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月刊 理科の教育2025年4月号

ISBN: 4910093130453

一般社団法人日本理科教育学会/編

セール価格 880(税込)
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特集:1人1台端末を活用した理科授業-探究的・協働的な学びを目指して-

全国各地の実践から、今後の可能性を探る

 「GIGAスクール構想」の下で、1人1台端末が整備されました。文部科学省の調査によると、2023年度末時点で全国の96.1%の自治体で、1人1台という要件を満たしています。端末の整備がほぼ完了したと言ってよいでしょう。授業での利用頻度も高く、小学校と中学校では 約50%が「ほぼ毎日」端末を活用していると言います。また、家庭での利用も進んでおり、学習の幅が広がっています。さらに、今後爆発的に進むであろう生成AI 技術の急速な発展が、私たちの生活を大きく変えつつあるのが現状です。その活用の有無や様態によって、生産性のみならず創造性にも大きな変化が生まれるのは間違いありません。
 現場の先生方の声に耳を傾けてみましょう。「デジタルツールを使うことで学習が効率的になった」「調べ学習やプレゼンテーションの作成がスムーズに行えるようになった」「子ども主体のペースで学習を進められるようになり、特に苦手な分野や、逆に興味のある分野に時間をかけるようになった」「グループワークやプロジェクトベースで、オンラインツールを使った共同作業がしやすくなった」というポジティブな意見が聞こえてきます。
 その一方で、「端末の操作に慣れるまでに時間がかかる」「ネットワークの不安定さにストレスを感じる」「SNSやゲームなどの誘惑が増え、集中力が低下する」「生成AIを授業で使いたくなるような指導事例がない」というネガティブな意見も根強くあります。さらには、長時間の画面使用による目の疲れや姿勢の悪化という訴えも聞かれます。
まとめると、現在、次の四つの課題が浮き彫りになってきていると言えるでしょう。
・ネットワーク環境の整備
・教員のICTスキル
・利活用の偏り
・家庭での利用
 以前と比較すれば、1人1台端末の利活用が浸透し、子どもの学習環境が向上しているものの、端末の利活用が特定の活動内容に偏ると、学習の幅が狭まってしまう恐れがあります。
そこで本特集では、特に探究的・協働的な学びの場面での1人1台端末の利活用に焦点を当てます。理科では、観察・実験で得られたデータの分析、グループワークでの共同編集ツールの活用、指導内容に特化したシミュレーションの活用、思考を深める場面での生成AIの活用など、様々な利活用が考えられるからです。
 これまでも理科の授業では、実感を伴った観察・実験や、探究の過程を通じた学習活動が重視されてきています。1人1台端末を利活用し、学習活動をさらに活性化させるにはどうすればよいのでしょうか。本特集では、これまでに解決してきた課題、未来への期待や希望を含め、今後の可能性について考えてみたいと思います。

(『理科の教育』編集委員会)