
月刊 理科の教育2025年10月号
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商品説明
特集:理科授業でこんなこともできる!-教室を飛び出し、ダイナミックな実践に挑戦しよう-
全国各地のダイナミックな授業実践を紹介
社会やキャリアとの結び付きを深めるとともに、より体験的に児童生徒が学ぶ機会をつくろうと、教室を飛び出して、様々な現場でダイナミックな観察・実験やものづくりに取り組む実践が各地で行われています。
例えば、火を入れた製鉄炉の中に砂鉄と木炭を交互に入れて鉄を生み出す日本古来の「たたら製鉄」という技術を取り上げることが考えられます。これは、日本の刀剣を作る素材を提供するためや、伝統的な技術を伝承していくために現在も島根県で行われています。
この技術は、木炭(炭素)で砂鉄(酸化鉄)を還元し、鉄を生み出すものであり、ダイナミックな還元の教材としても活用できます。また、野外観察を通して、「海岸では砂の中に砂鉄が多く含まれていること」や「内陸では火成岩が観察でき、磁鉄鉱が含まれていること」を結び付け、土地のつくりの学習で「なぜ海岸に砂鉄の多い土地があるのか」を課題に設定します。さらに、総合的な学習の時間では、教材用の小型の炉を自作して、地元で採集した砂鉄を用いて「たたら製鉄」 実習で鉄を作り出し、社会科では「鉄砲が種子島に伝来したとき、なぜ種子島で鉄砲を作ることができたのか」を課題に設定します。このように、「砂鉄」「たたら製鉄」「鉄砲」を結び付けて総合的に学ぶ学習も考えられるでしょう。
このほかに、「ロケットを作る」「ロボットを作る」などの普段できないものづくりや、実際に現地で行う「古代生物の化石発掘」「火山の調査」「海洋生物の観察」などのダイナミックな観察や実習、「大型地形模型による土砂災害、津波災害、河川氾濫などのモデル 実験」といったダイナミックな実験も行われていることでしょう。このように、教室を飛び出し、独自のダイナミックな観察・実験、ものづくりによって、体験的な学びをつくり上げている理科教師が全国に存在します。
本特集では、理科の授業や理科から接続した総合的な学習の時間、理科と関連させた各教科の授業などで、「こんなこともできる!」「こんなことをやっている!」というダイナミックな実践を紹介します。理科のどの単元を、どのような経緯で、どこと連携して、どのように行ったか、そして、その学習はどのような効果や成果があったのか、具体的な取り組みから得た知見を参考にしていただければ幸いです。
(『理科の教育』編集委員会)