小学校家庭科 資質・能力を育む学習指導と評価の工夫
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商品説明
「家庭科=実技教科」?
「家庭科の授業」といえば、何を思い出しますか?
調理実習で野菜炒めやみそ汁を作ったこと。
バッグやエプロンを作るためにミシンを使ったこと。
あるいは、清掃の仕方を学んだり、低学年の子供たちと交流したりしたことが挙がるかもしれません。
いずれにしても、なんらかの実習が印象に残っているという人が多いのではないでしょうか。
カレーライスの作り方
ところで、調理実習でカレーライスを作るためには何が必要でしょうか?
もちろん、まずは材料や用具が必要ですね。
それ以外にも、手順に関する知識がなければ作ることができません。
また、野菜や肉を切ったり、いためたり、煮込んだりする技能も必要です。
知識と技能があれば、取りあえずはカレーを完成させることができそうです。
カレーライスの作り方・その2
しかし、実は、まだまだ必要なものがあります。
食べるものを作るのですから、清潔・衛生面への配慮が必要です。
包丁やガスこんろ(あるいはIHクッキングヒーター)を使うでしょうから、安全にも気を付けなければなりません。
更に、「何人分作るのか」「どれくらいの時間をかけて作るのか」「食べきれなかった分はどうするのか」といった計画性も考慮に入れなければなりません。
……「カレーライスを作る」ためには、単純に「作り方を知っている」「作る技能がある」ということだけでは不十分なようです。
カレーライスから広がる学び
「カレーライスを作って食べる」だけで終わらせるのは、少しもったいないような気がします。
・材料はスーパーマーケットで買いましたか? それとも商店街で?
・国産のものと輸入品、どちらを買いましたか? 値段も気になりますね。
・1~2人で食べる場合、材料から買って作るよりは、レトルトのほうが便利で安価なのでは?
・環境に負荷をかけないごみの処理方法は?
・できあがったカレーライスは、あえて暑い部屋で食べますか? あるいは、クーラーの効いた部屋で?
・誰かと一緒に食べるとしたら、おしゃべりをしながら食べますか? あるいは黙って?
・食べ終わったお皿は、どのように洗うと汚れがきれいに落ちますか?
・更においしいカレーを作るためには?
……これらはいずれも、カレーライスを調理する単元の中で考えることができる課題です。
もちろん、当該の単元の中だけで全てを学習することは難しいかもしれません。
しかし、家庭科の学習全体を通して身に付けた「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」を活用することで解決し、実生活の中にも生かすことができるようになります。
「何を」だけでなく、「どのように」も
実習を伴う学習では、「○○を作った」「○○をした」という「何を」学んだかということに視点が集まりがちです。
しかし、「何を」の学びだけだと、「カレーを作れるようになった」「おいしかった」「楽しかった」という感想だけしか残らないかもしれません。
「どのように」学んだか、そして「何が身に付いたか」を子供自身が認識できる学びにすることで、他の調理や片付けの仕方、消費生活や環境への配慮などにも進んで学びを広げていくようになるのではないでしょうか。
家庭科の学習指導と評価の一体化
それでは、新学習指導要領における家庭科の学習とその評価はどうあるべきなのでしょうか?
このたび、前文部科学省教科調査官の筒井恭子先生を編著者に、その疑問を解明する1冊をご執筆いただきました。
筒井恭子編著『小学校家庭科 資質・能力を育む五学習指導と評価の工夫』
■主要目次
Ⅰ 家庭科の学習を通して「何ができるようになるのか」「何を学ぶのか」
Ⅱ 家庭科を「どのように学ぶのか」
Ⅲ 家庭科の学習を通して「何が身に付いたのか」
Ⅳ 授業づくりモデルプラン15
A 家族・家庭生活:「はじめよう 家庭科」他5事例
B 衣食住の生活:「ゆでておいしく食べよう マイ温野菜サラダ」他8事例
C 消費生活・環境:「『ひな祭りパーティー』の買物をしよう」他2事例
生活をよりよくしようとする子供の育成のために、ぜひご活用ください。