はじめに
Ⅰ 「言葉による見方・考え方」とは
1「見方・考え方」とは
⑴「見方・考え方」とは?
(2)「見方・考え方」を視覚化すると
(3)「言葉による見方・考え方」を視覚化すると
2 「見方・考え方」を育てる基本的な授業展開
(1)「見方・考え方」の示し方
(2)「見方・考え方」を育てる授業展開7原則
Ⅱ 「見方」を広げる授業づくり
1 「見方」の二つの意味合い
(1)何を見るか
(2)どこから見るか
2 見方のヒントは〔知識及び技能〕にあり
(1)「語彙」に「言葉の意味」につながる要素がいっぱい
(2)「文や文章」に「言葉のはたらき」につながる要素がいっぱい
(3)〔思考力,判断力,表現力等〕にも「見方」はたくさん埋め込まれている
3 各領域で働かせる代表的な見方
(1)「読むこと」…文学的文章
(2)「読むこと」…説明的文章
(3)「話すこと・聞くこと」「書くこと」
4 「見方」を育てる授業づくり
●オノマトペに目を付ける 教材:「三年とうげ」(三年)
●五感を使って俳句を読む 教材:「俳句を楽しもう」(中学年)
●接続語、具体と抽象の関係に目を付ける 教材:「ありの行列」(三年)
●観点に沿って具体を見付ける 教材:「あったらいいな,こんなもの」(二年)
●立場を基に対象をみる 教材:「未来がよりよくあるために」(六年)
●中心に何が書かれているか見付ける 教材:「立冬」(三年)(書写)
Ⅲ 「考え方」を活用する授業づくり
1 国語の授業で育てる「考え方」
2 「考え方」を育てる授業づくり
読むこと:文学的文章―八つの考え方を働かせる
●A 反復表現に着目し、比較する 教材:「わらぐつの中の神様」(五年)
●B 反復表現の周辺に着目し、比較する 教材:「くじらぐも」(一年)
●C 変化する反復表現に着目し、比較する 教材:「ごんぎつね」(四年)
●D 見方に沿った仮定法① 着目する言葉を別の言葉に言い換えて比較する 教材:「スイミー」(二年)
●E 見方に沿った仮定法② 着目する言葉を抜き取って比較する 教材:「白いぼうし」(四年)
●F 自分の経験に照らし合わせ比較する 教材:「モチモチの木」(三年)
●G 言葉の意味に着目し、当てはめる 教材:「ちいちゃんのかげおくり」(三年)
●H 自分の価値観・道徳観に照らし合わせる 教材:「大造じいさんとガン」(五年)
読むこと:説明的文章―発達段階に応じた「考え方」を働かせる
●時間を規準に順序付けする 教材:「たんぽぽのちえ」(二年)
●見方に沿って分類する 教材:「こまを楽しむ」(三年)
●具体と抽象で関係付ける 教材:「生き物はつながりの中に」(六年)
書くこと:発達段階に応じた「考え方」を働かせる
●比較して、説明する順序を決める 教材:「かんさつ名人になろう」(二年)
●因果関係を明確にした文章をつくる 教材:「遠足を冒険物語にしよう」(三年)
●集めた情報を分類する 教材:「ことわざについて調べよう」(三年)
●具体と抽象の関係で対象を関係付ける 教材:「考えを明確にして提案書をつくろう」(五年)
話すこと・聞くこと:発達段階に応じた「考え方」を働かせる
●順序を考えて話す 教材:「ともこさんはどこかな」(二年)
●分類し、共通点と相違点をはっきりさせ比較する 教材:「進行を考えながら話し合う」(三年)
●変化の原因を聞いて、自分と比べる 教材:「きいて、きいて、きいてみよう」(五年)
3 他にもあります 働かせてみたい考え方
●帰納的に考える 教材:「わらぐつの中の神様」(五年)
●問題解決型思考を使う 教材:「気になる記号」(三年)
●反論―再反論を考える 教材:「未来がよりよくあるために」(六年)
Ⅳ 多様な「見方・考え方」を働かせる授業・単元づくり
1 「読むこと」(文学的文章)の授業・単元で
2 「話すこと・聞くこと」「書くこと」の授業・単元で
3 多様な「見方・考え方」を育てる単元・年間授業プラン
●シリーズ本から多様な考え方を知る単元プラン 教材:「海のいのち」(六年)
●毎時間、新たな考え方を身に付ける単元プラン 教材:「ごんぎつね」(四年)
●考え方を身に付ける一年間の単元プラン
教材:「こまを楽しむ」「すがたをかえる大豆」「ありの行列」(三年)
●複数の見方で追究する一年間の授業プラン
教材:「閑かさや 岩にしみ入る蝉の声」、「古池や 蛙とびこむ 水の音」(中学年以上)
●多様な考え方を働かせる(読むこと)一時間の授業プラン 教材:「わらぐつの中の神様」(五年)
4 多様な「見方・考え方」を育てるためのかんたん言語活動
●立場を変えて、物語を書き替える 教材:「なまえつけてよ」(五年)
●説明文の段落の順序を考える 教材:「すがたをかえる大豆」(三年)
●説明文を納得度で読む 教材:「笑うから楽しい」(六年)
●叙述を根拠に、俳句の世界を楽しむ 教材:「俳句を楽しもう」(三年))
Ⅴ 多様な見方・考え方を育てる教室づくり
●係の連絡に自分の言葉を加えよう
●放送のときに、「ちょい足しアナウンス」をしよう
●相手の気持ちや様子を想像しよう
●いろいろな「わけ」があることを知る
●一つの考えが他にも応用できないか考える
●意見を考えたら、見方を変えて、もう一度考える
●何を言いたいのか、想像する