月刊 初等教育資料2026年1月号

特集Ⅰ
学習指導要領実施状況調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実①

国立教育政策研究所では、小学校学習指導要領の次期改訂に資するため、今次改訂の改善事項を中心に、各教科等の目標や内容に照らした子供の学習の実現状況について調査研究を行い、検討の基礎となる客観的データ等を得るとともに、教育課程の基準に係る課題の有無及びその内容等を検証・総括することを目的に、「令和４年度　小学校学習指導要領実施状況調査」を実施しました。調査結果の詳細については、現在、国立教育政策研究所のホームページにおいて公表されています。
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/shido_r04/

　そこで、１月号から３月号では、「学習指導要領実施状況調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実」を特集します。１月号では、調査の目的や実施概要、調査結果の総括等について解説するとともに、国語科、社会科、算数科、理科、音楽科における調査結果の詳細を視学官・調査官が論説します。
　本特集が、各校における今後の学習指導の改善・充実につながり、子供たちの資質・能力が育成されていくことを期待します。

特集Ⅱ
学習指導要領における指導のポイント［生活］
身体を通した心を動かす体験

　低学年の子供に、よき生活者としての資質・能力を育成していくためには、身近な人々、社会及び自然に実際に触れ、活動することが欠かせません。そこで味わう「楽しさ」は、単なる一時的な感情ではなく、子供の心を開き、次の行動を生み出す動力源となります。そこでは、様々な対象について感じ、考え、行為していくと同時に、その学習活動によって関わる対象や自分自身への気付きも生まれます。それらが相まって安定的で持続的な学びに向かう態度を育み、自立し生活を豊かにしていくこととなります。
　生活科の特質は、具体的な活動や体験を通して学ぶことです。生活科で育みたい子供の姿を、どのような対象と関わり、どのような活動を行うことによって育てていくかが重要であり、そのこと自体が内容となって構成されているのです。
　そこで特集２では、学習対象と直接関わる活動や体験を楽しむことによって資質・能力を育成することについて解説します。また、生活科の内容構成と関連付けた学習指導の工夫や、心を動かす体験を生み出す学習環境づくり、４つの小学校における実践事例について紹介します。

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