STEM教育を目指す理科-その考えと実験事例

    STEM教育を目指す理科-その考えと実験事例

      ISBN: 9784491051611

      山岡武邦/監修・著 大隅紀和・梅本仁夫/著

      $12.00

      著者紹介

      山岡武邦 1974年、愛媛県越智郡 (現、今治市)に生まれる。
      愛媛大学理学部物理学科卒業。筑波大学大学院修士課程教育研究科教 科教育専攻修了。兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程) 自然系教育連合講座修了。博士 (兵庫教育大学大学院、学校教育 学)。 公立高等学校教諭を経て、2019年より現職。東海学園大学教育学部教育学科准教授。
      本書のPERT2とPERT3は、つぎの梅本と大隈の共同執筆である。

      梅本仁夫 1948年、 和歌山県日高郡に生まれる。
      大阪府立和泉工業高校、機械科卒。
      オーツタイヤ株式会社のち、住友ゴム工業株式会社の技術部門でもっばら機械装置の設計に専心的に従事。同社を定年退職。
      2017年以降、OES研究所岸和田工房を開設、実験機材の研究開発と頒布普及活動などに取り組む。

      大隅紀和1940年、京都市下京区に生まれる。
      上記梅本の母校の電気科教諭などから、京都市青少年科学センター、国立教育研究所、鳴門教育大学ののち、京都教育大学で定年退職。 京都教育大学名誉教授、タイ国アユタヤ地域総合大学ARU名誉博士ユネスコアジア太平洋地域事務所 (UNESCO SEAMEO) に開設 されたSTEM教育センターのシニアエキスパートなど。OES 研究所代表。
      日本科学教育学会から国際貢献賞受賞 (2010
      年)、現在、名誉会員。

      目次

      目 次
      PART 1 これからの理科教育とSTEM教育のために―STEM教育に対応する理科教育の実践に向けた「電気の基礎実験」―
      はじめに  002
      CHAPTER 1 STEM教育とは何か 004
      1-1 K- 12フレームワークにみられる実践手法  004
      1-2 全米科学教師協会が提案する問いの活用手法  008
      CHAPTER 2 STEM教育の実践に向けた「電気の基礎実験」―永久ゴマに焦点化した実践事例― 009
      2-1 自然の理解に通じる知的好奇心を促進させるために  009
      2-2 研究方法  013
      2-2-1 実施時期と調査対象  013
      2-2-2 永久ゴマの製作方法  014
      2-2-3 ひとことアンケートの作成  015
      2-2-4 テキストマイニングによるひとことアンケートの分析方法 017
      2-3 結果と考察  017
      2-3-1 テキストマイニングによるアンケート分析  017
      2-3-2 共起ネットワークの結果  021
      2-4 まとめ  022
      CHAPTER 3 STEM教育との整合性がある「電気の基礎実験」 024
      3-1 なぜSTEM教育と「電気の基礎実験」は整合性があるのか  024
      3-2 新たな疑問をどのように活用していくのか  027
      3-2-1 Think-Pair-Shareワークシート  028
      3-2-2 パワフルプラクティスモデル  029
      CHAPTER 4 重点的な題材選定と教育プラン 031
      4-1 永久ゴマの原理について  031
      4-2 OES研究所との出会い  032
      CHAPTER 5 電気への感謝度合いを検証するための柔軟な実践計画と実施 035
      5-1 自作の手振り発電パイプを作ろう  035
      5-2 ‌巻線作業体験の有無がもたらす電気への感謝度合いを検証するための授業デザイン  036
      5-3 ‌巻線作業体験の有無がもたらす電気への感謝度合いを検証するためのワークシート  037
      5-4 巻線作業体験の授業実践の様子  040
      5-5 巻線作業体験がもたらす電気への感謝度合い  044
      CHAPTER 6 フィリピンでのSTEM教材の紹介 047
      6-1 フィリピンのSTEM教育事情  047
      6-2 フィリピンでのSTEM教育実践  048
      CHAPTER 7 学習指導案の作成意義について 052
      7-1 理科授業をデザインする際の観点  052
      7-2 学習指導案を作成する際のチェック項目  054
      7-3 学習指導案の実際  057
      7-4 学習指導案(略案)の作成  061
      PART 2 STEM教育に対応する―手作り機材で楽しむ実験 面倒な実験を楽しくする―「手振り発電パイプ」と「巻線機ジョイ」
      はじめに  068
      CHAPTER 1 ダイナミックな「手振り発電器」を作りたい―鮮やかな電磁誘導の実験にも使いたい!― 072
      1-1 発端は、愛用してきたモデル  072
      1-2 インターネット技術は、電磁誘導を土台にしている  073
      1-3 STEM教育は「未来のイノベータを育てる」こと  074
      1-4 ‌手づくり「手振り発電パイプ」が活躍する―身近にある各種のLED、その点灯実験に使える―  076
      CHAPTER 2 「手振り発電パイプ」で電磁誘導の原点に到達する―これぞ、電磁誘導の実験の決め手!― 078
      2-1 検流計(ガルバノメータ、Galvanometer)  078
      2-2 準備、使う機材は、手振り発電パイプのほか数点  079
      2-3 実験の方法  079
      2-4 ‌テスト問題で好まれる「レンツの法則」、アンペールの「右ネジの法則」  081
      2-5 手振り発電パイプは、200年前の法則に行き着く  082
      2-6 レンツの法則の記憶のノウ・ハウ  083
      2-7 パイプに入れる磁石の磁力線  083
      CHAPTER 3 ICカードの原理―そのモデル実験へ―手づくり「巻線機ジョイ」を作る― 086
      3-1 市販されているボビンが使えるシャフトを作れ!  086
      3-2 これで自由にコイル巻きできる  088
      3-3 小型のトランスを用意する  088
      3-4 LEDのクリスマス・デコレーションも点灯する  089
      3-5 LEDは交流でも点灯するか?  090
      3-6 手軽に使う小型トランスの6V/8V/10V/12V電源  091
      CHAPTER 4 ICカードのモデル実験から無接点給電への関連 092
      CHAPTER 5 手振り発電パイプに到達するまで 094
      5-1 大きなモノをつくる―課題は強力磁石の入手  094
      5-2 さらなる難関は、エナメル線のコイル巻き作業  095
      5-3 「巻線機を探せ!」、つぎは「ボビンを探せ!」  096
      5-4 ハンドルが重い、使い物にならない―既製品の鉄製の巻線機  097
      CHAPTER 6 ハミングでコイル巻きする「巻線機ジョイ」―その制作のノウ・ハウ― 099
      6-1 「巻線機ジョイ」の特色  099
      6-2 巻線機のハンドル回しもハミングで  100
      6-3 制作と実験へのステップ  102
      CHAPTER 7 磁石の磁界の記録保存のしかた 104
      7-1 準備  104
      7-2 上から鉄粉をていねいに散布する  106
      7-3 厚紙に木工ボンドをひろげ、薄くのばす  107
      CHAPTER 8 これさえあれば! 乾電池と豆電球の大型模型 109
      8-1 乾電池模型の作り方  111
      8-2 工夫の勧め  112
      8-3 豆電球模型の作り方  112
      8-4 さらなる工夫の勧め  114
      8-5 特に推奨したい演示実験  114
      CHAPTER 9 スマホ充電を考えるコンデンサの充電と放電 116
      9-1 コンデンサの静電容量の単位にファラデーの名がある  116
      9-2 準備と実験  117
      PART 3 手作り機材の制作をサポートする―基本パーツの見直しと準備 楽しくなる基礎レベルの電気実験―その機材準備のノウ・ハウ
      はじめに  120
      CHAPTER 1 手元に置きたい乾電池ユニット 121
      1-1 進んだ取り組み  122
      1-2 工夫の勧め  122
      CHAPTER 2 2個は持ちたいハンドダイナモ―商品名「ゼネコン」 123
      CHAPTER 3 LED豆電球の普及で使うソケット4個ユニット 126
      3-1 工夫と参考にしてほしいこと  127
      3-2 さらに進んだ取り組み  128
      CHAPTER 4 LEDの省エネを実感する―車の方向指示の小型電球 129
      4-1 12V球の実験ユニットの作り方  130
      CHAPTER 5 LED素子を直視する12VのLED電球 131
      5-1 LED素子を直接に目にすること  131
      5-2 白熱電球の発光方式を考える  132
      CHAPTER 6 確保していたいエナメル線とコイル用ボビン 134
      6-1 たっぷりの材料を用意したい  134
      6-2 ボビンの入手  134
      6-3 ‌思いついたとき、それが「グッド・タイミング」―実験準備と予備実験のために  135
      CHAPTER 7 2種類のボビン用―巻線機ジョイのシャフト 136
      CHAPTER 8 電動ドリルを使う―電動式「巻線機ジョイ」 138

      関連事項・参考図書 140
      巻線機ジョイを使ったワークショップ  140
      D.ボダニス著、吉田三知世訳「電気革命」(新潮文庫、2016年)  141
      関連資料・情報 143
      OES研究所・岸和田工房、頒布機材リスト
      1 手振り発電パイプ(完成品)  144
      2 4豆電球ユニット台(3V、LED4個付き)  144
      3 巻線機(OES-U型)  145
      4 巻線機(OES-U型)用2タイプ軸受け板  145
      5 巻線アタッチメント軸[(OES-U型)用]  146
      6 手振り発電パイプ(キットタイプ)  146
      7 エナメル線ボビン(P-2G)約0.3㎏巻  147
      8 エナメル線ボビン(P-5G)1㎏巻  147
      9 小ボビン(P-2G)  147
      10 大ボビン(P-5G)  148
      11 電磁誘導実験セット  148
      12 クランプ(F型)  149
      13 クランプ(C型)  149
      14 手回し発電機(巻線機含まないパーツ)  150
      15 手回し発電機(巻線機含む)  150
      16 シンプルモーター(完成品、クリアーケース入り)  150
      17 シンプルモーター(キット品、クリアーケース付き)  151
      18 乾電池と豆電球の大型模型(キット頒布)  151
      19 12V LED―12V 白熱電球ユニット  152
      20 変色点滅LEDランタン  152
      21 両端クリップ付きリード線  152

          商品説明

          STEM教育の潮流に、画期的な「電磁気」実験の革新で対応する!!!

          本書の概要

          「STEM教育」の時代変化の大きな潮流こそ、これまでの理科を見直し革新するための好機。その見直しの核心は、難儀な題材の「電磁気」。これをシンプルな手づくりの実験器具の制作作業で、楽しく安全に誰にでも鮮やかな観察実験する。それらはSTEM教育のメインになるにちがいない。本書の最大のねらいは、これに画期的な取り組みを促進することである。

          本書からわかること

          本書では、巻線機のハンドル回しをハミングで楽しみながら実践し、その先にある知的好奇心を促進させるための数々のヒントを紹介している。理論と実践を繋ぐ支柱になっているのは、国内外で多くの実践を重ねてきたOsumi Educational Support Institute(OES 研究所)の巻線機である。この教材にインスピレーションが沸き上がった読者には、教材入手方法等も紹介しているので、まさに「STEM教育を目指す理科」を体感することができるだろう。

          STEM 教育とは断片的な概念を紡ぎながら新しい概念を生成し、疑問が解決されるとともに、新たな疑問が生起されるものであり、自学を含めた継続的学習により高い総合的概念を獲得できる教育といえる。本書に記載した数々のヒントは、STEM 教育に関心のある読者にとって、大変有益な情報になるはずである。

          この本にどんなことが書かれているか

          「理科の実験は、自分で料理を楽しむことに似ている。」
          本書はSTEM 教育を目指す理科の考え方に基づく実験事例をまとめたものである。楽しく、かつ、その先の知的好奇心を促進させる「電磁気」実験をサポートするために、乾電池とハンドダイナモの電源を見直すことからはじめている。本書を読んだ後には、料理にも似た実験の楽しみ方が実感できるだろう。

          商品の仕様

          • 読者対象: 小学校教員
          • 出版年月: 2023年4月17日
          • ページ数: 168

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