新しい算数研究2025年8月号
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商品説明
特集:算数科における学習内容の重点化
さて, 8月号は,「算数科における学習内容の重点化」をテーマとして編纂しています。
次期学習指導要領を巡る検討の中で話題になっているのが,「カリキュラム・オーバーロード」です.すべての学習内容を網羅的に扱うことの限界がいわれています.また,それを乗り越えるための方策として,ビッグアイデア(中核的な概念や方略)を中心にした内容の重点化,構造化が不可⽋であるともいわれています.
既刊の4・6月号では, 現行指導要領をもとに,現在の単元や学年を超えて指導者がその関連を意識した指導を展開することの必要性や,子供の視点からみた算数の困難性について論説と実践報告がされてきました.8月号では,これまでの検討を一歩進め,数学ならではの内容(単位の考えや十進位取り記数法などの原理原則等)を位置付けて,単元に関わる内容同士の関係をさらに深く捉えていくこと,そしてそれをベースに,資質・能力の効果的な育成に向けたより具体的な単元の在り方について実践を通して迫っていくことを目指しました.
事前検討会,授業実践,事後協議会という流れで,実際の授業を通して行われた論議では様々な意見が聞かれました.「重点化とは単に効率を求めて何かを削ることではない」「単なる時数を減らすことを指しているのではない」「ある学年のある内容を重点化することで,学年を超えてその後の学びが充実する」「単元のまとまりの中で,一つの内容に重点化することによって単元の後半や単元内のまとまりとしての学びが容易になる」「重点化と構造化はどのような関係か」などです.本誌を通して,先生方に様々な投げかけができたのではないかと思います.みなさんは,どのようにお考えになるでしょうか.みなさんから,多くのご意見をいただければと考えます.