ちいさな天使のものがたり
『ちいさな天使のものがたり』とは?
長崎の薬店で働きながら、上司(満行さん)と子宝カウンセラーとして不妊に悩む夫婦のサポートなどをしている著者によって生み出された絵本。
— 流産や死産、やむをえない事情で、お腹に宿した子どもを亡くした女性の悲しみは深い。自分を責め、一生癒えることのない心の傷を負う。 —
しかし、短い時間でも、共に過ごした幸せな記憶はまた宝物でもある。悲しみを受け入れながら、また、その記憶とともに希望をもって歩き出してほしい。
本書は、そのような著者の願いのもと、悲しみに寄り添い、癒しと希望を与える物語である。
もともとは知り合いの女性が悲しみに暮れる様子を知り、言葉だけでは届かない、寄り添う気持ちを物語として綴ったものだが、紙に印刷し店頭に並べるなどしているうちに、口コミで評判が伝わり、2016年12月、自費出版として刊行することになった。
こちらも、SNSなどを中心に広がり、地元の新聞やテレビ番組などでも取り上げられたことにより注文が殺到。1月中に完売し、2月に早くも重版している。
そして今回、東洋館出版社から改訂新版として、全国販売されることとなった。
空の上にいた天使が、人間の子どもとなることを望み、「お母さん」を探す。
空から探し続け、やがてある女性を選ぶが、神さまに「その『お母さん』とは長くは一緒にいられない」と諭される。
それでも、その女性こそ、自分の「お母さん」になってもらいたい人だと信じた天使は、運命を受け入れ、お母さんのお腹に宿り、幸せな時を過ごす。
しかしやがて、約束の時がきて、天使はまた空に帰っていく・・・。
著者紹介
かわかみ せいじ
子宝カウンセラー/医薬品登録販売者
本業は医薬品の販売者。絵本作家ではないが、SNS等では詩やエッセーを発信しており、隠れキリシタンだったという先祖から受け継いだ宗教観や、幼い頃に姉や父を失い「天国や命、生と死を常に身近に感じながら生きてきた」という人生観によって生みだされる、あたたかで純粋な世界観に癒されている読者は多い。
— 赤ちゃんを亡くすという、女性にとって究極の悲しみには、どんなに言葉を尽くしても、気持ちが届かないと思ったんです。だからこそ、この物語はみんなにとって必要な、天使からのメッセージなのかなと・・・—
画家紹介
としくら えみ
画家/書家/芸術療法士
この物語を読んだとき、天使のイメージが自然に浮かび、アトリエで集中して描いたという。輪郭を描かない、パステルで表現されたこの世界観が、ちいさな天使に命を吹き込んだ。
— 東日本大震災後、喪失感に苦しみました。泣いてばかりの日々がありました。この絵を描きながら、当時の自分の悲しみに再度向き合い、寄り添ってくれた方々への感謝の気持ちを感じていました。そして、一色一色、思いを重ねていると、その中から温かい光とともに天使が生まれてきました。—