道徳授業を変えたい!と思ったときに、まず読む本—「本質」から始めるKTO入門
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商品説明
「子どもが前のめりになる道徳授業をしたい!」「子どもが本気で考えたくなる授業をつくりたい!」、そう思ったときにあなたは何から始めますか?
筑波大学附属小学校の加藤宣行先生は、「自分と目の前の子どもたちにしかできない『本物』の授業」を目指し、日々取り組んでいます。「本物」の授業を目指す中で、「KTO」という一つの拠りどころを確立されました。
「KTO」には、「K(子どもと)T(ともに)O(オリジナルをつくる)」「K(心の)T(扉を)O(オープンにする)」「K(壁を)T(扉にかえて)O(open--開く・拓く)」という思いが込められています。
この理念に共感し、KTOに基づく道徳授業づくりが全国の先生方によって実践されています。個人で、あるいは学校全体で道徳授業の改善に挑戦し、手ごたえをつかまれている方がいらっしゃいます。
その先生方は、KTOの授業観を拠りどころにしながら、目の前の子どもや自身の課題に合わせた取り組みで成果をあげています。
そのように自分なりのオリジナルの授業を確立している公立小学校の6名の先生方と加藤先生とで、「道徳授業を変えたい!」と思ったときに、まず考えたいことや心構えなどを1冊にまとめました。
公立でも私立でも、初任者でもベテランでも味わえる、達成感のある授業!
加藤先生とともに道徳授業改善について考える先生方は、みなさん公立小学校で教員をされています。
豊中市立島田小学校の長岡かの子先生は、10年以上前から道徳授業の研究に励み、加藤先生とは異なるスタイルの授業にも取り組み、そのよさも実感してこられた先生です。
ほかの授業のよさも知りつつ、授業改善を行った長岡先生は、「道徳授業の難しさを改めて知った」と感じ、「子どもたちと一緒に目指しているのは簡単な道徳授業ではなく、難しいけれど面白い道徳授業」だと考えています。
池田市立緑丘小学校では梶原さなえ先生の情熱を起点に、石光政德先生が中心となって、学校全体で道徳授業改善に取り組んでいます。古澤眞未先生、荒崎 愛先生、酒井真依先生(現・池田市立秦野小学校)の3名は、初任者のころからKTO道徳に取り組み、達成感のある授業を試行錯誤しながら実現してきました。
6名に共通していることは、KTOの授業観を拠りどころにしながら、目の前の子どもや自身の課題に合わせた取り組みで成果をあげているという点です。
KTOの授業観=本質から授業改善に取り組み始めたことで、それぞれのスタイルで達成感のある授業を実現できたと言えるでしょう。
その「本質」とは何かに迫るため、本書ではそれぞれの先生方の実践や考え方を紹介し、それぞれの授業に共通する部分を見出せるような構成になっています。
実践から見出す、KTO授業の「本質」
本書の副題は「『本質』から始めるKTO入門」です。
では、そもそもKTO授業の「本質」とはなんでしょうか?
当然のことながら、「本質」とは唯一の正解のない追究し続けていくべき、一言では言い切れないようなものです。
それでも、本書では複数の実践者が実践を持ち寄り、比較して語らうことで、少しでも「本質」に迫ろうと取り組んでいます。
第1章は加藤先生による、「道徳授業3つの押さえどころ」の解説です。
加藤先生が道徳授業で大切にされていることを読者と一緒に考えられる形式で書かれており、3つの押さえどころを踏まえた実践も掲載しています。
加藤先生の実践エピソード
続く、第2章では長岡かの子先生の実践を、第3章では緑丘小学校が学校全体でどのように取り組んだのかという経緯や実践を紹介しています。
長岡先生の実践エピソード
緑丘小・古澤先生の実践エピソード
このような実践やそこから得た手ごたえ、あるいは課題などを率直に語らう座談会で深めていきます。
座談会
座談会の中では、まさに「本質」に迫るような発言が多くなされました。
印象的な発言には、このようなものがありました。
「学校全体で道徳研究に取り組むに当たって、最初にぶつかった壁は子どもの姿の共有」(石光先生)
「KTOの授業は、『こうしたらうまくいく』という特効薬的なものではなくて、そういった授業を目指す中で、変化と変容が生まれるもの」(古澤先生)
「『こうやればいい』という借りものの授業スタイルをやっているうちは、どのスタイルでも『本物』には辿り着かない」(加藤先生)
実践の積み重ねと目の前の子どもの姿に根差す言葉には説得力があります。
これらの発言の真意や具体の実践については本書をぜひご覧ください。
さらに充実の特典動画&特別対談!
加藤先生によるKTO授業の極意をお伝えする特典動画が5種類収録されています。
導入、発問、板書など、KTOの授業観を具体化した授業の在り方について、「およげないりすさん」や「手品師」といった具体的な教材を用いて解説しています。
動画も併せて視聴することで、本書の内容理解が深まること間違いなしです!
ショートバージョンはこちら↓
そのほか、道徳授業から「人としての生き方」や「子どもたちが生きる未来」を考える、多くの著書をもつ思想家・内田樹氏との特別対談も収録。
道徳授業が子どもの生き方にどのようにつながっていくのかを考えさせられる、示唆に富んだ内容になっています。
特別対談
道徳授業を変えたいと思い、これから取り組もうとされている方、すでに取り組まれているものの、行き詰ってしまっている方、手ごたえを感じていて、さらに高みを目指そうとされている方など、道徳授業を考えるすべての先生方と一緒に考えたい内容が詰まっています。
筑波大学附属小学校教諭。筑波大学講師。
東京学芸大学卒業後、スタントマン、スポーツインストラクター、神奈川県公立小学校教諭を経て、現職。
KTO道徳授業研究会主宰、光文書院 道徳科教科書監修、日本道徳基礎教育学会事務局長。
近著に『子どもが考え、議論したくなる学級づくり』(東洋館出版社、2019年)、『この一冊でぜんぶわかる!
考え、議論する道徳に変える発問&板書の鉄則45』(明治図書出版、2018年)他多数。
最新の実践・研究会情報等は、Twitterアカウント@nobrand1960にて随時発信中。