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月刊 理科の教育2026年3月号

ISBN: 4912093130365

一般社団法人日本理科教育学会/編

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商品説明

特集:日常生活とつながる理科授業-理科室で完結させない学びの在り方-

理科授業でできる様々な工夫とは

小学校理科では自然事象から見いだした一つ一つの問題に対して予想や仮説を立て、検証計画を立てながら観察・実験を行い、そこから得られた結果を基に考察し、結論を出すという「問題解決の過程」を大切にしています。中学校・高等学校でも、課題の把握において「自然事象に対する気付きや疑問」が大切であり、課題の探究や解決につながっていきます。
日常生活の疑問や体験からスタートしたはずの観察・実験が、結果や考察を終えて理科室で完結してしまったら、さらなる問題を自然事象から見いだしたり、再び日常生活に当てはめて考えたりするような、自然事象との関わりをさらに深めるチャンスを生かすことができないでしょう。
また、様々な情報があふれる昨今、児童生徒は疑問に思ったことを、タブレット端末等で検索しただけで「わかったつもり(表面的な理解)」になっているかもしれません。理科では、自然事象から見いだした問題を観察・実験等の手段を用いて解決していきますが、解決後に日常生活に当てはめた際に生じた新たな疑問を追究していくことで、「深い学び」に導くこともできます。授業者は、学んだことを日常生活で活用できるような工夫を意識しながら授業改善をしているでしょう。では、どれだけの児童生徒が、意識的に日常生活から疑問を見いだしたり、学んだことを日常生活で活用したりしようとしているでしょうか。
「令和7年度全国学力・学習状況調査」の質問調査「自然の中や日常生活、理科の授業において、理科に関する疑問を持ったり問題を見いだしたりしていますか」という問いに対して肯定的に回答した小学生は69.1%、中学生は56.3%でした。令和4年度の同調査の質問調査「理科の授業で学習したことを、普段の生活の中で活用できないか考えますか」という問いに対して肯定的に回答した小学生は68.0%、中学生は 52.9%でした。この結果を、先生方はどう捉えるでしょうか。「結論が出て終わり」ではなく、もう一度日常生活に当てはめてみたときに、児童生徒は「そういうことだったのか」と納得し、今まで当たり前に見ていた自然事象の見え方が変わったことを実感します。これは、児童生徒自身が変容した(成長した)ということに他なりません。自然事象の見え方が変わったことを自覚するということは、自分自身の成長を自覚することでもあります。このように、「日常生活とのつながり」を直接的に体験できることは、理科の大きな魅力であり楽しさです。この楽しさを児童生徒が実感できるよう、教師として、理科授業における様々な工夫をしているのではないでしょうか。
本特集は、理科授業の「不易と流行」の「不易」部分に当たる、日常生活とのつながりをテーマとしています。このテーマは古くから全国で追究されていますが、よりよい授業の形を模索していく中でこれからも大切となるものでしょう。理科の学習を理科室で完結させない学びの在り方について、全国の実践例を広く共有する機会としたいです。

(『理科の教育』編集委員会)