
子どもが思わず動きだす! ソーシャルスキルモンスター
- ポイント/円 還元従来のSSTではなかなか成果が出ないという先生へ
現在、学校現場をはじめとして様々な場所でソーシャルスキルトレーニング(SST)が試みられています。
しかし、従来のSSTは、日々の生活から離れた小集団活動やグループセラピーという形をとることが多く、特別な場では適切な行動ができても普段の生活ではできないことが起きやすいという弱点がありました。
学校現場でも、情緒面に課題があり、SSTをおこなっても自らの行動や思考を制御できずに困っている子供たちがいます。そして、その支援に頭を悩ませている先生方も多くいると思います。
情緒的な課題のある子供たちに問題行動を指摘すると、指摘された内容ではなく指摘されたという事実により腹を立てて感情的になることもよくあります。結果、行動改善のステップになかなか進めず、時間だけが過ぎていく状況に陥ってしまうのです。
問題を外在化(キャラクター化)し、ともにモンスターと闘う
社会性につまずく子どもは、その子自身に問題があるのではありません。事情があって、身についてしまった行動パターン、習慣、思考に問題があるだけなのです。
私たち大人がすべきことは、子どもを叱りつけ、否定することではありません。うまくいかなくなる問題を特定し、それを「外在化」することです。
外在化:問題行動を、主体者である子どもからいったん切り離して捉え直すこと
外在化さえできれば、あとはともに闘うだけです。
モンスターの攻略を通して、問題行動と向き合う
[実際の使用場面]感情の抑制が苦手で、すぐに怒ってしまうAくん
従来の指導
嫌なことがあったとき、すぐに腹を立てるのはよくありません。Aくん、これからは怒りっぽいところを治すようにしましょう。
これでは、怒りっぽいのは「Aくん自身のせい」ということになります。この指導では、Aくんは「自分が悪い」と考え、自己肯定感の低下などマイナスの効果を与えかねません。
ソーシャルスキルモンスターによる指導
おうちの人に注意されたときや、友達に悪口を言われたとき、理由はいろいろあると思いますが、怒りの感情が大きくなり過ぎて、自分ではどうにもできないのは、もしかしたら「おこりんご」の仕業かもしれません。
ちょっとでもいいから、自分の怒りをコントロールできたら、おこりんごは転生して、りんごジュースになります。おこりんごは次生まれ変わるとしたら、絶対にりんご飴になると思っているんです。
「おこりんご」はAくんだけでなくて、他のみんなの中にもいます。これから、どうやったら「おこりんご」が無事、転生できるようになるか、一緒に考えましょう。
「問題行動を起こしてしまうのは、あなたのせいではない」「私もあなたと一緒に、その問題に取り組んでいきたい」というメッセージを、当事者である子供たちに届けることが、私たち大人がまずしなければならないことです。
ユニークなモンスターが35枚! ソーシャルスキルモンスターを使ってみよう
読者対象 小学校教員
出版年月
ページ数 120
ISBN 9784491043326