」プラクティス例

[場面]道徳(授業の終末)
[内容項目]友情、信頼
[様式例]説話 (この例では、イラストからではなく、「憂」の字からスタート)

教材に登場する真希さんに寄り添う圭一さんの姿に触れ、「友達っていいなぁ」と改めて思わせてくれるお話でした。そこでみなさんに漢字を1つ紹介したいと思います。(「憂」と板書します)
この「憂」は、「憂鬱」でも使われますから、落ち込んでいる様子を表していますね。この漢字の傍らに寄り添うように「人」という漢字をつけ加えてみましょう。どんな漢字になりましたか?(子どもたちから「きっと『優』だ」といった発言があるでしょう)
そうですね。「優」という漢字は、「憂い」(悲しい気持ちや不安な気持ち)に寄り添う「人」と書きます。
真希さんの不安な気持ちに寄り添おうとしていた圭一さんはまさしく「優しい」ですね。でも、圭一さんはなぜ優しくなれたのでしょう。もしかしたら、圭一さんも自分が「憂い」のときに、誰かが寄り添ってくれたことがあったのではないでしょうか。
悲しい気持ちや不安な気持ちをよく知っている人ほど、優しいのかもしれませんね。

思い立ったが吉日 学級通信のネタにもなる!