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月刊 理科の教育2024年12月号

ISBN: 4910093131245

一般社団法人日本理科教育学会/編

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特集:「個別最適な学び」を実現する理科授業とは

「全ての子どもたちの可能性を引き出す」授業実践

「個別最適な学び」という言葉が中教審の答申に登場してから4年が経とうとしています。答申では「『個に応じた指導』を学習者の視点から整理した概念」とし、支援が必要な子どもにより重点的に指導を行うなど効果的な指導を実現する「指導の個別化」と、子どもの興味・関心等、一人一人に応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供する「学習の個性化」に分けて説明がなされています。
「個別最適な学び」が、初等中等教育分科会(2020年10月)や中教審答申(2021年1月)で示されたことを契機に、既に本誌では2022年11月号において「個別最適で協働的な理科の学び」と題した特集を組みました。そこでは、ICTを駆使したり、授業の形態を工夫したり、学習カードに趣向を凝らしたりと、校種を問わず様々な「個別最適で協働的な理科の学び」が提案されました。
また、2023年9月に開催された公開編集委員会でも、「理科における個別最適な学びとは」と題して意見交換を行ったところ、学習者が自分のパソコンを手にしたことで実現できることが増えたこと、協働的な学びとセットで語られるべきであることを確認しました。そして、理科では何を「個別最適な学び」とするのか…特に何をもって「最適」とするのかについて熟考すべきだという意見が出されたのです。
例えば、単元の導入時に学習者が磁石を使って自由試行をし、問題を共有し整理した後に、全体では順番を決めず、興味のあるものを個々が選んで解決していく授業などがあります。このように、「個別最適な学び」の実現に向けた挑戦も多く見られるようになりました。学習者が自分の興味に合わせて学習を進めることができるなど、よさはたくさんあります。
また、学習者が個々で学ぶ中で学びの価値に気付いたり、深めたりするために、指導者が個への評価をどのように行うべきかなど、指導案等に示される計画や評価等の在り方に工夫が必要になるでしょう。これまで高めてきた協働的な学びの質を維持することが重要だ という意見もあります。一人一人が学習の主体者として、「最適」な学びを展開できる「個別最適な学び」は、自分の得意不得意に合わせて端末が問題集から問題を自動的にピックアップするような学習とは一線を画すことは言うまでもありません。
本特集では、理科における「個別最適な学び」を実現する授業について考えます。「全ての子どもたちの可能性を引き出す」ために、個別最適な学びと協働的な学びの実現を図ろうとする先生方に向けて、本特集が授業を見つめ直す契機となることを願っています。

(『理科の教育』編集委員会)