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「Which型課題」の国語授業 - 東洋館出版社
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「Which型課題」の国語授業

タイプ: 書籍
ISBN: 9784491035864

桂 聖/編著

セール価格 2,200(税込)
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商品説明

「なぜ?」「どのように?」は答えにくい。でも、「どっち?」なら全員参加できる!

「主人公はどうして、こんなことをしたのでしょう?」
「このとき登場人物は、どんなことを思ったのでしょう? 今日はそれを考えましょう」

これは、日本中の国語授業で広く行われている、オーソドックスな学習課題の提示例です。ここには1つ問題があります。それは、「これらの発問によって、学習が停滞する子どもがクラスにいるかもしれない」ということです。

「なぜ?」(Why)や「どのように?」(How)という発問は、行動の理由、心情の推測などの読み取りを求めるものです。さらには、開かれた問いであるために、子どもたちは抽象的に考え、自分でその答えを探してこないといけません。
これは、国語が得意でない子どもにとってはハードルが高く、どう考えればいいのか、なにを答えればいいのか、学習に参加できない場合が出てきてしまうのです。

「主人公は、どうしてこんなことをしたのでしょう?」という問いに答えるのは、確かに難しいかもしれません。でも、「こんなことをしたきっかけは、次の3つの場面のうちどれだと思う?」という問いであれば、その中から選択・判断すればよいことなので、子どもにとって答えやすくなります。

同時に、「この場面がきっかけだとすると…」と着目させることで、主人公の行動の流れとその理由を考える、大きな手がかりになります。選択肢をつくることは、なぜその場面がきっかけなのかを考え、話し合うことにつながります。その結果、考えさせたかった「どうして」という行動の理由にも、より取り組みやすくなるのです。
選択肢をつくって選ばせる活動を通じて、全ての学習者が学びの第一歩を踏み出せるようにする。それが、本書の提案する「Which型課題」でつくる国語授業です。

10のバリエーションで、目の前の子に応じて使いこなせる

本書では「Which型課題」として、「A・B、どっち?」「A~Dのうち、どれ?」「順番に並べると、どうなる?」といった、子どもが選択肢の中から選べる学習課題を、構造的に提案しています。これは文学だけでなく、説明文にも当てはまります。
そのうえで、この「Which型学習課題」を10のバリエーションで整理しています。これらは教材や次時、ねらいに応じて使い分けることが可能です。

① ◯◯は、A? B?
② ◯◯は、A〜C(三つ以上)のうちどれ?
③ ◯◯として適切なのは、A? B?
④ ◯◯はA? それともnot A?
⑤ 一番◯◯なのは、A〜Cのうちどれ?
⑥ もしも◯◯だったら、A〜Cのうちどれ?
⑦ もしも◯◯の順位をつけるなら、その順番は?
⑧ もしも◯◯を目盛りに表すなら、いくつになる?
⑨ ◯◯はいる? いらない?
⑩ いい文章? よくない文章?

これらのバリエーションは同時に、子どもたちの読む力のレベルに応じて用いることも可能です。読む力のレベルと、選択肢をつくる「Which型課題」のバリエーションを整理すると、以下のようになります。

書かれた内容を確認するレベルであれば、「A~Cのどれ?」と問うやり方は有効でしょう。あるいは、内容についての解釈を問うレベルであれば、「一番○○だと思うのは、A~Cのうちどれ?」と問うやり方も、学びにつながります。このように、具体的な子どもの姿に応じた学習課題の提示を重視している点も、本書の大きな特徴です。

「Which型課題」で授業はこう変わる!

「Which型課題」によって、実際の授業にどのような変化がもたらされるのでしょうか。
「Which型課題」を生かした実践の具体例として、第1章では筑波大学附属小学校教諭・桂聖氏の1時間の授業をフルカラーで掲載しています。

教材「アップとルーズで伝える」(光村図書)における、4年生の「Which型課題」での授業の様子がよくわかります。下部にまとまっている授業者を含めた6名の教員による分析では、授業の勘所やポイントを解説しています。この実践例を通して「Which型課題」の授業づくりの実際が、子どもたちの息づかいや反応まで再現されて読み取ることができます。

さらに第3章では、「Which型課題」の授業展開例を、36の定番教材で紹介しています。

授業の導入となる「①課題意識の醸成」、選んで思考を広げる「②「Which型課題」の設定」、広がった思考を方向づける「③考えのゆさぶり」、ねらいに到達する「④学習のまとめ」という、1時間の授業展開を位置づけたうえで、その具体を板書、子どもとのやりとり、活動からわかりやすく解説しています。