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商品説明
資質・能力を「本質的な方向」に働かせようとする根本的な「何か」がある。
その何かを、私たちは「美意識」と呼び、育てることを志向した。
本書の概要
「美意識」とは、その子の「みえ方」や「こだわり」をもとに、本質を捉え深めようとする心の働きである。それは「共に幸せに生きるために発揮される資質・能力」の源である。
本書は、子どもの「美意識」を育てるべく、筑波大学附属小学校が4年間取り組んだ理論研究と授業実践を紹介し、さらに新たなカリキュラムを提案する。
本書からわかること
本質的な方向性
資質・能力の育成という観点だけではなく、生涯にわたって「よりよい方向」に発揮されることが必要である。例えば、高学年の子どもが「戦争に賛成である」という主旨の意見文を書いたとする。そして、文章構成も表現も見事に工夫していた。私たち教師は、この作文をどう見るのか。この子の「論理」自体は否定できない。しかし、こうした内容の作文には、私たち教師は肯定することができない。つまり、「書く」「話す」の表現にも、「読む」「聞く」の理解にも、「よりよい方向性」としての教材・題材、学習活動、学習内容を見極める必要があるのです。このような「見せかけの資質・能力」ではなく、本質的な方向に働かせる「資質・能力」の源には「美意識」がある。
内容の美、方法の美
「美意識」を育む社会科授業を具現化するためには、子どもたち一人ひとりが、「教科の本質」に迫るような教材に対する「内容の美」や授業展開に対する「方法の美」を感じ取ることが必要不可欠である。
例えば社会科では、「内容の美」を感じ取らせる教材とは、「社会的な価値」や「社会の問題」等が内包された「教科の本質」に迫る教材である。また、「方法の美」を感じ取らせる授業展開とは、多様な他者との「対話」であり、自分の「価値」と他者の「価値」を「比較検討」したり、自分とは違う他者の視点で「多角的に検討」したりすることを通して、自分の「価値」はこれでよいのか「問い続ける」ような思考の方法を具現化する授業展開である。
このように各教科における「内容の美」「方法の美」を分けて捉えて実践事例を紹介する。
「みえ方」と「見方」
「美意識」を育てる授業とは、一体どのような授業なのか。端的に述べると、それは子どもの素直な「みえ方」を「見方」に深化させ、その「見方」を子どもが自覚的に働かせるようになることを目的とした授業である。各教科・領域でその具体を紹介する。
カリキュラム
本研究においては、各教科等におけるカリキュラムを今一度見直し、資質・能力時代に応じた「新しいカリキュラムモデル」の創出を新しい研究内容に位置づけた。各教科や領域において、真に必要な学習内容は何かを抽出し、それらを構造化し、配列することを目指した。
こんなひとにおすすめ
筑波大学附属小学校の研究にご興味のある方
専門教科の研究だけではなく、カリキュラム編成に関心のある方