子どもと創る「国語の授業」2021年 No.72
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商品説明
〈提起文より〉
特集:ノートで資質・能力を育てる
子どもの学びの充実を考えたとき、ノート指導は欠かせないポイントの一つであろう。子どもには、ノートに自分の考えを自分の言葉で書き込める力をつけたい。また、自分が書き込んだノートを使いながら、仲間と学び合うことができるようにしたい。さらに、後から自分のノートを見直し、その日に授業で学んだことはこのようなことだったと、ふり返ることもできるようにしたい。
ノート指導やノートづくりの大切さは、ずっと言われ続けてきていることだが、実際の授業の場において、教師は子どもに「ノートをつくる力」を付けていないのではないか。
例えば、説明文の内容をより的確にとらえるために、表にまとめて整理するとよい場合がある。AとBを対比して述べているような文章に対してである。ところが授業場面で、教師が表を作成し、その中身を書き込むようなワークシートが使われると、表の中身を書き込むための穴埋めの力(情報の取り出しの力)は育つかもしれないが、もっと大切な「自ら表をつくって整理しようと発想すること」ができる子どもは育たなくなってしまう。育てたいのは、書かれている文章の内容に応じて、自分の考えをノートにまとめようと思考する力である。子どもにとって、ノートそのものが、学びをつくる場になること、そしてノートに残された記録を通して、自分の学びをふり返る場になることだ。ノートづくりが、個々の子どもの資質・能力を育むのだ。
このように考えると、教師のノート指導が、子どもの学びにとって重要な意味をもつ。授業や単元を通して、子どもにどのような資質・能力を育むために、どのようにノートに書かせるか。もちろん、ノート指導には学年の発達段階に応じた手順を踏むことが必要であろう。時間内に必要なことをノートに書き込むためには、ある程度の時間を集中して鉛筆を動かし続けるといった、基礎になる力を育んでいくことも大切になる。
本号では、教師がノート指導、ノートづくりにどのようなこだわりをもち、どのような手順、手立てで子どものノートを育てているか、子どものノートをどのように授業の中で活かしているかを具体的に紹介してもらった。
そして、子どもがノートをつくり上げていくことが、どのような資質・能力の育成につながるのかを考えたい。(青木伸生)