


「はじめに子どもありき」の理念と実践
(税込)
平野 朝久/編著
本書を読んでいると、子ども達の目の輝き、満面の笑顔、やりきった満足感が伝わってきました。
今すぐ子ども達に会いたい。「はじめに子どもありき」の実践をしたいと思わせてくれます。本書はその実践方法を教えてくれます。
当ショップでのご購入ありがとうございます。
本書を活用して実践していただけると嬉しいです!
子どもは能動的学習者であること、教師の仕事はあくまでも子ども自身が伸びていくための支援に過ぎないことなど、教育者にとって大切なことを思い出させ、勇気づけてくれる本です。日常の様々なことで子どものことが見えなくなったり、指導に迷ったときに何度も読み返したくなる貴重な一冊になると思います。
また、著者の理念を実践に移し、子ども一人ひとりを丁寧に見取っている実践者の方々にも感動しました。
当ショップでのご購入ありがとうございます。
実践に感動したとのこと、ありがとうございます!とても説得力がありますよね!
子どものもつ力を信じ、真摯に実践を積まれている方々の思いとそれによる子どもの事実が書かれています。日々、悩みながら授業づくりをしている者にとって、勇気づけられる一冊だと思います。
当ショップでのご購入ありがとうございます。
悩んでいる先生の助けになれば幸いです。
この本にある教育を実践すれば、子どもと教師が幸せになる。子どもは本来能動的学習者であるとの前提に立った実践は、教師としての喜びややりがいを味わうことに繋がるでしょう。
当ショップでのご購入ありがとうございます。
参考にしていただけると嬉しいです。
「はじめに子どもありき」に感動し、今回の理論と実践編を楽しみに待っていました。
揺るがない子ども観を主軸にしながら繰り広げられる実践の数々!それらがまるで車の両輪の如く一体となり説得力をもって心の扉を叩いてきます。能動的学習者として子どもを信頼し、私も、共同探求者として共に学び続けていきたいと思えました。ぜひ多くの方に読んでほしいと思います。
当ショップでのご購入ありがとうございます。
「はじめに子どもありき」の教育理念とした実践をしてこられた方々、学校の実践例はとても説得力がありますよね!
ベストセラー教育書『はじめに子どもありき』の考えに基づく最新の実践集!真の意味で子どもが「主体的に学ぶ」授業の実現へ
「自ら伸びようとする」子どもたちと授業を共につくる
学校教育では、多くの教師が、子どもが主体的に追究し、学ぶことを願い、そのような授業の実現に努力してきました。
一方で、教える対象である子どもが、どのような子どもであるか分かる前から、目標や内容はもちろんのこと、学習する場所や時間、教材等々も細かくことごとく決めてしまい、子どもがそれに合わせる「はじめに教師(の都合)ありき」の授業も、たびたび指摘されてきました。
本書では、1994年に刊行された『はじめに子どもありき』(学芸図書)の考えをアップデートして再掲し、それに基づく9人の教師の最新実践を紹介します。子どもは「自ら伸びようとする」と信じる先生の授業づくり、学級/学校づくりが分かります。
「はじめに子どもありき」とは――教師は何もしないわけでは全くない
「はじめに子どもありき」とは、ただ子どもに全てを任せて、教師は指導や支援する必要がないという考えではありません。教師をはじめとして子どもの育ちにかかわる人たちの果たす役割を見直し、改めて、子どもの主体的な追究と学びの実現への支援をすることが求められます。
そこで重要なのは子どもの事実を「価値判断をせず、共感して、ありのまま、わかろうとする」ことです。
もちろん、教師、特に授業者であるが故にわかることやそうでなければわからないこともあろう。それは大切にしながらも、子どもを共感的に見取るためには、見取る時には、そのような教師性(教師であること)から脱却することが必要である。
教師は、子どもの行動を見て、子どもが言ったことを聴いて、子どもを理解しようとする。しかし、その時にどのような立場で見、聴き、理解しようとしているであろうか。子どもを指導する教師として「こうあるべし」ということに照らして見てはいないであろうか。授業場面だけでなく、子どもを見る時に、あるべき子ども像を傍らに置いて、それに照らして一人ひとりを見てはいないであろうか。授業者であれば、本時でねらいとすることに照らして見てはいないであろうか。そして、それに照らして「そうでないこと」を直ちに「そうであること」へと変えようと指導してはいないであろうか。
授業者であれば、子どもを見取る際には、子どもに寄り添い、子どもと共に追究し、学ぶ一人として、また子どもと共に生き、成長していく一人として見取るようにしたい。それは、担任教師であればこそできることでもある。
(本文より抜粋)
また、学ぶ者の論理とすでに学んでいる教師の論理は異なっています。
図のように子どもの自然な学びの道筋は、しばしば不合理であり、紆余曲折することになります。こうした試行錯誤をとばすように、すでに学んだ者が最短経路で教えていくことは、その子の学びになりません。
このように、子どもが学ぶということを見つめ直し、子どもの真の主体的な学びを提唱したのが「はじめに子どもありき」です。そして、このこうした子どもを信じきって行う教育論は、「指導事項を満たすことができるのか」「理想論ではないか」など批判を受けたことも事実です。
本書には、それでも「自ら伸びようとする」子どもたちの思いを最大に引き出しながら、授業をつくった実践があります。ここでは、物語文を読んでその世界を実際に体験したいと思った子どもたちとともに校庭に出て学びを深めた国語科の実践を紹介します。
授業後に物語の続きを書き始める子どもたちにとっての「本物」の体験と学び
一年生 国語科 物語文『くじらぐも』の授業
本文を一読した後、子どもたちは「本物のくじらぐもに会ってみたい。」「くじらぐものお話みたいにやってみたい。」と願っていた。
そこで、『くじらぐも』の内容と同じように、次の時間に校庭へ出てみることにした。子どもたちは、校庭に出ると体操を始めた。すると、本当に空に大きなくじらが現れた。
「見て!くじらぐもだぁ~!」
「本当だ。すごい、すごい!」
「ねぇ、みんなで『くじらぐも』のお話を読もうよ。」
Aさんが提案すると、子どもたちは、
「うん。いいね。楽しそう。」
と、提案を受け止めて音読をし始めた。教室での音読とは違って、本当に生き生きとした音読だった。私も一緒に読みながら、くじらぐものセリフのところは、私が声色を変えて読んでみた。子どもたちは微笑みながら、音読を続けていった。そして、この『くじらぐも』の話の一番楽しい場面に入った。子どもたちがくじらぐもに飛び乗る場面である。
「みんな、手をつないで丸くなるよ!」
Bさんが、みんなに呼びかけた。子どもたちは、呼応するように手をつないで大きな輪をつくった。
「天まで届け、一、二、三!」
子どもたちがジャンプする度に、くじらぐもの声も大きくしていった。そして、とうとう雲のくじらに乗ることができた。実際に乗っていないが、子どもたちは、十分乗っている気分になっていた。
「くじらぐもは、ジャングルジムの上に、みんなを降ろしました。」
と読み終わると、誰ということもなく一斉にジャングルジムがある方へ走り出した。そして、子どもたちはジャングルジムの上に乗ると、「さようなら。」と言って、雲のくじらに手を振った。ちょうどその時に、本当に四時間目の終わりのチャイムが鳴った。
――
授業を振り返って
その日の昼休み、校庭にくじらぐもを探しに行く子どもたちも多く見られた。また、このことをきっかけに、「『くじらぐも』のお話の続きを考えたい。」と願って、自ら自由帳に物語の続きを書く姿も見られた。
教科学習においても、子どもの思いや願いを大切にすることは、その子どもなりの主体的な学びを大切にすることにもなり、その子どもの学びをより豊かにすることにつながるのであろう。
子どもの学びを考え直す、「能動的学習者」たちと歩んだ9人の実践集です!
読者対象 小学校教員
出版年月
ページ数 376
ISBN 9784491049564
第一部 教育の根底にあるもの
第一章 教育の理念としての「はじめに子どもありき」
第二章 子どもの見取り
第三章 子ども観
第四章 授業観
第五章 授業を創る
第二部 「はじめに子どもありき」 実践編(丸括弧内は主な実践の教科や言及していること)
第一章 内から育つ
(総合的な学習の時間)
第二章 子どもが育つ授業づくり~「はじめに子どもありき」の理念に立つ学習活動の展開~
(総合的な学習の時間 国語 学級経営)
第三章 子どもと共に創る授業の創造~輝く子どもを願って~
(生活 国語 算数 理科)
第四章 「自ら伸びようとする力」によって教科をつなぐ
(生活 体育)
第五章 「はじめに子どもありき」による授業創りから学校創りへ
(総合的な学習の時間 学校経営 教師の意識変容の過程)
第六章 子どもと共に創る授業をめざして
(総合的な学習の時間 生活 国語 教育委員会における実践 学校経営)
第七章 共に創る授業の創造 ~「主体的に追究し、一人一人の力が自ずと発揮される授業」を目指して~
(社会科を中核とした授業)
第八章 子どもと共に歩み続ける授業づくり・学校づくり
(総合的な学習の時間―学級担任として/教頭として)
第九章 「はじめに子どもありき」の理念に根差した授業・学校を目指して~その実践について~
(理科 学校経営 教育委員会における実践 中学校)
平野朝久 (第Ⅰ部、編著者)
東京学芸大学名誉教授
東京都に生まれ、大阪府立大学助手、講師、東京学芸大学講師、助教授、教授、教育実践研究支援センター長、総合教育科学系長を経て、平成28年4月より東京学芸大学名誉教授。『はじめに子どもありき-教育実践の基本-』(学芸図書、東洋館出版社)、『子どもが求め、追究する総合学習』(編著、学芸図書)、『子どもの「学ぶ力」が育つ総合学習』(編著、ぎょうせい)、『続はじめに子どもありき』(編著、学芸図書)ほか。
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