宗實直樹の社会科授業デザイン
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商品説明
■社会科教育のニューリーダー・宗實直樹(むねざね・なおき)
渾身の1冊がついに誕生!
日本授業UD学会などで社会科の実践を発信し続け、今もっとも勢いのある著者。
これからの社会科授業を牽引する宗實直樹の「社会科の授業デザイン」をひとつひとつ丁寧に解説する!
本書のポイント①イラストと図解で「難易度の高い」ことをわかりやすく解説!
概念的知識の獲得、「見方・考え方」、追究の視点、問題解決的な授業、
単元計画、問いの構想、資料の提示、ふり返り、“つながり”のある授業、
比較を用いた授業、素材探し、教材化…
社会科授業で外せない基本的な項目を、イラストと図解で丁寧に解説しています。
特に学習指導要領の重要項目を過去に遡って比べたり、具体的に提示して説明しているので、
読みやすく、学びやすい本の構成となっています。
ポイント②「比較」する社会科授業
本書では、「概念的知識」を獲得するためには「比較」の視点が非常に有効であると提案しています。
「比較」で得られる概念は、子どもたちの一生ものの力として役に立つものと捉えています。
比較することで、ものごとの類似点と相違点が見つかり、一般的なものと個別的なものに分けることができます。
ものごとの本質を理解し、認識をより深めるために「比較」は有効な思考法であります。
第3章で「比較」を通じた授業展開について解説していきます。
(例)5年生「環境を守るわたしたち」
琵琶湖では、工場排水や生活排水が原因で1977年に大規模な赤潮が発生します。琵琶湖を守るために主婦層を中心に活動が拡がりました。琵琶湖を汚す合成洗剤を使わないように呼びかける活動「石けん運動」です。熱心な活動の結果、琵琶湖の水質は改善され、様々な環境保護活動が広がりました。それらの事実を捉えさせます。「悪化した環境を改善・保全するための取り組みが人々の努力や協力のもと進められている」という概念的知識を獲得することができます。琵琶湖の環境が改善され、環境保護活動が様々な形で展開されていることを学習するときに「これって琵琶湖だけが特別なのですよね?」とゆさぶります。「いや、そんなことない。教科書に似ていることが載っています」と子どもたちは気づきます。そして、教科書に掲載されている京都の鴨川の事例を見るのです。「昔きれいだった川が汚れる→どうにかしなければいけないと人々が立ち上がる→改善される→環境を守り続ける活動を続ける」と、琵琶湖の事例と活動の流れは同じなのだと気づきます。そこで、琵琶湖で活躍した藤井さんと、教科書に出てくる鴨川で活躍した杉江さんが会話をするとどのような会話になるのか考えさせます。同じ想いをもった二人を比較させ、二人の対話を考えさせることで、環境に対して取り組む人々の思いや願いを深めることができます