新しい算数研究2026年4月号
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商品説明
第1特集:「数と計算」における核となる概念を育む数学的活動
第2特集:子どもから価値ある問いを引き出す算数の授業づくり
新年度が始まりました.本号では,年間テーマ「次期教育課程への提言~豊かな概念の形成を目指す数学的活動の実現~」のもと,総論として「概念」に正面から向き合いました.
現行の学習指導要領が告示されてから,九年が経とうとしています.この間,本誌では「資質・能力」を軸に据え,主体的・対話的で深い学びの実現を目指して授業改善の提案を重ねてきました.そして思考力・判断力・表現力をいかに育てるか,その具体を探る実践は各地で積み上げられてきました.
いま次期教育課程の検討が進む中で,改めて問われているのは,その営みが教科の中核的な概念の形成へと確かにつながっているのかという点です.能力は,内容から切り離されて存在するものではありません.算数の基盤となる概念が,子ども一人一人の中にどのように構築されているのか.その具体を,授業の事実に即して検討する必要があります.
算数科における概念の形成は,単に用語を理解することでも,技能を反復することでもありません.数量や図形,関係といった対象を,子ども自身が行き来し,意味を問い直しながら,自らの中に筋道を立てていく営みです.その過程を支えるのが「数学的活動」です.
活動が形式化し,問題解決の型だけが先行するなら,概念は育ちません.活動は目的ではなく,概念を深めるための手立てです.本号では,その原点に立ち返り,理論と実践の両面から議論を重ねました.
第一特集では,「豊かな概念の形成を目指す数学的活動の実現」を総論として掲げ,理論的整理と授業実践の往還を通して,この課題に迫りました.概念的知識の獲得とは何か,数学的活動はどのように位置付くのかを問い直し, 事前研究・授業実践・事後研究という一連の検討を通して,その具体像を描いています.理念の確認にとどまらず,教室で何を構想し,何を見取るのかという実践的視点から議論を深めました.
第二特集では,実践者による対話を通して,これからの授業づくりにおいて何が本質的なポイントとなるのかを整理しました.問いの立て方,子どもの思考の受け止め方,伴走の在り方といった具体的な論点を掘り下げながら,日々の実践をどのように見直し,どこを改善していくのかという視点を明確にしています.授業づくりの工夫とその改善点を具体的に言葉にすることで,能力ベイスの算数授業を改めて基礎から問い直す出発点としました.今後一年間の特集では,これらの視点をさらに具体化し,実践に即して検討を重ねていきます.
次期教育課程の議論は進んでいます.しかし,どのような基準が示されようとも,教室で概念を育てるのは教師の仕事です.算数という教科の本質を見据え,子どもの思考を丁寧に捉え続けること.その積み重ねこそが,次代への確かな提言になります.本号は,その議論の起点です.この一年間の『新しい算数研究』が,理論と実践を往還しながら,算数授業の本質を粘り強く問い続ける場となることを期待しています.


