算数授業研究 132号
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商品説明
コロナ禍で見えてきた「算数授業づくり」の考え20
新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言の発令から,我々の日常生活は大きく変わってしまった。それは突然臨時休校となった学校現場も例外ではない。休校中の家庭学習への対応が急遽必要となり,それまであまり意識してこなかったオンライン授業の可能性を突然検討し始めるような事態となった。教師は慣れない算数指導の動画撮影に挑戦したり,学習課題とするプリント等を作成し,自宅でできることを考えながら四苦八苦しながら対応にあたった。ほとんどのことが初めて体験することばかりであり,まさに暗中模索の状態だったのである。
それから約半年が過ぎた。今も新型コロナウイルスの感染状況や対応策等は特に何も改善されてはいない。しかし,学校を始めとした社会生活の機能が徐々に再開され,人々の生活は少しずつ動き始めた。ただし,それは「新しい生活様式」という名の下でのウィズコロナの生活を意味している。
ところで,小学校の現場では,今年度から新学習指導要領が完全実施となった。しかし,1学期の学校現場は新型コロナウイルス対応で精いっぱいであり,学習指導要領の理念や内容の詳細についてまで考える余裕など全くないような状況だったと言えるだろう。算数科では,主体的・対話的で深い学び,数学的な見方・考え方,数学的活動,数学的に考える資質・能力……等のキーワードが注目され,新学習指導要領の実施前から算数の新しい授業像について研究されてきていたが,これらに向けられていた意識が新型コロナウイルスによって一気に吹き飛んでしまった。しかし,だからと言っていつまでもただ新型コロナウイルスへの対応ばかり意識して教育活動をしている状態でいいはずがない。「新しい生活様式」の中であっても新学習指導要領の理念や目標を実現していくために我々教師は工夫していく必要がある。
ただ,そうは言っても「新しい生活様式」下の学校生活は新型コロナウイルスの流行以前とは大きく変わった。例えば,