月刊 特別支援教育研究2023年10月号
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商品説明
本特集では、自立活動の指導と知的障害のある児童生徒のための各教科等との関連について考えていきます。
自立活動は、特別支援学校教育要領及び特別支援学校学習指導要領に位置づく領域です。特別支援学校においては、小・中・高等学校等と同様の各教科等に加えて、特に自立活動の領域を設定し、それらを指導することによって、幼児児童生徒の人間としての調和のとれた育成を目指しています。
さらに、知的障害特別支援学校における教育課程では、知的障害のある児童生徒のための各教科等が位置づいており、これを履修することになっています。これらの各教科等の内容の履修については、自立活動の指導を効果的に取り入れながら学習を進めることにより、各教科等において育まれる資質・能力をバランスよく育成していくことが期待されています。
特別支援学校教育要領・学習指導要領解説自立活動編では、知的障害のある児童生徒の状態として「全般的な知的発達の程度や適応行動の状態に比較して、言語、運動、情緒、行動等の特定の分野に、顕著な発達の遅れや特に配慮を必要とする様々な状態が、知的障害に随伴して見られる。そのような障害の状態による困難の改善等を図るためには、自立活動の指導を効果的に行う必要がある」ことが指摘されています。
このことの意味として、知的障害から生じる全般的な発達の遅れに対しては、知的障害のある児童生徒のための各教科等の学習により児童生徒の資質・能力を伸長し、一方、特定の分野に、顕著な発達の遅れや偏りなどに対しては、自立活動の指導により各教科等において育まれる資質・能力を支えていくことと捉えることができます。ここで、発達の遅れや偏りは、児童生徒一人一人が異なるため、必然的に個別の指導計画に基づく指導が前提となります。
このような個別の指導計画に基づく指導の在り方は、中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」(令和3年1月)に示された「個別最適な学び(個に応じた指導)」の考え方と親和性や関連制があると捉えることができます。
そこで、本特集では、令和の日本型学校教育を見据えながら、個別の指導計画に基づいて行われる自立活動と各教科等の学習を通して育まれる資質・能力との関連や、自立活動の時間の指導を行う場合や各教科等を合わせて指導を行う場合の考え方などについて、言及していきます。