新しい算数研究2023年10月号

    新しい算数研究2023年10月号

      ISBN: 4910015471039

      新算数教育研究会/編

      $8.00

      目次

      年間共通テーマ
      数学的な見方・考え方を問う

      第1特集
      測定領域における
      数学的な見方・考え方とその成長とは?

      論説1
      量の概念を理解し,
      その大きさの比べ方を見いだすこと
      布川 和彦 4

      論説2
      目的に応じた単位で量の大きさを
      的確に表現したり比べたりすること
      ―2年生「長さ」の単元に焦点を当てて―
      早川 健 10

      論説3
      単位の関係を統合的に考察すること
      両角 達男 16

      論説4
      測定の方法を日常生活に生かす力と
      数学的な見方・考え方の成長
      椎名 美穂子 22

      今月の話題
      待ちに待った対面開催!
      算数の授業づくりについて語り合いませんか./細水 保宏 1

      算数好きを育てる
      算数好きを育てる単元計画づくり/高岡 顕慎 28

      算数歳時記
      食欲の秋には給食室の算数を-10月-/萩原 直樹​ 30

      子どもの考えは,びっくり! ドッキリ! 宝箱☆
      椅子の数が増えると,変わるものは?/桑原 俊和 32

      算数教育の情報最前線
      下学年において割合の素地を育てる授業づくりの視点
      第3学年「一万より大きい数」を事例として/加藤 久恵 34

      第2特集

      解説
      「C領域」において重視する過程と,その過程における見方・考え方の成長とは
      石井 直樹・関口 泰広 38

      実践事例①
      単位をつくり,活用できるようにする測定の
      プロセスを充実した指導

      1年
      単位をつくり,活用できるようにする測定のプロセスを充実した指導
      ―第1学年「歴史の追体験をベースに子どもの関心と必要感が牽引する授業づくり」― 
      鈴木 純 40

      2年
      任意単位から普遍単位への過程を重視
      ―第2学年 「水のかさ」―
      尾崎 珠巳​​ 44

      2年
      子どもの「そのまま」を大切にした単位の授業
      ―第2学年の長さの授業を通して―
      三鷹支部一同​​ 48

      3年
      単位を自ら設定し,量を数で比較する活動を重視した授業
      ―第3学年「重さの単位と測定」の学習を通して―
      小野 洋輔 52

      実践事例②
      下学年における割合の見方を培う指導

      1年
      任意単位を用いた測定を通して,割合の素地を育てる
      ―第1学年「長さ比べ」を例に―
      沖野谷 英貞 56

      2年
      下学年における割合の見方を培う指導
      ―第2学年「基準の取り直しによる工夫した長さの測定」―
      成澤 結香里 60

      3年
      低学年で取り組む割合の見方を培う指導
      ―目に見えないものを測定する指導―
      松瀬 仁 64

      第33回 新算研・教育研究賞〔募集要項〕 36
      令和5年度 新算数教育研究会 小学校算数教育全国(東京)大会のご案内 68
      第47回セミナーのご案内 70
      *次号予告・編集後記/関口 泰広 72

      今月は,「C 測定」領域についての研究だワン!
      読書の秋・スポーツの秋・食欲の秋……算数の秋だワン!!

          商品説明

          特集:測定領域における数学的な見方・考え方とその成長とは

          令和5年も10月をむかえ,徐々に暑さも和らぎ,「秋」が感じられるようになりました.商業施設等では,早くも年末を感じさせる見出しやポップが現れ,冬を待たずして,一年もあと少しかといった気持ちにさせられます.ここまでの学校生活を振り返ると,1月~5月まではコロナ禍による制限があり,まだまだ3密回避のための対策が必須でした.しかし,感染症法上の位置付けが5類に引き下げられて以降はすっかり一変し,今では行事や外部との交流活動もコロナ禍前におおよそ戻り,保護者や一般の方の来客など,学校を公開する機会も増えてきています.マスクの着用も緩和され,多くの児童や教員の表情が見られるようになりました.表情を見ながら,遊んだり会話したりできるようになったことによって,児童同士,児童と教員,教員同士などの,心の距離が大分縮まっているように感じます.

          授業においても,グループやペアなどで対話する活動や教材・教具の共有における制限等がなくなり,単純にできる活動が増えたことはもちろん,前述のとおり,児童が表情で授業に対する熱意や喜びを(一方で不安や意欲の低下も…)表現できるようになり,教員もそれをキャッチしやすくなり指導や支援に役立てることができています.これを機に,現行の学習指導要領や答申が示す新しい時代の学習の在り方の実現に向けて,本腰を入れて動き出すことができそうです.

          さて,本誌10月号では,「『C測定』領域における数学的な見方・考え方」に焦点化し,ここで大切にしたい数学的な見方・考え方,その成長の具現化について,特集しています.現行の小学校学習指導要領解説算数編では,「C測定」領域で働かせる数学的な見方・考え方と,見方・考え方に着目して整理した内容について次のようにまとめられています.

          【数学的な見方・考え方】

          「身の回りにあるものの特徴などに着目して捉え,根拠を基に筋道を立てて考えたり,統合的・発展的に考えたりすること」

          【見方・考え方に着目して整理した内容】

          ① 量の概念を理解し,その大きさの比べ方を見いだすこと

           ② 目的に応じた単位で量の大きさを的確に表現したり比べたりすること

           ③ 単位の関係を統合的に考察すること

           ④ 量とその測定の方法を日常生活に生かすこと

          論説では,上記の四つの内容を切り口に,数学的な見方・考え方を明らかにし,子どもが数学的な見方・考え方を働かせる数学的活動の実現について論じていただきました.

          また,第2特集では,「単位」を核としながら,下学年における測定のプロセスを充実する視点と,「C測定」領域における「割合の見方」の育成の視点の2点から,数学的な見方・考え方の成長を捉え,測定のプロセスの中で,「単位」が重要な役割を果たすことを,実践を通して提案していただきました.

          コロナ禍によって与えられた影響を領域別に考えたときに,間違いなくこの「C測定」領域への影響が大きかったといえます.地域や学校によっては,限られた時間と限られた教具の中で順番に行い,十分な測定活動が経験できていなかったり,オンライン学習等でそもそも経験していない児童がいたりすることも想定されます.「前の学年で学習しているはずだから」「習っているのだから」と安易に捉えて,「できるだろう」と,先へと進むのではなく,児童の資質・能力を見極めながら,必要に応じて再度,測定する活動を設けることも視野にいれなくてはなりません.十分に素材に触れ,量の特徴や大きさを実感し,児童の見方・考え方の成長を促したり,量についての感覚を豊かにしたりすることで,ゆくゆくは「C変化と関係」領域はもちろん,他領域の学習にもよい影響,好循環をもたらすのではないでしょうか.多くの児童は,測定する活動に意欲的です.様々な量を扱いながら何度も測定したり,単位を変えて試したりする過程を存分に楽しんでもらいたいものです.

          本誌を通して,数学的な見方・考え方が読者の皆様の中で少しでも明らかになり,子ども一人一人が成長を感じ,希望に満ちて学ぶ授業の実現の一助となれば幸いです.

          商品の仕様

          • 読者対象: 小学校教員・中学校教員・大学教員
          • 出版年月: 2023年9月28日

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