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商品説明
基礎・基本から最先端の取り組みまで授業づくりについて幅広く理解することができ、日々の授業はもちろん、年間指導計画の作成にも役立つ内容となっています。学習指導要領や各種通知などのタイムリーな話題も、実践レベルで解説!教職員必携の雑誌です。
本書からわかること
本誌は年間を通じて、特別支援教育における「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指し、特集を組んできました。本号では、5年後、10年後の教育の未来を見据え、これからの授業や教育課程にどう取り組んでいくかについて「ウェルビーイング(Well-being)」の視点から考えていくこととしました。
令和5年3月8日に、中央教育審議会が答申した今期の教育振興基本計画では「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」がコンセプトに掲げられました。ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的によい状態にあることであり、短期的な幸福のみならず、 生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念です。
ウェルビーイングは、多様な個人それぞれが幸せや生きがいを感じるとともに、地域や社会が幸せや豊かさを感じられる教育の在り方が第一に挙げられています。また、幸福感、学校や地域でのつながり、利他性、協働性、自己肯定感、自己実現等が含まれているといえます。社会の中で、豊かに生きることともいえます。
2015年のOECDの「PISA 調査国際結果報告書」では、ウェルビーイングを「生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、認知的、社会的、身体的な働き(functioning)と潜在能力(capabilities)である」と定義され、2019年の「学びの羅針盤2030」においては「個人と社会のウェルビーイングは『私たちが望む未来』」としています。また、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」答申(R3文部科学省)や、令和4年中教審答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」、そして令和5年6月のG7教育相会合で採択した共同宣言においても、「ウェルビーイング(真の幸せ)」が盛り込まれており、児童生徒、教員共にウェルビーイングを考えることは未来の教育を語る上で大変重要な視点です。
今まで培ってきた特別支援教育をウェルビーイングの視点で捉え直すことで、そのよさや可能性を一歩深く考えられます。豊かな学びを享受し、社会につながりながら、心身が幸せに満たされます。今までもこれからも特別支援教育は、ウェルビーイングな授業や教育 課程が実現されることが期待されています。予測困難なこの世界を一つずつ乗り越えてきた私たちに、新たな可能性が大きく広がっています。
そこで本特集は、これからの授業や教育課程で「ウェルビーイング」な特別支援教育とはどのようなものかを考えていきます。
論説ではウェルビーイングの向上が国際的にも、また日本社会においても位置付けられた経緯についてお話いただきます。
実践では、教員の日々の授業から児童生徒のウェルビーイングについて、管理職の学校づくりから、教育行政の立場から、当事者の方から、特別支援教育の未来を様々な立場の方から語っていただく機会としました。
また、その実践を基に、解説をしながらお二人に対談していただくことで、新たな可能性を考え、未来の特別支援教育につなげていきたいと考えています。