正解のない「問い」に、納得できる「答え」を見つけられる子どもを育てる
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商品説明
いつの時代も変化に満ち、先行き不透明だからこそ…
私たち教師は、正解のない「問い」に、納得できる「答え」を見つけられる子どもを育てていく必要があるのではないでしょうか?
そのためには、この数十年の間に通用してきた「授業の常識・10の嘘」に正対し、それらを克服することを通して、子どもの「学びの可能性」を広げることが大切です。
本書では、医師とも連携しながら、佐々木昭弘先生(筑波大学附属小学校長)が取り組む「いのちの授業」を例にしながら、子どもたちが「納得解を得る学びとは何か」を明らかにします。
本書の概要
本書は3章構成で、まず第1章では、正解のない「問題」に子どもたちが「答え」を見つけるとはどのようなことなのかを概説します。
続く第2章では、「授業づくり―10の常識の嘘」と題し、これまでは通用してきた考え方、思い込みから子どもの実態とかけ離れてしまっていた方法など、10の常識の嘘を取り上げながら、教師としての新たなマインドセットを行うために必要なことについて述べています。
最終章である第3章では、脳死と臓器移植という「死」と「生」に向き合う「いのちの授業」の実際を紹介します。
本書からわかること
正解のない「問い」とは何か? そうした「問い」に、なぜ正対する必要があるのかがわかる
これから先は先行き不透明な時代が到来すると言われます。しかし、果たしてそうでしょうか?もし、こうした論が正鵠を射ているのだとしたら、かつて「先行き透明な時代」なるものがあったはずです。しかし、そんな時代な存在したことがあったのでしょうか?
幕末の動乱期、帝国主義の時代、敗戦後の復興などは言うに及ばず、どの時代においても見舞われてきた大災害に屈することなく、その時代に生きる人々は、そのつど立ち直ってきたはずです。つまり、私たちの先人たちもまた、先行き不透明な時代のなかで、思考し、葛藤し、試行錯誤しながら道を切り拓いてきたのではないかと思うのです。
このように考えれば、この世の中は「正解のある問い」よりも「正解のない問い」のほうがはるかに多いはずです。すなわち、いつの時代においても、子どもたちに求められるのは、「正解のない問い」に正対し、自分なりの「納得解」を得ることだと言えるのです。そこで本書では、「コミュニケーション能力」「キー・コンピテンシー」「道徳教育」「哲学」といった切り口から、教育現場は何に着眼し、どのような学びをつくっていけばよいかについて述べます。
「授業づくり―10の常識の嘘」がわかる
本書では、以下に挙げる10の常識の嘘を取り上げ、どのようにして、そうした嘘を克服していけばよいかについて紹介します。
[常識の嘘①]むずかしくして深く考えさせることの嘘
[常識の嘘②]子どもの言葉を要約して板書することの嘘
[常識の嘘③]話型指導の嘘
[常識の嘘④]最後まで話を聞く子どもを育てることの嘘
[常識の嘘⑤]丁寧に、繰り返し、ゆっくりと話すことの嘘
[常識の嘘⑥]教えずに考えさせる授業の嘘
[常識の嘘⑦]事実を示し、子どもの考えを変えることの嘘
[常識の嘘⑧]教科書をつかわないで授業することの嘘
[常識の嘘⑨]受信型評価の嘘
[常識の嘘⑩]問題解決学習という名の嘘
「いのち」の大切さを学ぶとはどのようなことかがわかる
本書では、医師とも連携し、理科、保健学習、総合学習、道徳を通じて「脳死」と「臓器移植」を扱った「いのちの授業」を紹介しています。
この授業を行うためには、「死」というものとどう向き合うかについて学べる学習が必要となります。しかし、学習指導要領から逸脱した実践ではありません。学習指導要領に規定する各教科等の「内容」や「内容の取扱い」に基づいて行った実践(配慮事項はあるものの、どの学校においても行える実践)です。
授業で直接的に「死」を扱うのは、(たとえ制度上問題がなかったとしても、心情的に)ためらう気持ちもあるでしょう。しかし(「死」に限らず)教師が心理的抵抗感を覚える対象のなかにこそ、(教育的吟味は欠かせませんが)子どもたちのよりよき成長に資する「学びの可能性」があるのです。
そこで、本書では「いのちの授業とは何か」「どのように実践すればよいか」について紹介します。