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月刊 理科の教育2025年12月号

ISBN: 4910093131252

一般社団法人日本理科教育学会/編

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商品説明

特集:どうする!?生成AIと理科教育

AIは理科授業にどのような影響を及ぼすのか

 生成AIを一気に躍進させたChatGPTの登場から、2年以上が経過しました。生成AIが社会に様々な影響を及ぼしていることは周知の通りです。2024年には、本学会の全国大会でも生成AIを使った実践発表に多くの参加者が集い、書籍『生成AIで進化する理科教 育』(東洋館出版社)も出版され、反響を呼びました。最近では、生成AIを活用した授業研究も行われるようになり、理科に特化した実践研究も見られるようになりました。その一方、学校現場では生成AIはもとより ICTの利活用について躊躇している先生方も少なくありません。
一般的に、生成AIに対しては様々な考え方があります。例えば、VUCA(変動的で不確実、複雑で曖昧な)時代だからこそ、問題解決の大切さが問われていて、そのために生成AIのプロンプトで問いを立て、ビッグデータから最適解や納得解を得ることはすでに様々な分野で行われているという推進派の考え方。また、生成AIは知能という領域に踏み込んでいるため、人間に代わって行為主体になりかねないという慎重派の考え方。さらに、生成AIの経験知が少ないため、従来の価値観では判断できず、まずはやってみて問題点や留意点をしっかり見極めようとする現実的な考え方などもあるでしょう。
そのような状況の中、文部科学省が示した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」(2024年12月26日)からは、児童生徒が学習活動で利活用する場面のフェーズが上がったことが読み取れます。その基本的な考え方として、「人間中心の利活用」であり、あくまでも人間が主体であることが強調されています。児童生徒が利活用する具体的な場面では、学習指導要領に定める資質・能力の育成に寄与するかなど、リスクや懸念を講じた上で利活用を検討すべきとしています。また、生成AI自体の仕組みへの理解や使い方、各教科の学びに生かす力を高めることなども示しています。
生成AIの理科授業での活用には賛否があるでしょう。多くの先生方は興味津々であるものの、それ以前のICTの利活用や他の業務に忙しく、生成AIへの対応に至らない状況にあるようです。
そこで、本特集では、研究者からは現状を踏まえた生成AIと理科教育について、学校 現場の先生方からは、現時点で推進すべきだという意見や時期尚早であるという意見などを、率直に語っていただきました。また、すでに実践やアイデアをお持ちの先生方には、その有効性と課題などについても幅広く意見を述べていただきました。

(『理科の教育』編集委員会)