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月刊 理科の教育2025年7月号

ISBN: 4910093130750

一般社団法人日本理科教育学会/編

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特集:学習の改善につながる児童生徒による評価

主体的な問題解決・科学的な探究に向けて

学習評価で求められることは、学習と指導の改善と充実を図り、児童生徒の資質・能力の育成を図ることです。評価を「成績」と捉えていることが散見されますが、成績は学習評価における一部であり、すべてではありません。問題解決や科学的な探究の過程での見通しと振り返りにおいて、指導者による評価とともに、学習の主体である児童生徒が自分たちの学習の状況を評価するような学習活動を充実させることが大切です。
2010(平成22)年、中央教育審議会の「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」では、「児童生徒が行う自己評価や相互評価は、児童生徒の学習活動であり、教師が行う評価活動ではないが、児童生徒が自身のよい点や可能性について気付くことを通じ、主体的に学ぶ意欲を高めること等学習の在り方を改善していくことに役立つことから、積極的に取り組んでいくことも重要である」と示されています。現行の学習指導要領解説理科編においては、小学校に「追究の過程では、自分の学習活動を振り返り、意味付けをしたり、身に付けた資質・能力を自覚したりするとともに、再度自然の事物・現象や日常生活を見直し、学習内容を深く理解したり、新しい問題を見いだしたりする」とあり、中学校では、第3学年で主に重視する探究の学習過程の例として「探究の過程を振り返る」ことが位置付けられています。
理科の授業では、問題解決・科学的な探究の過程において、計画の立案や結果の考察、観察、実験の進め方や方法などについて、自分や他者の考えや行動、表現などを批判的(クリティカル)、多面的、総合的に捉えて、妥当な考えや行動にしていくことで学習の 改善を図ります。このような協働的な追究の過程において、児童生徒は学んできた過程、学び方や方法などを振り返ることで、今後の見通しをもつことができるでしょう。
児童生徒が学習の状況を捉えられるようにするための一つの方策として、単元等の計画や学習の状況が一元化されている学習計画表や自己評価表などが考えられます。学習計画表は、単元等の目標や評価規準などを、発達の段階や学年に応じて把握できるような表記が望まれます。自己評価表では、単元等の目標や評価規準に則して、導入時、各過程、終了時の自らの状況を把握できるようにして、見通しや振り返りを促します。
児童生徒が見通しをもち、学習の主体として学べるようにすることで、主体的に学習に取り組む態度の育成や理科の思考力、判断力、表現力等である問題解決の力と科学的に探究する力の育成、理科の知識及び技能の習得や理解の深化が促されるでしょう。
本特集が、児童生徒による評価を学習や指導の改善、理科教育の研究に生かす契機となることを願っています。
(『理科の教育』編集委員会)